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『O-276. 浦上-イオニアの反乱劇(アリスタゴラスの煩悶)』  作者: 誘凪追々(いざなぎおいおい)
▶第一幕(02/12)「発端」
5/27

・(第一幕の付録:登場人物、地図、年表)


【第一幕「発端」の付録】





<登場人物>



主役-アリスタゴラス  40才 ・・・ミレトス(柔①)市の独裁者代理。

姉巫女あねみこ  28才 ・・・ディデュマ(浦神)の神託の巫女。


妹巫女いもみこ  20才 ・・・ディデュマ(浦神)の神託の巫女。

卜部家ブランキダイの長  60才 ・・・ディデュマ(浦神)の神官長。


弟-カロピノス  32才 ・・・アリスタゴラスの弟。

一味a-ヘルモパントス  40才 ・・・アリスタゴラスの一味。

歴史家-ヘカタイオス  50才 ・・・著名な歴史家。


叔父貴-ヒスティアイオス  55才 ・・・ミレトス(柔①)市の独裁者(今は不在)。

長女(エジプト娘)  20才 ・・・ヒスティアイオス邸の使用人メイド

次女(スキュタイ娘)  17才 ・・・ヒスティアイオス邸の使用人メイド

三女(インド娘)  13才 ・・・ヒスティアイオス邸の使用人メイド


ペルシャ人の高官-メガバテス  35才 ・・・大王ダレイオスの従兄弟。

サルディス城の総督-アルタプレネス  40才 ・・・大王ダレイオスの異母弟。

ペルシャの大王-ダレイオス  50才 ・・・ペルシャ帝国の大王(三代目)。


参拝者a

参拝者b

神殿の木々に棲む鳥たち

子猫



―――――(以上)―――――


※ 名前のある登場人物は全て実在の人物(古代の書物や碑文に出て来る)ですが、あだ名や通り名のみの人物(「姉巫女」や「三女」など)は基本的に架空の人物です。


※ 登場人物の年齢に関してはほとんどが大ざっぱな推定になります。当時は生没年を記録する習慣がなかったので、なんらかの歴史的事件がらみで死亡したために没年が正確に判るという人物はたまにいますが、生まれた年を特定できる人物はほぼいないからです。






<地図>


a.

挿絵(By みてみん)


b.

挿絵(By みてみん)


※ 古代ギリシャ世界の有名どころの町や聖地の場所は概ね特定できているそうですが、不明なものについては推定の位置になります。


※ 国や地方の範囲(「ペルシャ帝国領」「イオニア地方」「ヘラス本土」など)についても大よそは判明していますが、細かい部分については不明であったり諸説分かれている場合もありますので、それらは推測になります。


※ この地図では「イオニア地方」の範囲を「小アジアの西海岸のほとんど」にしていますが、「イオニア」という言葉は多義的に使われていましたので、狭い意味では「小アジアの西海岸の中央部のみ」を指す地名になったりもします。劇中では前者を「イオニア(浦上)」、後者を「イオニア(柔)」と分けるようにしていますが、古代の人々と同じく混同したりあいまいなまま使わせていることもありますので悪しからず。

 なお、この地方を支配したペルシャ人は「イオニア(=ヨーナ)」という名称をギリシャ人全体の民族名としても使っていたようです。例えば、イオニア地方のギリシャ人のことは『海に住むヨーナ族』、ギリシャ本土の人々のことは『海のかなたに住む(ヨーナ)族』のようにして碑文に刻まれています(クセルクセス一世・邪神デーワ崇拝禁止碑文)。


※ ギリシャ人自身は自らのことを「ヘラス」と名乗っていましたが、後に彼らを征服したローマ人が彼らのことを「ギリシャ」と呼んでいたために、その流れを汲む現在の我々も「ヘラス」とは呼ばずに「ギリシャ」と呼慣らわすようになっています。そのため、劇中ではギリシャ人の自称としては「ヘラス(大和)」を、異民族からの他称としては「ギリシャ(倭)」と使い分けるようにしています。






<年表>



O-265(紀元前511/510)年:


◎:ディデュマ(浦神)の神殿で「神託の巫女」の失踪事件が相次いで起こる。→ 卜部家ブランキダイ一族の女である姉巫女と妹巫女が期限付きで「神託の巫女」になる。


◎:ミレトス(柔①)市の独裁者・ヒスティアイオスがペルシャの大王・ダレイオスに連れられてスーサの都へ去る。→ ヒスティアイオスの代理として従兄弟のアリスタゴラスがミレトス(柔①)市を臨時に支配する。



―――――(中略)―――――



O-274(紀元前502/501)年:


◎:アリスタゴラスの妻になっていたヒスティアイオスの娘が病気で亡くなる。



O-275(紀元前501/500)年:


冬:エーゲ海のナクソス(上対馬)島の上流階級がミレトス(柔①)市に亡命してくる。


夏:アリスタゴラスがスーサの都に赴き、大王・ダレイオスから軍事行動の許可を得る。



O-276(紀元前500/499)年:


冬:帰国したアリスタゴラスがディデュマ(浦神)の姉巫女に会いにいく。→<第一幕>


春:ナクソス(上対馬)島攻めのペルシャ海軍がイオニア(浦上)地方に集結。



―――――(以上)―――――


※ この年表に記した事柄の一部は現実にあった話(ヒスティアイオスがスーサに連れ去られた件や、従兄弟のアリスタゴラスが臨時に支配した件、ナクソス島から亡命したきた件など)ですが、その他は劇中での架空の出来事になりますので悪しからず。


※ 古代ギリシャ世界には統一された便利な暦(年号)はなく、各市・各地方がめいめい独自のものを使用していました。唯一それに近いものとしては、四年に一度開催されたオリンピア競技祭の初開催の年(紀元前七六〇年)から数えて表現する方法がありました。この劇の題名等で独自に使用している「O-276」というのも、「オリンピア初開催から二百七十六年目の年」という意味であり、古代ギリシャ人の歴史を通年で表現するには最も適当なものではないかと思います。

 ただし、当の古代ギリシャ人はこのような通年で表わす発想はなかったようで、例えば『オリンピア第七十回目が開催された年』(=O-276)とか『オリンピア第七十回目の第三年目』(=O-278)等というように表現していました。けれど、それではかえって解りにくく煩雑にもなりますので、ここでは通年表記にさせてもらっています。


※ 古代ギリシャ世界の暦の一年の始まりはたいてい夏であるため、現在我々が使っている暦(一年の区切りは冬)だと半年ずれて二つの年に跨がることになってしまいます。すなわち、ある年の後半(八月頃~十二月)+次の年の前半(一月~七月頃)が古代ギリシャの一年期になるわけで、例えば「O-276(紀元前500/499)年」であれば、紀元前五〇〇年と紀元前四九九年の二つに跨がることになり、現在の慣習ではこれを「B.C.500/499」と表記し、その前の年は「B.C.501/500」、その次の年は「B.C.499/498」などと表記することによって前後の年を混同しないよう工夫されていますが、年月の特定や時系列を推測する際には注意が必要になります。この劇でも一年の区切りは古代ギリシャの慣習に則って真夏に置いていますので悪しからず。

 ちなみに、現在でも欧米の学校では大概夏が学年の始まりになるらしいので、それと同じようなものだと考えれば理解しやすいのかもしれません。日本も一年の始まりは正月ですが、学校や会社の年度の始まりは四月だったりしますので、それに似たようなものだとご理解ください。




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