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あらゆるスキルの保持者、創造と破壊の魔術 ~俺だけ悪魔~  作者: abaudo:アバウド
妖怪騒ぎ ~九尾~
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怨念の様

怨念の様

abaudo;アバウド


溜まりに溜まった怨念が、ラズの全身を蝕んでいく――


「な、なんだ...こ、これは」

あまりの苦しさに息を吸う事すらも辛い。

何を感じてか、急激に涙が溢れだす。

「ラズ!?」

美乃の声か?

なんだ、なんて言っているんだ?

「だめ! ラズ...死なないで...くっっっ!」

...雨?

顔に水滴が落ちて来る。

何粒も何粒も...

そして、俺は意識を失った。


ラズは深い眠りにつき、とある一人の少女が二百年間、孤独に生き続ける姿を見つめていた。

彼女の尻尾は、狐の様で時間と共に一本二本と増えていく。

それは悲しみを背負っている様で、見ているうちにその尻尾は赤く、視界の淵は黒く染まっていった。


ふと、彼女は腰にある刀を抜く。

綺麗な紅色に発光し続けている、不思議な刀。

彼女はその刀を見つめる度、涙を流した。

それは怨念のせいなのか...

それとも呪いのせいなのか...

“何故私は生きている”“なんの為にこの先を歩いている”

少女の事なんか気にも留めない人々が、今日も楽しく生きている。

声に出そうとも、声に出してしまえば壊してしまう。

ラズは自分が彼女に透け透っていくように、彼女の心の奥深くを見させられた。

その二百年の歴史を、たった一人の孤独な少女の...

寂しくて残酷な想い出を...

“助けて...たすけてよ...”


「ラズ!」

――美乃!?

何が引き金か、失っていた俺の意識は完全に取り戻される。

「嘘...どうして...」

九尾の少女は目を大きく開かせて、驚きが隠せないようだ。

俺もどうしてかはわからないけど、さっきまでの倦怠感が嘘のように無くなって、スッキリとしている。

「ラズ!? 大丈夫なの!?」

「あ、あぁ...ん?」

(紅魂ノ斬印 獲得)

こうこん...?

スキル画面がでかでかと表示され、獲得の文字とスキル名が乱雑に表示されている。

なにかわからないけど、やった...なのか?

「ならもう一度!」

「させるか!」

刀の先にレベネートブレーカーを勢いよく当てて、跳ね返す。

彼女の持っている刀は遠くに飛んで行って、彼女自身は尻もちをついた。

そして悔しそうに歯を食いしばり、刀の方に手を伸ばす。

でも彼女が手を伸ばしても意味がない。

刀は本当に遠くまで行ってしまったのだから。

俺はレベネートブレーカーを背中の鞘に納めた。

「どうしていきなり?」

彼女の元へ向かうと、美乃が俺の肩を持って後ろに引っ張った。

そして美乃は九尾の元へ向かう。

「ちょ、美乃...」

美乃は九尾の元まで行くと、彼女の浴衣の襟を握って持ち上げる。

美乃は力強い握りこぶしで、彼女を自分より上まで持ち上げた。

「ラズに何してくれてんのよ!」

あれ...? そう言えば、なんであの九尾追いかけてたんだっけ?

...思い出せない。

意識を失ったせいか?

そう言えば、あの九尾の特殊スキルが曖昧だ。

それを見たから、助けようと思ってたのに...

なんだったっけ?

ふとスキル表示をすると、やっぱりそこには状態異常があった。

...そうか、あの刀...

あの刀は人の記憶を覗いたり、それを変更させることも出来たっけ?

しかも精神に直接入る事が出来るから...

あの刀は確かあの時に...

ん? なんで俺、さっきの刀についてこんなに知っているんだ?

もう直接聞けばいいか...

「なぁ、お前...なんで俺の記憶を消そうとした?」

「なっ! 何故それを...」

「さっきのあれは...善意か?」

「善意じゃないです! あれは完全なる悪...意です!」

俺が目を合わせようとすると、彼女は目を泳がせた。

「あ...後ろ!?」

九尾は俺の後ろを指さした。

それに従って、俺が後ろを振り向いた時...

鎌を持った“死神”によって、わずか一瞬の間に切り刻まれた。

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