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本当の主人公  作者: 正さん
二章
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8話 逆さ十字のカルマ



彩さん達と会った12日後の日曜日。

智明の提案で、智明と、明人君と、彩さんと、朱里さんと、ボブの子と僕の6人でカラオケに行く事になった。


本当は一週間くらい前に行きたかったんだけど、みんなの予定がなかなか合わなくて無理だったんだよね…。


智明からの

『10時に駅前で待ち合わせな!』

というメッセージに

『了解!』と返信をして、上手く聞こえる歌い方を調べてから布団に入る。




その日は、僕が一片の報いのアリスになった夢を見た。

経理のお仕事や、みんなのお世話をしてた。

凄く忙しかったし、途中でハプニングもあったけど、すごく充実してた。


一番嬉しかったのは、僕の大好きなラフとお話できた事だ。

…本当に、すっごく楽しかった。




そして、起きた瞬間決めた。


今日から夢をまとめた日記を書こう、と。

夢日記が危険だというのは知ってる。

だけど…何となく。


いや、絶対に日記を書かなきゃいけない気がした。




まるで、誰かに脅されているかのように。







20XX年 4月22日 日曜日


一片の報いのアリスになる夢をみた。

屋敷の中はお花の香りがして凄く幸せだった。

夢の中でもラフは最高にかっこよかったなぁ。

今度、グッズショップに行ったらラフのアクキーとクリアファイルを買おう。






準備と着替えを済ませ、戸締りを確認してから駅前に向かう。


白いTシャツと黒いズボンってちょっと適当に選びすぎたかな…。

バイト代入ったらもっとちゃんとした服買おう…。

その時には智明に付いて来て貰わなきゃ。

僕一人じゃ不安だし。




駅前に着くと、明人君がベンチで、携帯ゲームをしながら待っていた。


「明人君―!おはよ!」

明人君の右隣に座り話しかけると、僕の顔を見て少し目を見開いてからイヤホンを外し

「おはようございます…!」

と、笑顔で返事してくれた。


…明人君の服装ちょっと参考にしてみようかな。


明人君の今日のお洋服は…。

グレーのVネックシャツに…黒のスキニーパンツ…?

それと逆さ十字のネックレスと…耳にはマグネットピアス……?

靴は…ちょっと底が高いゴツゴツしたブーツ…。

わぁ…かっこよすぎて参考にできない…。



「……あの…服装変ですか…?」

…あー…しまった、また明人君の事じっと見ちゃってた。

僕がじっと見ていたせいで不安に思ったのか、首元を触ったりとそわそわする明人君に

「変じゃないよ!かっこいいなって言おうとして…。」

と否定すると、明人君が頬をほんのり赤く染め、明人君も僕の服を見て、

「龍馬さんもお洋服かっこいいですよ…!」

と言ってくれた。


「ありがとう…!明人君に言われると自信つくよ!」

明人君の肩をぽんぽんと優しく叩きながらこう言うと、また頬を赤く染めてぐっと俯いてしまった。

…明人君は照れ屋さんでかわいいなぁ。



明人君にさっきまでプレイしていたゲームの事を尋ねようとした時、後ろからいきなり手がぬっと伸びてきて、明人君の両方の耳たぶをふにふにと触った。

…ん?どうして耳たぶ…?


「盟友よ、耳のこれはもしかして一片の報いの登場シーンでカルマがつけていたマグネットピアスを意識しているか?」


「…盟友…?」

後ろを見てみると、クラス表の所にいたボブの子だった。

僕に気付くと、視線を明人君から僕に移動させ、

「始業式ぶりですね、こんにちは。」

と、挨拶してくれた。


…この人も一片好きなんだ…。


「晶よく分かったね、流石盟友…!」

すると、明人君が声で晶さんだと気付いたのか、振り向いてから嬉しそうにニコニコと話し始めた。

…この子晶さんって言うんだ。


明人君の笑顔を見て、ふんわりと微笑み、耳たぶをさらにふにふにと触る晶さん。

…会った瞬間は気付かなかったけど…晶さんって結構声低いんだ…。

かっこいいなぁ…。


「盟友を舐めてもらっちゃ困…え、待って耳すっごい柔らかい…!龍馬君も触ってみて、すっごい柔らかい…。」


…この子自由だな…。

…えっと…さ、触ってもいいのかな…?

「ごめんね…あ、すっごい柔らかい。」

晶さんに言われた通り、明人君の耳たぶを触ってみると、晶さんの言った通り、明人君の耳たぶは僕が思っていた以上に柔らかかった。

例えるなら…マシュマロとムースの間くらい…?


でも耳たぶが薄いからピアスとか開けやすいかも…。

……明人君にピアス…絶対似合うじゃん…。

一個でもオシャレだけどインダストリアルとか軟骨とかバッチバチに開けるのも似合うんだろうなぁ…。

0Gくらい拡張するのもかっこいいな…いや、むしろ全部ってのも……。

いや?耳だけじゃなくてボディーピアスとかも似合うんじゃ…!?


…あれ?なんで……僕こんなにピアスの事知ってるんだ…?


「あの…もう…良いですか…?」

…ハッ…!!

しまった…ずっと考え込んでた…。

「あ!ご…ごめんね明人君!触り心地良くてびっくりしちゃってさ…。」

明人君から少し離れてから何回も謝ると、耳を赤く染め、微笑みながら

「…次からは20秒で…100円…取りますからね…?」

と、冗談を言った。

明人君…明人君ってなんでこんなに優しいんだろ…。


「1万払う、2000秒撫でさせてくれ。」

…わ、ガチ勢だ…。




財布から一万円札を取り出そうとする晶さんを二人で止めていると、丁度残りの3人が集まってきた。




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