実戦訓練
実戦訓練
abaudo;アバウド
「はぁ...はぁ...」
「ん?...ふぅぁぁ」
今が朝なのか夜なのかはわからない。
でも...一つだけわかる。
「あら、まだ振ってたの?」
「振ってたのって...美乃が振れって言ったんじゃないか...」
手が痛い。
痛いとかの次元じゃない。
マメは出来て、皮は擦り切れて...
「まさか、本当にずっと振っているとは思ってなかったから」
「どれだけ俺の信用ないんだよ」
「まぁいいわ...私からご褒美を上げる」
ご褒美?
美乃は何か良くない感じの、不敵な笑みを浮かべた。
「じゃあ、今から実践訓練をするわ」
「実戦って、何かを倒すのか?」
「そうよ」
何だろう...
何か企んでいるとしか思えない顔をしている。
「で、何を倒したらいいんだ?」
「何って...この階層のボスよ」
ボ、ボス!?
いくら何でも、この階層のボスって...
俺はまだ子供なんだけど?
「何? 行きたくなさそうね...」
そういったと思ったら、急に美乃は俺の両肩を持った。
「幼馴染やお母さんのために、人間へ復讐するんでしょ」
「復讐...」
確かにそうだ...
あれはただ身に任せた選択だったけど...あれが俺のはじまりだった。
いまでさえ落ち着いているけど、あの時の俺なら...
「わかった...行くよ」
「よし...」
右手を握って、小さな声で言った。
「何がよしなんだ?」
俺がそう聞くと、ごまかす様に咳ばらいをして、俺の背中に手を当てた。
「それじゃ、行ってこーい!」
そして、手を当てたと思ったら、今度は足でけられたのだった。
「って、おーい!」
「この階層のボス...見たことはない」
多分、特殊な広間みたいな所に現れるのだと思う。
俺のアニメ脳が呟いた。
「一点何の変哲もないこの壁に...水魔法と風魔法を打ち込めば...」
ほら、変な入口の完成...とか。
すると何の変哲もない壁の土砂が、急に崩れ落ちた。
その奥には、暗さで先が見えないほど道が続いていた。
って、本当にあったよ。
「とりあえず、中を見て回るか」
俺は丸腰にも関わらず、中へ堂々と入っていく。
丁度10分ほど歩いた頃、奥の方から何者かの歩く音が聞こえた。
「な、なんだ?」
俺は焦って、近くの物陰に隠れる。
「O*U!」
なんて言っているんだ?
何か喋っているようだが...何言っているのかわからない。
「FCP"&G,B」
独特のしゃべり方が、妙に耳の中をえぐって来る。
俺は突如の嫌悪感で、居てもたっても居られなくなった。
「バーストフレイム!」




