表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あらゆるスキルの保持者、創造と破壊の魔術 ~俺だけ悪魔~  作者: abaudo:アバウド
主従関係・大切な仲間
36/724

リリス

リリス

abaudo;アバウド


灰色と赤色の城が、崩れ落ちた。

まるで世界そのものが崩壊していくようだ。

「ジャック・ベア・リシアタン」

何処かで誰かが呟いたような気がした。

崩壊の魔術。

闇と歪みの魔術。

「リリス...」

「はい...何でありますか?」

そこには傷だらけになった族長がいた。

「先祖返りのお前が...最後の希望サキュバスだ」

族長は私の親だ。

私の目から涙がこぼれた。

「お前に...全てを託しても...いいか?」

もう死にそうな声、インキュバスとして...使命を全うしたかのような顔だ。

「はい...族長と村の為に、私...行きます」

火花が飛び散って、マグマが村を侵食していく。

私は経験も力も何もない、しがない悪魔だ。

「お前は...ガフッ」

血を吐きながら倒れた。

どうやら余力も、完全に尽きている様だ。

父でもある彼を、私は助けることが出来ない。

「ははっ...助けなくてもよい」

なんて力強い笑顔だ。

「わかっています...私は淫魔としての能力が...」

「これはお前と私の...約束だ」

「はい...」

こぼれた涙が地面に落ちた。

悲しくはない。

辛くもない。

なのに、涙が出る。

「お前が惚れた相手には、その力は使ってはならない...」

「...どうしてですか?」

「いいか?」

「......はい」

そして族長は満足気に目を閉じた。

遠くで爆発の音が聞こえる。

もうその音がした時には、族長の命はもう無かった。

どうして...こんな事に...

もうどうでもいい気がする。

私は動かない...

ここも危険だと知っている。

でも生きる意味を無くしてしまった。

だって、私にとって大切だった人は母と父だけ、でも今はもう二人共いなくなってしまった。

こうしてただ絶望している時間も、遠くから危険が攻めて来るのだ。

どんどん近くに...

何よりも早く。

私は何も考えないで、空を見上げた。

隕石。

私を狙ったものだろうか?

まぁ、いいか。

私はここでじっとしておこう。

ごめんなさい、族長...

ここで族長...父と共に...

「ジャック・ベア・リシアタン」

急に隕石が止まったと思ったら、粉々に砕けた。

その時私の目の前に立っていたのは、黒い服装をした...半悪魔の青年と、白髪の綺麗な獣人だった。

その二人の後ろに、数体の魔物。

それも凄く強そうな牛の頭をした魔物だ。

青年は私に微笑んで、大きく口を開いて言った。

「強く生きろ!」

牛の魔物は何らかの力で、一匹ずつ倒れていく。

全部倒れたのを見ると、青年と白い女の人は去っていった。

「生きろ!」

その言葉が心に響く。

それに彼の瞳...私と彼に、何か近しい物を感じた。

...救われた?

...私が?

初めてだ。

こんな感情...

隙間を埋められた気がする。

「そうか」

私は少し生きたくなった。

まず私は、セントイルに入ると決断した。

私はこの村を復活させられたら...

きっと私は強くなれる。

いや、なって見せる!

これが私の...野望だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