絶対的な物
勝利...敗北
abaudo;アバウド
「それでは、五連引きますか?」
「引く!」
引くしかないだろ!?
そう言うと、俺の視界に大きな亀が現れた。
確定演出か?
いや、こんなの見ている場合じゃない...
はやく...早くしてくれ...
自分の視界が、演出に囲まれて、現状がわからない。
今この時にも、危機が迫っているかも知れないのだ。
亀は、今までになかった黒光りをした。
それは邪悪な光にも、神々しくも見えた。
ただただ、暗いわけではなく、明るさも混じっている。
なんの演出かは知らない...
でも、何かある事はわかる。
頼む!神スキル...来てくれ。
亀が排出した。
1 火魔法特典
ファイアウォール Lv 1 ファイアアロー Lv 1 シャイニングライト Lv 1 火源暴発 Lv 1。
全て自身のレベルアップに比例するものとする。
2 ゼイラグトオーバー Lv 1。
全て力を極限まで解放。
ただし、解放条件が必要となり、常に魔力を消費し続ける。
3 ワープ Lv 1。
瞬間にして移動ができる。
半径三キロメートル、クールタイムは1時間。
4 輝剣 Lv Max。
光り輝く剣を、瞬時にして作り上げる。
ただし、大量の魔力と集中力を必要とする。
その剣は一定時間経つと消える。
5 燐光・覇 Lv Max。
一瞬だけ青白い炎を出して、一気に攻め入る技。
魔力消費はないが、ステータスや冷静さなどによって、発動できない場合がある。
俺は思わず息を呑んだ。
まさか、全部...
嬉しいが、流石に気持ちがわるい。
そんな事よりも...
俺は戻った瞬間に、自分の視界に安堵する。
まだ死んではいなかったようだ。
早速、スキルを使うか。
「シャイニングライト!」
そう叫ぶと、全体が明るく照らされた。
そしてその時に見た、魔物の正体にゾッとする。
カマ...イタチ?
いや、きつねか?
なんだかよくわからない姿をした、大型の魔物がすぐ近くに潜んでいたのだ。
尾には、約五十センチほどにもなる、大きな鎌が付いている。
それになんの魔法か、空中に二本、大きな鎌が浮いていた。
その鎌の表面には、血がべっとりとついている。
きっと俺の血だ。
思わず目を細めてしまった。
正直言って、相手にしたくない。
そんな事ばかり考えていると、狐鎌鼬が攻撃態勢に入る。
俺は身構えた。
しかし、相手は俺を見つめたまま動かない。
まるで、来いと言っているようだ。
このドキドキ感、あの鳥の時と一緒だ。
多分こいつは俺より、はるかに強い。
だから真っ向勝負なんてしたら、負けるだろう。
さっきとったスキルで...何か使える物とかはないのか?
あまり考えてばかりもいられないが、考えるしかないのだ。
...ゼイラグトオーバー。
何かの条件で、俺のステータスを極限まで高めるってスキルだ。
でも、肝心の条件がわからない。
...輝剣。
これも使えそうだと思ったが、果たして俺にこれが使えるのだろうか。
大量の魔力と集中力が必要になる。
これを使うなら、一発勝負だな。
他には...
すると、さっきまで大人しかった狐鎌鼬が急に動き出して、俺の方へ高速で向かってくる。
やばい!?
「ファイアウォール!」
この選択は正しかった。
瞬時に出た言葉だったけど、相手を足止めさせるには十分の様だ。
ここまで来たら、いっそ攻めまくってやる。
「爆炎拘束」
狐鎌鼬を拘束して、随時ダメージを稼ぐ。
すると、狐鎌鼬は拘束されたのにも関わらず、宙に浮かせていた二本の鎌を、こっちに飛ばしてくる。
今だな!?
「いでよ、輝剣!」
鎌が遅く見えるほどに、自分の中で集中力を高める。
実際に遅く見えるわけではないが、何となく長く感じる。
頼む...出てこい!?
すると、空中に光る剣が、持ち手の部分から刀身へと、続いて現れた。
確かに魔力消費が激しい。
一つ作るのが、限界だ。
現れた輝剣を右手に持ち、こっちに向かってくる鎌を弾きかえす。
美乃から剣術を教えてもらっておいて良かった。
まだ全然半人前だが、前の俺なら振る事もままならなかったと思う。
よし、いい流れだ。
このまま...
すると、狐鎌鼬は俺の拘束を解いていた。
嘘だろ?
なんだこれ...
俺の中を圧倒的な恐怖心が支配し始めた。
それと同時に、疲労感も高まる。
もう一度、狐鎌鼬を見ると、信じられなくなった。
「おいおい...嘘...だろ?」




