02 俺の日常が終わりを告げる
・・・・・・。
・・・・・・暗い。
・・・眼を開けているのか閉じているのか解らないが、とりあえず俺は真っ暗な世界にいるのは理解した。
しかし、感覚も何もない。
痛みもなければ俺はいま立っているのか倒れているかも解らない。
これが・・・死後なんだろうか・・・
あーあ・・・本当にくだらない17年間だったな・・・生まれてきて良かったと思えたことなんて1度もなくバイクに轢かれて死ぬなんて・・・本当にバカみたいな人生だった・・・
・・・まぁ、生きてても仕方なかったし俺なんかが死んだところで誰も悲しまないだろうから、どうでもいいことだ・・・。
心の中でぶつぶつと呟いては、ここが死後の世界だと受け入れ暗闇の中ただただ虚無に浸る・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・音もないもないし今どのくらいの時間が経ったのかも解らない・・・
・・・ただ意識だけはある。
意識すらも必要ないのに・・・なんなんだ・・・死後ってこんなにも意識があるものなのか・・・?
・・・これが永遠に・・・続くのか・・・?
・・・・・・・・・・・・・・・。
死後の世界で何秒、何分、何時間が経ったか・・・
俺は意識することすら止めようと無になり続けていた・・・が、音もなにもないこの死後の世界で何か聞こえてきた。
「夕暮ヤミ」
「夕暮ヤミィ」
「ん?おかしいな?接続場所を間違えたか?」
俺の脳内に響き渡るほどの声、しかも女の声だ。
さらには俺の名前までも知っている。
ただ、応答しようにも声が出ず、前も見えず意識だけがあり、女の声を聞くだけしかできない。
「あー…やっぱり接続場所を間違えたねこりゃ」
・・・もどかしいな。
声は幼い、しかし落ち着いた声だ。
「あ、ここかも」
女がそう言った瞬間
俺の身体に一瞬だけ重力というか、感覚を認識した。
真っ暗闇だったが途端に白く眩しくなった
・・・うっ、なんだ・・・?今度はどこだ・・・?
眩しくて眼を開けることが困難だったが、眼を閉じてるという感覚があることに気づき、そして眩しさにも慣れ、ゆっくりと眼を開けた。
眼を開けたその先には俺がよく見る光景、そう、通学路が映し出されていた。
そして、視線を少し下げた先には1人の少女がこちらを見ている。
見た目は日本人とは思えないくらい金髪で、瞳は澄んだ緑色、背丈は恐らく130cmあるかないか・・・
ずっと無言で少女を見つめる俺に、1歩こちらに歩み寄り少女はこう言った。
「君が僕のパートナーか、夕暮…ヤミ?だっけ?ふふ、よろしくな」
クスリと笑みをこぼしこちらを見つめるが俺にはまったく理解が追いつけていなかった。
パートナー・・・?
なにを言ってるのんだこの少女は・・・?