其の参
其の参
abaudo;アバウド
――ワープ。
そろそろ俺も...一回本気で暴れてみるか。
この地に来て大分強くなっただろうし、少しは自分の力に酔ってもいいだろう...
そう思ったのが、敵の陣地のど真ん中にワープした時だった。
「「おぉぉぉぉぉぉ!?」」
敵の陣地に一人で来ると、敵は大勢で襲い掛かって来るらしい。
皆凄い形相で武器を振り上げた。
――雷爆。
心の中で唱えると、俺の身体からバチバチと放たれた電気が、近くにいた敵に当たるとそのまた近くにいた敵に伝わって、大きな電気のサークルが一瞬で拡がって行った。
そして拡がったサークルが一定の距離まで届くと、電気を浴びた敵がいきなり爆発した。
俺に近かった敵は焦げた様子で倒れる。
よく見ると痙攣をおこしながらもがいていた。
「お前ら、こいつを殺れぇ!」
愚かな敵は、人数を集めて俺に近寄って来る。
「ばかめ...範囲内に入ったな?」
――スルト!
炎属性最強の魔法。
ギラギラと鮮やかな火の粉が舞い、範囲内に入って来た敵を包み込み舞い落ちる。
「さぁ、黒蓮堂...この前のお返しだ...」
指をパチンと鳴らした。
すると鮮やかな火の光が、大きく腫れあがって花火の様に爆発した。
「えぇ、将軍...私もラズの所に行きたいぃ!」
「ほら、将軍様にわがまま言わないで、さっさと参戦しにいくわよ?」
美乃はラズ達の元から帰って来たばっかりの将軍に、しがみついて離れない。
それをハルカが必死に引き剝がそうとしている。
将軍は微笑みを見せて、駄々をこねる美乃に一言耳打ちをした。
「...あそこの敵、全部倒したらラズ様の所に言ってもいいですよ。 もしよければお願いを何でも聞き入れます」
「え?」
「早く倒せば、早くラズ様の所へ行く事が出来ますよ...」
それを聞いた美乃は、ハルカの手を掴んで一目散に敵の元へと走った。
「ちょ、美乃!」
「ハルカ! ハルカはあっちの奴をお願い、こっちの敵は全部私がやるから...」
「え? あ、えぇ...?」
美乃はみなぎる力を握りこぶしに込め、その莫大なるエネルギーを敵の拠点と思われし陣地に一発殴りつける。
すると殴った地面が破裂するように弾ける。
「もう、一丁!」
その言葉通り、もう一回同じ攻撃を放った。
「えぇ...これはもう、一方的な暴力じゃ...」
それを見たはハルカと将軍は期待していた。
勝てると、確信していたのだ。
暗室の床を見下ろすと、そこには日欄虞での争いが全て見えていた。
「さぁて、いっぱいやりあってるねぇ...」
「どうする? 参戦する?」
「俺はここで観戦しているよ」
「そう、でも私は行かせてもらうわよ」
三人のうち、一人は戦いをするために、床の戸を開いて降りた。
「まぁ仕方ないねぇ...胡玲はラズくんと戦いたくていてもたっても居られないそうだし...」
「私も行ーこぉっと!」
二人目も一人目につられて降りて行った。
「はぁ、二人共...仕方ないね...なら」
三人目も二人同様に降りて行った。
黒蓮堂幹部の内、三人が...




