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if中二病が異世界転移したら━改訂版━  作者: 梅宮姫乃
第二章 古都遠征編
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いふ中二病改訂版

 「交代だぞ」

 

 ランベルトにそう言われ俺はまだ寝たいと言う欲求を押し殺し起き上がった。


 「じゃあ行ってくる」

 「ああ、気を付けろよ。特に火の前にいると強烈な眠気が襲ってくるから危険だぞ」

 「魔獣の事じゃねぇのかよ」

 

 テントから出ると心地よい夜風が肌を撫でる。俺は焚き火の前に行くと参造と合流した。


 「お待たせしました」

 「大丈夫でござるよ。ささ、こっちへ座るでござる」


 周りには他の班の人もいた。皆楽しそうに話しているがなんともいえない圧力を感じた。

 一応これから一緒に仕事をしていく仲間だし挨拶をしておく。

 

 「新しく第三団に入った間宮竜次です。よろしくお願いします」

 

 挨拶をすると俺はその場に座り付与を始める。信号剣を一本造ると回復まで辺りの警戒にあたる。そして交代の直前にもう一本造ると俺の仕事は終わり眠りに着いた。

 

 それから、俺達は順調に進み古都まであと少しというところまで来た。


 「さて、古都も近くなってきたしもう魔獣が出てもおかしくはねぇ、警戒強めろよ」

 「「「「はい!!」」」」

 

 そう返事をした瞬間で体中を魔力に包まれる感覚が襲った。


 「なんだ!?」

 「もしかして気が付いたか?」

 「凄いですね。ランベルトの不可視の領域(インビジブルゾーン)に気がつくとは」

 「何ですかそれ?」

 「ランベルトの魔装術は宮廷魔術師団一です。魔力探知も極限まで薄め循環させた魔力で広範囲の索敵が出来るのです。その距離は半径一キロにも及ぶのです」

 「だからいち早く敵に気がつけるって事よ!早速お出まし見てぇだ。どうやら金戒の目的は案外早く達成できるかもしれねぇな」

 「まさか、来たのか!?」


 もう現れたのか!?まだ到着には半日程かかる予定だったのに。まさか向こうは此方に気がついていたのか?


 「各班戦闘体制に着け!二時の方角数16雷虎だ!!」

 

 まさか、群れだと!?雷虎のアンデットはただでさえ珍しいのそれが群れているなんて。国が亡ぶレベルだぞ!!


 俺達も馬車から降りると武器を手に取り戦闘体制に入る。暫くして目視でも確認出来るようになると流石に少し驚いた。


 「まじか‥‥‥こりゃやべぇな」

 「はい、予想以上と言えるでしょう。死の闘獣(アンデッドビースト)がいると言うことはつまり‥‥‥」


 死の闘獣?


 「ああ、死者の王(アンデッドキング)が出たな。こりゃ先に見つけられて良かったぜ」


 死者の王(アンデットキング)城の図書館の本に書いてあったが以前出たときは隣の国が滅んだとか。天災級に指定される最悪の魔獣だ。

 元となるのは人間、しかも大魔法使いと呼ばれるレベルの者だ。死者の王はもちろん魔法を使うことが出来る。さらに特殊な魔法で触れた者をアンデットに変える事が出来ると書いてあった。強制的にアンデットにされた者も魔法を使う事が出来ると言う。


 「‥‥‥そうですね。応援を呼びましょうか」

 「いや間に合わねぇ。半分帰して体制を整えさせるしかねぇな」

 「では10から17と、25から32までを返帰しますか」

 「あぁ頼んだ。すまねぇな初遠征でこれは運が悪いとしか言いようがねぇぜ」

 

 アールさんが指示を伝えにヒナタさんの元へ向かう。


 「出ちまったもんは仕方ないさ。諦めて戦うとしようぜ」

 「だな━━━━━これより作戦を伝える。3から9班までを主軸とし、それを18から24班で援護する。我々団長班はボスを打つ。我々が討伐を終えるまで持ちこたえろ」

 「団長、それは私達をナメています。あの程度私達でも余裕です」

 「ほう、そりゃ頼もしい。よし!てめぇら仕事の時間だ。いけ!!」

 「はい!!」


 ランベルトの指示に従って各班が動き始める。一子乱れぬ見事な動きだ。


 「なぜ、お前が仕切ってる」 

 「んぁ、良いじゃねぇか。それよりもほら来るぞ」

 「わかっている【砂漠】【皇敵を捕らえよ。砂の枷(サウンドバインド)】【恵の力よ、大地を潤したまえ。突発性降雨スコール】【皇敵を捕らえよ。砂の枷(サウンドバインド)】」


