あの時墜ちた者達。
あの時、墜ちた者達。
abaudo;アバウド
「あなたたちは“聖の使い”によりここに降り立ちました」
どうやらここは教会の様だ。
ここにいる生徒の全員が、小さな赤ん坊になっていた。
しかしそこにいる全員が、前世の記憶を持っていた。
神官が金で出来た立派な杖を、天に掲げる。
「今こそ! 悪魔の全てを殺し、まだいない魔王が現れるのを食い止めるのです」
神官の両端にいる綺麗な見た目の宗堂女達が、両手を挙げて何かお願いするポーズをとる。
それを見た、まだ赤ん坊の生徒たちは...
何故かわからない...
“恐怖を感じた”
「おーい、絢音ー」
一人の女子に話しかけたのは、一人の男子だった。
「どうしたの、亮一?」
この二人は前世で幼馴染だった為、もともと仲が良い。
暫くすると、その場所に同級生がぞろぞろと集まってきた。
この世界に来てから、もう五年の月日が経とうとしている。
今この世界に来ている全ての生徒達は、訓練生として、毎日稽古が行われている。
それは強制であり、義務である為、何があろうと受けなければならなかった...
ただ、とある一人だけ...
一人のある生徒だけを除いて。
「でも、本当に永咲は何処にいるんだろうな」
「それに関しては、先生が今も調べてるって言ってたじゃないか...それに」
とある生徒が、同級生以外にいる訓練生を見た。
どうやらその訓練生達は、その話題を気にしている様だ。
「あいつも可哀想だよな...同じ所にいなかっただけで、神に見放されたとか...追放されし悪魔とか言われてるもんな」
一人、空気の読めない木下疾留と言う、元不良生徒が大声で言い始めた。
「馬鹿。 何言ってんだよ疾留!?」
周りにいた訓練生全員が、一斉に睨んだ。
「なんだよこいつら」
訓練生は、年の全然違う者たちが揃っている。
特に十代の者は多い。
血の気の多い若者が多いため、基本暴力が横行しているのだ。
「おいお前! 聖徒だからって、悪魔の事を軽々しく言ってんじゃねーぞ」
「はぁ? お前今何歳だ?」
「俺は、15歳だ」
「ふっ...俺らの本当の歳は...」
その時に、疾留の口を亮一がふさいだ。
「申し訳ありません、こいつの事は許してやってください」
亮一は、訓練生は全員に向かって頭を下げる。
「ふっ、ガキの躾ぐらいしとけよな...ったく、聖徒だからってイキりやがって」
亮一に押さえられ、疾留は今にも暴れだしたい気持ちだったんだろうが、それを必死に堪えていた。
そう、この世界は...
“腐っていた”のだ。




