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白虎

白虎

abaudo;アバウド


「あれ...ここは?」

確か俺は、蛙に潰されて...

風魔法で魔力が切れて...

あの後、俺はどうなった?

...もしかして!?

(騒がしいな)

ん? 誰だ!?

(もう我の事を忘れたのか?)

「この声...もしかして、賢者か?」

目が開かない。

でも、なんだかわからない安心感がある。

「近くにいるのか?」

(別に声に出さなくてもいい...心の声が聞こえる)

...心の声が聞こえるって...

(声に出して喋りたいなら、喋ったらいいがな)

「え...と、なんで俺を助けたんだ?」

(気まぐれだ)

目を開くと手を舐めている白虎がいた。

表情すら変えない白虎だが、俺には優しい顔をしているのが分かる。

「でも、白虎って、この間会った時小さくなかったか?」

(我ぐらいになれば、身体も自由に変形させられる)

さすが、“元”賢者。

(元を強調するな!)

“元”にめっちゃ反応してる...なんかプライドでもあるのかな?

(う、うるさいわ)

俺は面白くて、笑いそうになった。

そんな俺を見て、白虎は俺にまとわりついて来た。

こう見ると、ペットみたいでかわいいかも...

(我も昔は、可愛い女子だったんだぞ)

へっ!?

俺の威厳のある賢者図が、そこでぶち壊された。

さっきまで、(一度は殺そうとした相手だけど、気まぐれに助けてやった)って言う、男らしいのを思い浮かべて...なんか尊敬していたんだけど...

いや、別に女性が悪いってわけじゃないよ?

でも、なんて言うか、元賢者って言われるほどだから...

あの...おじいちゃん?

もしくは、めっちゃ威厳のある髭長おじさんとか?

そんなのを想像していたのに、今になったら背中が小さくて、顔は可愛くて...淡いピンクの服で...

(気持ち悪い! 変な妄想をするな!?)

「あぁ、ごめん」

俺は白虎に対して思い浮かべていた、人間の姿形が完全に真逆へと変わった。

まあでも、女子からこの白虎に...

逆に言えば、この白虎から女子に...

悪くないかも...これがギャップ萌え、か?

は! ケモ耳...

「人間の姿に戻れるの?」

(一応戻れるが、力は今の三分の一になる)

「え!? 戻れるの? やって!」

(やだ)

なんか白虎の口調が、女子になってきた。

俺にはわかる。

白虎の中身が、めちゃくちゃカワイ子ちゃんな事を。

「頼む...一生のお願い」

俺は地面に頭を着けた。

(お前...いい加減にせんか)

でも、俺は諦めない。

俺だって年頃の...

「その後、殺されてもいい」

(ころ...お前!? 自分の命を大切にしろ!?)

大切にしているさ。

でも、俺は何としてでも白虎の中身を見てみたい。

好奇心には、勝てない!

あとケミ耳にも!


(ほれ、これが我の本来の姿だ)

「か、可愛い」

何と言うか、本当に賢者? と疑うような若い女性。

高校生ぐらいか?

その上、ロングでつやつやした白髪が、またいい。

お目目ぱっちりで、鼻筋が整ってて...唇はピンクにプルンと輝いている。

そして、スタイル、いい!

極めつけは................

俺はネコ手を作って見せる。

「猫耳ニャンって言って!」

(ね、猫...ミミ...ニャン?)

あ!

ありがとう! 神様。

今まで生きててよかった。

(お主、見た目は子供なのに、中身はエロおやじなんだな...ぅ)

「エロおやじじゃない...俺の実際の年齢で言うと、22も言っていない位だ」

(そうか...我は280歳だがな)

この見た目で、280...

「もしかして、不老不死?」

(そ...そうだが...っぅ)

なんかさっきから、小刻みに震えてるんだけど?

「どうした?」

(何故かわからんが、不安なのじゃ)

「何が?」

俺が顔を近づけようとすると、白虎は離れていく。

(この姿は...久しぶりで...あんまり...ジロジロみるな)

白虎は顔を赤く染めて、自分の身体をサスサスさせた。

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