5話 冒険者組合登録
「表示されたステータスは任意で隠すことが出来ます。隠したい項目を指でなぞってみてください」
取り敢えず名前以外はかくしておくか、名前以外のステータスを指でなぞる。
「あの、何も変わらないのですが」
「大丈夫ですよ。持ち主が見ても変化はありませんが他の人には見えませんので。マミヤ様ですね。一応、私が確認出来ているのはお名前と性別のみですので」
どうやら本当に解らないらしい。まぁ確かに、自分で自分のステータスが見れなかったら困るけどな‥‥‥
「次に説明に入らせて頂きます。組合員にはそれぞれランクがありランク毎にカードの色が変わります。現在はランク1なのでカードの色は黒です。ランクは1~10までありランクが1上がる毎に色も黒色→緑色→青色→赤色→桃色→黄色→白色も→赤褐色→銀色→金色となります。ランク1では採取、手伝い系の依頼のみが可能です。また依頼をこなす毎にポイントが溜まり規定のポイントに達するとランクアップ試験が受けられます。また依頼は一部の例外を除きランクにあったものしか受けられません。以上で説明を終わりますが、何か質問等はございますか」
うん、かなり細かい、こうゆう仕組みはおそらく外の人が作ったんだろう。これなら確かに無駄死にする人も出なくて良いだろう。
「特には大丈夫です。‥‥‥あ、一つだけ。倒した魔獣を売ることは出来ますか」
「はい。問題ないですよ。またたまたま遭遇した魔獣を倒したとしても依頼が出ていればポイントになります」
「そうですか、では早速売りたいのがいるのですが」
「かしこまりました。ではこちらへどうぞ」
俺は彼について建物の裏に行った。ちなみにランベルトは昼を買いに行くと出ていった。裏に行くと台の上に熊を出す。猿はまた後だ。
「これは一角熊!これを倒したというのですか!?」
「はい。お陰で死にかけましたが、なんとかなりましたよ」
「そうですか‥‥‥まだ若いのに。もしかして外の人ですか?」
「あ、はい。そうですよ」
「どうりで、それならば納得できます。では視させて貰いますね、【この物を見透し真なる価値を示せ。鑑定】」
おぉ!リアル魔法だ!いや、俺も使えるが俺以外も使える人がいるのを初めてみただけだ。今度この世界の魔法についても調べてみるか。
「凄く状態が良かったのでこれは此方は銀貨二十枚で買い取らせて頂きます。また此方は討伐依頼が出されておりますので依頼達成とみなされます。これにより達成報酬金貨一枚を合わせた物をお支払させて頂きます」
「あの、まだあるのですが‥‥‥」
「どうぞ。鑑定致しますので出してください」
ということなので猿を五匹程出す。
「‥‥‥直ぐに鑑定致しますので少々お待ち下さい【この物を見透し真なる価値を示せ。鑑定】‥‥‥これも状態がいい。此方は一体銅貨五十枚合わせて銀貨二枚と銅貨五十枚をお支払させて頂きます。また此方は依頼が出ていませんので素材の分のみとなります。ではお支払をするので此方へ来て下さい」
「すいませんまだあるのですが‥‥‥」
「はい?‥‥‥失礼しました。あと何体程でしょうか」
「あと二十五体です」
「二十五‥‥‥」
イケメンのあいた口が閉じない。イケメンが台無しだ。暫くしてやっと復活した彼は何人か呼んで来ると言って建物の中へ戻っていった。
「すいませんお待たせ致しました━━━━合計が銀貨十五枚となります。では中でお支払をするので着いてきて下さい」
なんだろう。この短時間でイケメンがスゴく窶れた気がする。
「ではこちらが依頼達成報酬の金貨一枚と素材の分の銀貨三十五枚です」
カウンターに置かれたお金をタカスギにしまう。
「次に依頼達成によりポイントが発生するのでカードを提出して下さい」
カードを渡すとイケメンは機械?にカードを通すと差し出してきた。渡されたカードには名前のしたにポイントが書いてあった。
「今回の一角熊はランク6の討伐依頼でしたのでポイントが20入ります。規定のポイントが溜まりましたので、ランクアップ試験を受けられるようになりました。今すぐ受けますか」
「いや今日は大丈夫です」
「そうですか、ではまたいつでもどうぞお声がけ下さい」
色々あったが無事登録を終えた俺はランベルトのところへ向かう。実は中に入ってきたときに丁度ランベルトも帰ってきていたのだ。
「お待たせ」
「おう、登録できたか?」
「ああ、問題なく終わったよ」
「そりゃよかった。ほれこれやるよ」
そう言ってランベルトは俺に包みを渡してくる。開けると中から湯気が立ち上ぼり美味しそうな匂いを漂わせる。見た目は焼き鳥みたいだがなんだろう。
「これは?」
「ん、知らねぇのか焼き鳥だぞ」
焼き鳥だった‥‥‥
「マジか!まさかこの世界で焼き鳥を食えるとはありがとう」
「いいさ、ほらそれ食いながら行くぞ!冒険者やるんだ、まずは武器なんかを用意しなくちゃな」
ランベルトに連れられて武器を買いに行く。
んっま!これ、んっま!めっちゃうめぇ!柔らかい、温かい、タレが旨い!ヤバイ!
