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本当の主人公  作者: 正さん
蛇足
87/87

○○と晶




「私はお前が好きなのかもしれない」


____の口から発された言葉に、口に含んだコーラが喉に引っかかり、噎せてしまった。

「ゴホッ!……は…?お前……何言ってんの…?」


左手で口を押さえ、右手で鞄を漁ってティッシュとハンカチを取り出す。


____は、そんな__を見て、ゲラゲラ笑い

「嘘に決まってるだろ!」と、目尻に溜まった涙を人差し指で拭いながら言った。


「おい…____、笑いすぎ。」

いつもより低い声で____の名前を呼ぶと、数回頷き、嬉しそうに

「ごめんごめん、でも…そんな反応するってことは…?」

と言った。

「んなわけあるか」

「だよねー!」


……なんか、こいつといたら…ずっと振り回されてるような気がする。


こいつの言動に困り果てていると、そいつはニヤニヤと笑い、自分の髪を撫でながら質問をしてきた。


「__、私茶髪似合う?」


話を変えるタイミングが唐突すぎる…

ん?あー…そういえば、こいつ…一昨日髪染めたんだっけ。


地毛は茶寄りの黒だったからそんなに変化はないけど……。

いざ言われてみれば、茶が濃くなってる気がする。


……こいつには…正直に、感想を言った方がいいかな。

「似合うけど」

「けど?」

「黒の方が____らしくて好きだった」

というと、嬉しそうに数回頷き、こう言った。


「そっか…なら」

「なら?」


「__が卒業したら、黒に戻して会いに行くよ。」



言い終わった後、にんまりと微笑み、自分のドリンクのストローを、嬉しそうに噛んだ。

……なんだ、それ。

「勝手な事言ってあいつら困らせんなよ?」

「せっかく手に入れた立場なんだから、利用させてもらうよ?」

「……はいはい」


……これじゃどっちが年上か分かんないな。


……こいつなら、


こいつなら、信じられるかもしれない。


なんて、



……あぁ、コーラって…こんな味だっけ。


…____。


__は、お前を愛せるようになりたいよ。

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