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あらゆるスキルの保持者、創造と破壊の魔術 ~俺だけ悪魔~  作者: abaudo:アバウド
妖怪騒ぎ ~九尾~
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纏わりつく魂

纏わりつく魂

abaudo;アバウド


ほんの一瞬、俺の反応速度を超えるほどの速さで、俺は死んだ。

何も考えることも無く、奴は俺を切り刻んだ。

肉片が地面に落ちる。

骨だけの死神は、俺が死んだことを確認すると薄くなっていく。

美乃は九尾を離して、肉片の元へと走った。

悲しみで声も出ないのか、あぅあぅと涙だけを垂れ流していた。

まさに絶望した顔、何もかも失った顔。

ラズ、と小さく呟きながら肉片を持った時、美乃は表情を変えた。

「フフフ...」

狂ってしまったのか、笑い始めたんだ。

青ざめていたかのように思えていた顔も、スッキリ元の色に戻っている。

「な、何を笑っているの...」

九尾は仲間が死んだのに笑っている美乃を見て、相当の衝撃を受けた。

今は九尾の方が美乃よりも青ざめている。

「だって...私はラズを信じてるの」

九尾の方を振り返った美乃の背後から、とんでもない光を放出させた。

閃光は美乃を包むかのように巨大になり、消えかかっていた死神は鎖で縛られるかの様に動きを止めた。

「ほら、ラズが帰って来る」

最後に閃光の波動を放つ。

そこには無傷のラズがいた。

「...ふぅ...」

ラズがそこに現れた時、死神はバラバラに砕け散った。

「ラズ!」

帰ってきた瞬間、美乃が俺の手を握った。

生きていることを実感できた。

(ラズアスタ Lv184 呪い耐性 特別スキル;解読・呪 獲得 ポイント五倍 20 up)

...危ねぇ...死んだかと思った。

「なんで? なんで生きているんですか!?」

「そりゃ、即死だったからな」

「は?」

改めて俺は九尾の元へ向かう。

「...え? なんですか? こ、来ないで!」

普通の生物には出来ない様な事をやってしまったから、少女を怯えさせてしまった。

って言うか、今気付いたけどサバイバーにクールタイムってあったんだ。

(サバイバーLv Max 発動確率60% クールタイム 7;59:36)

前はあったっけ? もしかして修正された!?

運営とかいう概念あるのか知らないけど...

「そう怖がらなくていいよ...さっきの俺だ」

「え? な、なんですか?」

「だからそんなに怯えなくていいよ...それに、お前の呪いを解けるかも知れないから、話を聞いてほしいんだ」

自分でもわかりやすく丁寧に言ったつもりだが、どうやら混乱していてまともに理解が出来ないようだ。

仕方ない、少し落ち着かせよう。


俺は美乃と共に、彼女が落ち着けるまで待った――


「それで...私の呪いが解けるとは、一体?」

「さっき骸骨に殺された時に、丁度呪いについて解読が出来るようになったらしいんだ」


解読・呪 Lv 1。


呪いへの解読が簡単に出来るようになる。

スキルポイントと錬金術を使用して、新しい呪いを作る事も出来る。

魔力を消費する代わり、どんな呪いの解術にもスキルポイントを使わない。


スキル<解読>の派生スキルである。

解読・呪の他、解読派生のスキルは多数存在する。


「だからお前の呪いを解かせてほしいんだ」

「な...何故ですか?」

「その呪い、あと一回冥界の魔獣を使ったら、死んでしまうんだろ?」

「なぜそこまで...」

少女は俯いた。

すると少女は俺に首を振った。

「いえ、それは出来ません」

「...一体どうして?」

「それは、私がこの呪いに好感を持っているからです」

「好感?」

「はい...」

また少女は俯いてしまった。

美乃は黙って俺たちの会話を横で聞いている。

口を挟まないのは、きっと美乃の優しさなんだろう。

「じゃ、わかった。 それじゃ俺のたびについて来てくれないか?」

「ラズ!?」

困らせしまう事を言ったかも知れない、でも...

俺は彼女を見捨てることも、切り捨てることも出来ない。

それならいっそのこと、彼女について来てほしい。

「ダメ...かな?」

少女は困り顔で、目をうろうろさせる。

そしてやっと彼女が俺の方を向いた時、彼女は土下座をした。

「あなたとの旅は面白い物でしょう、ただし...私が善意を見せてしまうとあなただけじゃなく他の人たちを不幸になってしまいます。 誰とも仲良くなってはいけない、誰にも認識されてはいけない...こんな私の呪いを受け止めていただけるのでしょうか?」

「あぁ、心配するな。 俺たちがお前を不幸になんかさせない」

「そうですか、ではラズ様...この刀を受け取ってください」

少女は紅魂ノ斬印を自分の前に差し出した。

「...いいのか?」

「良いのです。 今、私はあなたに仕えると決めたのですから。」

「仕えるって...」


その後...

俺と美乃と霊伝後は、村の旅館へ戻った時、皆に驚かれた。

「一、二、三、四...十!?」

特におっさんは朝から酒を飲んでいたせいか、尻尾を数えては騒ぎまくる。

ハルカは相変わらず獲物を真っ先に殺そうとしてきたが...

その日はみんな驚いていたが、夜になるころ少女はみんなに受け入れられていた。

村の人も少女の尻尾の事なんか気にせず、一緒に楽しい時間を過ごしてくれた。

少女は笑顔で、ずっと嬉しそうだった。


誰も死神に殺されることはなかった。

体の様子がおかしく、スキル情報を見てみると...

俺に“右肩が重くなる呪い”が付いていて、少女の善による呪いは跡形も無く消えていた。

一応呪い耐性が付いていたおかげか、肩が重くなる以外の異常は無かった。

それにこのことでわかったのは...

「呪いの根本、この刀じゃね?」

直ぐに解術と解読を行った。

これにて妖怪騒ぎの九尾編は終わりです。

こっちは盛天道子の時と比べて、気持ち早く終わった感覚です。

それと、第100部分も超えました!

皆様の応援のおかげでここまで来られたのは、とっても嬉しい限りです。

日欄虞の“旅”も、終わりに近い...かもしれませんね。

それではこれからも“あらゆるスキルの保持者、創造と破壊の魔術”をよろしくお願いします。


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