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if中二病が異世界転移したら━改訂版━  作者: 梅宮姫乃
第二章 古都遠征編
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20話 宮廷魔術師団入団6

 宮廷魔術師団のローブを纏った俺は現在皇帝陛下に謁見するため門の前に来ていた。


 「すげぇ~」


 門にはところ狭しと意匠が施されておりどこか威厳を感じさせられる造りだった。否応なく皇帝陛下の権力を示される。だが


 「なんだ、余裕そうじゃねぇか」

 「今さら気にしてもしょうがねぇだろ」

 「ちがいねぇや。変に気張るよりそっちの方が」

 「あなた達、静かにしなさい。謁見なのですよ」

 「はい、はい、了解しましたよ」


 側に控えていた騎士が俺達の準備ができたのを確認すると声を張り上げて到着を知らせる。すると扉が開く両サイドには腰から剣を下げた宮廷魔術師団の人達がズラッと、控えていた。おそらく彼らが第一団の人だろう。ここまで揃うと圧巻である。

 一段高くなっている玉座の前まで行くとランベルトとヒナタが膝を付いて頭を下げる。俺もそれに習い膝を付いて頭を垂れさせた。


 「宮廷魔術師団第二団団長ヒナタ・ニヒル」

 「同じく、宮廷魔術師団第三団団長ランベルト・フェラードマン。参上つかまつりました」

 「よい、面を上げよ」

 「私共のため貴重なお時間を割かせてしまいまことに申し訳ございません」


 ランベルトが、あのどこでも態度を変えそうにないランベルトが敬語を使った!!ってか、皇帝若!


 髭モジャモジャの人を想像していたが、実際は二十代後半位の男だった。二十代位に見えるがその人からはなんと言うか妙な威厳?覇気?を感じた。


 「うむ、して用件はなんだ」

 「は、新しくこの者、間宮竜次を宮廷魔術師団に加えたく。お許しくださいませ」

 「お初にお目にかかりますレヴィナス皇帝陛下、私は間宮竜次と申します。この度宮廷魔術師団に加えて頂きたくここに参りました。どうかお許しをお願いいたします」

 「よかろう。許可する、間宮竜次、そなたはこれより宮廷魔術師団となり我に忠誠を誓うか」

 「誓います」

 

 予定どおり全てを終えると俺たちは一礼をし謁見の間を後にした。


 「うぁ~いちいち面倒だな」

 「私もそれには同感する。この後があるのにわざわざ面倒だ」

 「このあと?」

 「ああ、この後━━━丁度お呼びみたいだぜ」


 ランベルトがみた方へ目を向けてみる。すると此方へ向かって歩いてくる初老の人を見つけた。


 「初めまして間宮士爵様、私レヴィナス様専属の執事をさせて頂いておりますロイナール・セバスチャンと申します。旦那様が応接室でお待ちですのでどうぞお越し下さい」


 どうやら二人がさっき言っていた事について呼ばれたらしい。

 

 ってか、セバスチャンって‥‥‥異世界でも執事の名前はこれみたいだ。


 「ニヒル伯爵様とフェラードマン伯爵様もご一緒にお越しくださいませ」


 俺達はセバスチャンさんについて応接室に向かった。


 「旦那様、間宮士爵様、ニヒル伯爵様、フェラードマン伯爵様をお連れいたしました」

 「そうか、入れ」


 セバスチャンさんは扉の前で扉に一礼するとゆっくりと開けてくれた。俺はヒナタさんとランベルトに続いて中に入る。


 「待っていたぞヒナタ、ランベルト。それに間宮君と言ったかな。ささ早く座れ」


 はぃ?


