もう一度、思う
もう一度思う。
abaudo;アバウド
許さない...
目の前で、女が傷ついたんだ。
今は命のない...小さな小さな子供がな!
「O*N」
この間獲得した、無属性魔法の解読のおかげか?
こいつらの言語が判る。
「ぶっ殺してやる!」
「F@K"@...&MQX,.LO$,JU"@⒮....(人間...悪魔の、。奇行、自然を................)」
「うるせー!」
俺の身体が、沸々と燃えていく様子がわかる。
死んでもらおう。
試しに...ガチャでとったスキルでな!
「廃落!」
一瞬空間がゆがんだ!?
いや、空気が揺れた。
目で見てわかる。
魔物は苦しそうな声を、絶叫して...朽ちていく。
その姿は、まるで溶けていくようだった。
俺は女の子のそばに寄った。
「もう、絶対に...死なせたり、しないからな」
何故こんな時に、美乃はいないのだろうか。
他人に与えられる治癒魔法なんて、持ってないぞ...
三時間前。
「それじゃ、大スピードで、最下層まで行くぞ!」
「任せた...わ」
美乃は俺の腹を思いっきり抱きしめた。
「はぅう...美乃さん、それはやばい...腸が口から出るから」
この馬鹿力女...俺を殺す気か?
「んもぅ」
んもうじゃないだろ...
危うく死んでたぞ?
「よし、いくぞ!?」
俺は頭より高く、垂直にラザスタの剣(白砕レベネートブレーカーLv2)を振りかざした。
では、早速。
「ジャック・ベア・リシアタン!」
おぉ、周りにある魔力の源が、全て俺と融合しているような気がする。
後ろの美乃は、何故か楽しそうにしていた。
......
......
......
「...まだ?」
「まだみたいだなぁ...」
「早くしてよ...出し惜しみとか、意味ないでしょ?」
「別に出し惜しみしているわけじゃないし、なんなら腕が痛くなってきたから早く終わらしたいんだけど...」
あれから数分、ずっと魔力がたまり続けている。
いきなり暴発して、「ドカーン!」とかないよな?
特にスキルを見ても、何も無いし。
「早くしてよ」
そう言いながら、俺の腹に伸ばしていた手を離す。
「おい馬鹿!いつ発動するかわからないのに...」
「だって、腕が痛いんだもん」
すると、俺も遂に痛さが限界を迎えて、手を下したその時。
「あ」
白砕レベネートブレーカーの刀身が光りだした。
金を基調した作りに沿ってなのか、光も神々しくなっている。
「早く、俺の腹を...」
俺がそう言ったのも虚しく、もう発動していた。
そのままレベネートブレーカーは地面を貫いた。
「あぁぁぁ!」
早い、早すぎる。
何キロ出てるんだ?
あれ?
俺の胸元も光って...
って。
「ぐぁっ!」
何か硬い物に激突し、大きい空洞の真ん中に落ちた。
まずくない?
この感じって、またボス戦じゃ...?
その時視界に写った建物に、一瞬だけ戸惑った。
「し、神殿みたい...だな?」
大きく立派な建物が、目の中に入って来た。
数十本の長くて太い柱が、この大きな建造物を支えていることを見ると、なんだか神聖な気持ちになる。
って、何考えてんだ?おれ...
貫いてきた空洞は...
高い。
物凄く高い場所に見える。
「これは叫んでも、届かないよな?」
しかも、結構な深さを掘ったようにも思える。
そんな場所からでは、流石に...届くはずもないな。
仕方なく、俺は神殿に向かって近づいて行った。
そして俺は、とんでもない物を目に焼き付ける。
「セ...ラ?」
間違いない。
セラが、なんの外傷も無しに横たわっている。
それも何かの捧げものかの様に、祭壇の上で横たわっているのだ。
一体、何が...?
生きていたのか?
何か吸い込まれていくようだ。
懐かしい存在に、俺は色んな感情が溢れて来る。
「ごめん...セラ」