こう言うとき自分の低い語彙力が悔やまれる。夢中になって食っていると俺達はそこに着いた。
「いらっしゃいませ。おやランベルトの旦那じゃないですか。どうしたんですか」
「こいつが冒険者を始めたから道具を揃えに来たんだよ」
「そうだったんですか。ザザン商店へようこそ。私はこの店の店主のザザンと言います。これからよろしくお願いします」
「あの、此方こそよろしくお願いします。俺は間宮竜次って言います」
「では竜次さんあなたが使ったことがある、使いたい武器はなんですかね」
「刀はありますか」
「おいてますよ。少しお待ちくださいね」
そうゆうとザザンさんは奥から三振りの刀を持ってきた。
「こちらが鉄製、こちらが鉄と銅の合金製で、こちらがミスリルになります。鉄製は安いですが壊れやすいですね。合金は少し値段が高くなりますがその分強度は上がります。ミスリルは軽くて硬いです。ですが此方はかなり高くなりますので最初は合金を、オススメします」
ん~、どうせずっと使うなら高くてもミスリルの方がいいような‥‥‥
「あのミスリルはいくらしますかね」
「此方は金貨八枚ですね。合金は銀貨五枚なのでこちらをオススメします」
「お金はあるので八枚なら‥‥‥折角ですがミスリルを頂きます」
「そうでしたか、それは失礼しました。では他には解毒薬に、解石化薬、解麻痺薬、このようなところでしょうか」
取り敢えず言われた物は必要そうなので五つづつ買っていく。
「そう言えばポーションは置いてないのですか?」
「あぁ外の人でしたか、あいにくポーションという名前の薬、また同様の効果をもたらす薬は無いのです」
「そうでしたか、すみませんてっきりそうゆう物もあると思っていたもので」
「いやいや、いいんですよ。魔法文明の頃はあったのかも知れないですけどね。実際それらしき物の文献も残っていますから。そうですね、パーティーを組む予定はありますか」
パーティーか、考えてなかったな、確かに一人だと危険だしチートなステータスでも油断してたらやられるかも知れないしな。でも騎士団に入るまでだし‥‥‥
「そうですね、騎士団に入ろうと思っていて、冒険者はそれまでの食いぶちを稼ぐためですから考えてないですね」
「そうだったんですか、できたら尚更回復系の魔法は覚えておいた方がいいかも知れませんね」
「そうですね、ではそういった本を何か頂けますか」
そういうと奥から一冊の古びた本を出してきた。
「これは外の人が書いた物なのですがいかんせんこの世界の人には理解できなくて、これでもよろしければ半額の銀貨五十枚でお譲りしますよ」
魔法書が半額と、しかも外の人の先輩ですか。読めるならこれでもいいか。
「少し読ませて貰ってもいいですか」
「構いませんよ」
読んで頂きありがとうございます。では次回もお楽しみに!