 いや、さっきとふいんきが違いすぎて戸惑ってしまった。これはあれか、試練だろうか、もしここで座ったら打ち首とか?いやいやいや、勘弁してほしい。いや素で言っているという場合もある。これはどうしたら‥‥‥


 「竜次そんなに考える必要はねぇぞ。もっと楽にしろ」


 ランベルトが問題ないと言うなら大丈夫だろう。促されるままに座った。隣にはランベルト、向かいには皇帝陛下、性両サイドにはヒナタさんと高須さんが座っていた。


 「そうゆうことなら、失礼します」

 「うむ、いや~疲れただろ。楽にしてくれ」

 

 なんとなくだがこれが皇帝陛下の素のような気がする。少なくとも罠では無さそうなのでお言葉に甘えて少し姿勢を崩した。


 「うんうん、じゃあ改めて自己紹介するよ。私の名前はラグナ・マクロイド・レヴィナス。私達だけのときはラグナと呼んでくれ、言葉使いもランベルトと一緒の時と同じようにすること、これは命令だ」

 

 なんだろう。凄く隙だらけにみえて隙がない。いろんな意味で‥‥‥


 「そうゆうことなら、俺は間宮竜次だ。宜しく」

 「ああ宜しく竜次君。色々聞いてるよ試験でランベルトと互角にやりあったそうじゃないか。それにステータスがとんでもないとか」

 「ランベルトのは最初から本気を出されていたらコテンパだったし、ステータスは‥‥‥わからないけどまあ、そうみたいだな」

 「今ここで明かしても問題ないかな」

 「ああ、仲間なら知っていた方がいいだろうしな。そう遠くない内に話そうと思っていたから問題ない」

 「なら、ステータスをみせてくれるかい」


 俺はステータスが全て表示されるようにしてからラグナにカードを渡した。


 「いやはや、確かにこれはとんでもないな。特に魔力ではこの国に勝てる者はいないだろう」

 「ほんと、私だってかなり多い方なのだがな」

 「こりゃ、むしろ俺が死ななかったのが奇跡だぜ」

 

 それぞれ思い思いの感想を述べてくる。


 「そうそう、間宮君デモクリトスの魔力消費についてもう調べたかな」


 仲間とはいえスキルまでばか正直に話す必要はないだろう。それになんとなくだが今知っているのがこのスキルの全てではない気がする。


 「ああ、やはりかなり魔力を消費した。実践・・での使用はあまり向かないな」 

 「そうか‥‥‥ありがとう」

 「‥‥‥実践ではと言うことは実践でなければいい使い道があったのだろ」

 

 さすが皇帝だ。なかなかに鋭い。


 「そうだな、じゃあこれをみてくれ」


 俺は鍛治職人の元で作った一振りの刀を出した。


 「これは?」

 「私が作った刀です。ザザンさんに鑑定してもらったところ一級品とのことだ」

 「ほう、あのザザンのお墨付きか‥‥‥確かに一級品だ。これだけのものを作れるとは。それが実践でない使い方か」

 「凄いではないか、これなら遠征などでも修理できる」

 「ああそれに間宮君のアーティファクトが合わされば武器食料の消耗を心配しなくて済む。これは凄い」

 

 確かに食料を心配しなくて済むのはかなり楽になるな。これは想像以上に使えそうだ。もしかしなくても俺は軍事行動などではチートだろう。


 「さて、竜次君の凄さがわかったところで入団祝いだ。家を与える事は確定しているからあとはもう一つ、何か欲しいものはあるか」

 「欲しいものですか」

 「ああなんでもいいぞ」

 

 なんでもいいのか。欲しい物‥‥‥欲しい物‥‥‥ないな。取り敢えず家だけ今の所の近くに貰えればそれでいいや。


 「欲しい物は特にないな。ただ家についてなんだが西区に貰えないだろうか。今の知り合いとあまり離れたくないんだ」

 「そんな事か、それなら直ぐにそちらに手配しよう」


 そう言って執事を呼ぶとすぐに家の事について命令していた。行動が早い、さすが金がある人は違う。


 「しかし困ったな、どこかの誰かさんみたいに最高の武器をくれとか言ってくれた方が楽なんだが」

 「ラグナさん、だったら金属類をあげたらどうしょうか。それで自分の武器を作らせればいいのでは。ついでにラグナさんの装備も全て新品に変えればいい」

 「確かに、その手があったな。さすがカルルだ」

 

 そう言って再び執事を呼ぶと今度は皆で貰いに行くことになった。


 「驚くなよとびっきり凄いものをやるからな」

 

 執事が人一人入れる程度の大きさの分厚いいかにも頑丈そうな扉をあける。そこにあったのは━━━━ 


 


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