知らぬ間の恐怖
知らぬ間の恐怖
abaudo;アバウド
速く...もっと速く...
だいぶん近づいて来たからわかるけど、城の側面が大きく燃え上がっている。
「レヴァイアサンもっと速く!」
「グガァァァァァ!」
レヴァイアサンは空に届くほどの雄たけびをあげて、尾びれを跳ねさせて速度を上げた。
速い! これなら...
しかし、レヴァイアサンが急に速度を落とした。
いや、“止まってしまった”。
「どうした...レヴァイアサン!?」
レヴァイアサンからの反応はない。
するとレヴァイアサンは、エフェクトをだして散り散りになって消えてしまう。
レヴァイアサン!?
クソッ、効果時間が切れたのか?
――黒翼!
背中の翼を広げて、直ぐに空の風に乗る。
さっさと行か...
「遅いよ」
「!?」
突如、頭上に現れた何者かに翼が斬られた。
黒翼が消えて、高所から身体が落ちていく。
なにが...
――黒翼!
あれ?
――黒翼!
...嘘だろ。
翼が出てこない。
自分が落ちている感覚が判らない。
そのまま、地面に背中を打ち付けた。
「...ぅ」
息...が...
喉を通って血が昇って来た。
何個かの内臓に衝撃がいったのだろう。
「......ぅ...く」
息が...思うように出来ない。
「よく生きてるね?」
誰...だ?
「まぁ、あの時に死んでたらもっと良かったのにね」
「ぅ...る.........せぇ」
「おお! 喋られるんだね!」
覆面の男はパチパチと陽気に拍手をした。
回復魔法のおかげか、息が段々と出来るようになってきた。
「お前は......誰...だ?」
「俺の事かい? そうだね、君に教えるのは惜しいかな?」
ふざけやがって...
「そうだ、最後に言い残した事はあるかい?」
「......」
俺が何も言わないと、覆面の男はつまらなさそうに俺の頭の上で座った。
「.........あ、ここに来る前、虎耳の少女とあったんだけど...」
虎耳の少女、美乃の事か?
覆面の男は楽しそうに声を高くした。
「うるさかったから...殺し、、、ちゃった...アッハハ!」
殺...した?
いや、美乃が倒されるわけ...
「いやー気持ちよかったなぁ。 どこにいくのか聞いたら、ラズを助けに行くとか言ってさぁ? あんまり必死そうだったから、ついつい足を斬ってさ...それから泣きながら...」
「やめろ」
「ん? なんだって?」
「やめろぉぉぉぉぉぉ!」




