鍵
ペンダント
abaudo;アバウド
錬金術...深い暗闇の中で、君は何を見ただろうか。
走馬灯のように思い出が繰り返された?
それとも、死に絶えていく人間を笑いながら見ただろうか。
欲だけを手にしたものは、はたしてどちらを見るのだろうか。
大切だと思えるものが、君にはあるのか?
風や雨の中、天気を晴らしてくれるような存在はいただろうか。
「俺にはいた................」
今はもういない。
人間の手によって、亡き存在になったのだ。
俺にとって大切な存在は、二人いた。
その二人共亡き存在だ。
いつか融合する。
いつか俺は、こいつと一つになる。
こいつが選んだので引いたのではない...俺が選んだのだ。
近しき悪魔のこいつを...
「どうするの?」
「千里鑑定眼で地道に、この迷路を解いているんだよ」
「迷路?」
美乃は苛立ちを浮かべながら、俺の事を急かしてきた。
しかし、一向に先が見えない。
だって、千以上ルートのあるギャルゲーで、隠しエンドを探しているようなものだ。
実際はそっちの方がいいのだがな...
「あぁ...もう、まだぁ?」
「うっさいな。 ちょっと黙っとけ!」
数時間だ。
数時間こうしている中で、二人共カリカリしていた。
「あなたの言うガチャでも引いてよ! まだ二十連ぐらい残ってるんでしょ?」
「嫌だよ。 まだ使いたくない」
「別に今引いても後で引いても、変わらないわ!」
解ってないな。
「こういうのはな...戦場で引いてこそ意味が出て来るんだよ」
そう、普通に引いても楽しくない。
だとしたらどうするか。
あの戦場の中で、神スキルが出るか出ないかで死ぬ展開で、神スキルを当てるから嬉しんじゃないか。
「もう、仕方ないわね」
そう言うと美乃は立ち上がり、何か透明の鉱石の方に近づいて行った。
「ジャイス」
そう唱えた瞬間、いきなり鉱石が光り始め、何か小さな水滴を落とす。
その水滴が美乃の肌に触れた時、彼女は暗闇を出したかのように空間をゆがめた。
「...はい」
「...ナニコレ?」
なんか変な爪?渡されたんですけど?
「あなた鍛冶スキル持ってたでしょ? それで物破壊のスキル着いた武器作ってよ」
「...めっちゃ時間かかると思うんだけど?」
「鍛冶スキルのレベルがマックスだったら大丈夫だと思うわよ」
まぁ、確かにレベルはマックスだけど。
それでうまくいくか?
物は試し...か。
俺は爪に対して魔力を込めていく。
確か前は、削ったりしてたけど...今回は良いのかな?
「連珠白衛...投核...鮮麗」
なんか美乃も俺と同じようにして、なんか唱えてるんだけど...
あ、俺の視界に何か文字が...
「白砕レベネートブレーカーの能力を受け継ぎ」
「連実宝治...珀涯ノ霊懇...従影」
美乃から何か邪悪なパワーを感じてきた。
暗い感じのオーラが出ているから勘違いしているだけなのかもしれないけど...
爪の形がどんどん変形していく。
「「魔力投影」」
俺と美乃の声が被った!?
すると白砕レベネートブレーカーの光が強くなり、気付けば形が完全に出来上がっていた。
白砕レベネートブレーカー。
特殊呪文→(蛇候のレンイン)
→(静霊剣存)
→(白砕レベネートブレーカーLv2)
この中からお好きなのをお選びください。
「さて、どれにするの?」
「どれにするって言われても...」
邪悪な蛇が装飾された剣と、聖と悪を綺麗に反映させたような装飾の剣と、そのままレベルアップ。
どれがいいのだろうか...
「私的には、一番上かな?」
「えぇ、でも静霊剣存も格好よくない?」
「そうねぇ...いっそのことレベルアップにするっていうのは...って、元々物破壊のスキルが必要なんだったから、悩むこともないじゃない」
あ、忘れてた。
インパクトがでかくて、全く気にしていなかった。
それじゃ、白砕レベネートブレーカーLv2!
そうして俺は、二代目ラザスタの剣を手に入れたのだ。
「ん? なんかあなた...光ってるわよ?」
「あれ、本当だ...」
俺が光っている原因を探る為、上の服を全部脱ぐ。
「な、何してんの?」
「いや、原因を探らなきゃなと思って...」
すると、俺の首元が強く光っていることに気が付いた。
「これは...」
「ペンダント?」
これは確か、セラが死んだとき...持っていたペンダントだ。
着けていることを忘れていた。
「俺の大切な物だよ。」
「そう...」
暫くすると、俺のペンダントの光は治まった。
「なんで光ってたんだろ?」
「まぁ、魔力とかで動作するペンダントなら、多分その魔力がなんらかの理由で漏れたんじゃない?」
「そうなのか?」
まぁ、いいか。
俺はこのペンダントの本当の仕様を知らなかった。
これが、錬金術の鍵となる事を...