 凄い、一瞬で全ての雷虎の動きを封じたうえに周りの足場を整えるとは‥‥‥


 しかし、それもボスにはあまり効果ななかったようで直ぐに抜け出されてしまった。


 「くそ、役立たずが」

 「まぁそうゆうなって、おかげで向こうはやり易くなったみたいだぜ」

 「そうだな。では私達も行くとするか」

 「竜次気合い入れてけよ!」

 「あぁ問題ない。やってやるさ」


 俺もタカスギから刀を取り出すと気合いを入れる。


 「行くぞ!」


 雷虎はとにかく動きが速い。普通の人では反応できない程の速さだ。そこで前から最上が俺とランベルトが左右から攻撃を仕掛ける。逃げ場を少なくした所に後ろに回ったピーチと最上が斬りかかる。それを上空に跳ぶことでよけた雷虎にヒナタ達の魔法が炸裂する。

 やった。とは思わない、案の定雷虎は衝撃を後ろに逸らす事でダメージを減らし更に俺達から距離を取った。そして次の瞬間辺り一面が光に覆われる。雷虎の電撃攻撃だ。


 「「ぐぁぁぁ」」


 後ろにいた二人に直撃したようで体から煙をあげていた。しかし、それも直ぐに避けることに成功した一人が回復魔法で治す。

 今までの一瞬の攻防で傷を負ったのは此方だけだ。雷虎は無傷だった。


 「ん~ちょとぉ~危険かもぉ~。まだぁ~本気だしてないみたいだしぃ~」

 「そうだな、私も本気で無かったとはいえ相当の威力があった筈だ。しかも私一人ではなかったと言うのに複数の攻撃でも無傷とは‥‥‥どうするランベルト」

 「そうだな~あんま悠長にしてらんねぇしな。さっさと片付けたいところだが━━━━」


 俺達向けて電撃が飛んでくる。それを間一髪で避けると更にバックステップで距離を取る。その間にランベルトは前進し雷虎に切りかかる。


 カンッ!


 「この通りだ。とてもじゃねぇがまともな剣じゃ通らねぇ、魔法なんてもっての他だろ」

 「そうだが‥‥‥ではどうする」

 「まともな剣じゃなければ通るんですよね、例えばこんな━━━」


 タカスギから一振りの刀を取り出す。これは以前カムサからもらったオリハルコンをベースにミスリルなどを混ぜて作った特性合金の超一級品だ。


 「オリハルコンか?」

 「まぁそんなところだ。これならまともな剣じゃないしいけるだろ」

 「確かにそうだな、それなら━━━よし、ヒナタは浄化魔法の準備をしろ」

 「だから、私に命令するなと言っている」

 「うるっせぇな、そんなこと言ってる間にやられちまうぞ」

 「わかっている。早くやらせろ」


 と、そのとき雷虎が俺めがけて電撃を放ってきた。俺がそれを避ける。するとわかっていたとでも言うように先回りをし、俺に突進してきた。


 な!?


 どうやら向こうは本気を出したみたいだ。さっきまでとら段違いのスピードだ。

 突進を刀の腹を使って受け流す。しかし、雷虎の通りすぎたときの圧で俺は後方へ吹き飛ばされてしまった。

 明らかに異常な速さだ。おそらくあれに追い付けるのは俺とランベルトくらいだろう。


 「おやぁ~本気みたいですよぉ~。これはぁ~かなり危険かもですぅ~」

 「いや、これはもう私達で追いつける速さではない」

 「わかってる。おめぇらは向こうの手伝いでもしてこい。ここは俺と竜次でやる」

 

 どうやらランベルトも考えはおなじのようだ。


 「行くぜ」

 「あぁ」


 俺達は魔装術で身体強化を施すと二手に別れて雷虎に向かう。俺は雷虎からの電撃を避けると前足の脛を切り裂いた。アンデッドだからもちろん血は出ないし、痛みもない筈だ。それでも足をやれば動きは鈍くなる。

 更にランベルトが気を引いている間に全ての足を斬る。後は首を落として浄化魔法をかけるだけだ。


 ギャルァァァァ!!


 「ハハハ流石にこれはないぜ」



 

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