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if中二病が異世界転移したら━改訂版━  作者: 梅宮姫乃
第二章 古都遠征編
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19話 宮廷魔術師団入団5

 取り敢えず伐るのには成功した。今ので使った魔力はなんとゼロだ。全く消費していない。それであの威力本当にチートだ。

 今のでこのスキルの使い方はわかった。化学反応なんかは危険だから出来ないが、今のように木などの物資を伐ったりするだけならば屋内でもできそうだ。そして今、俺は一つ閃いてしまったがそれはまたいつかの機会に。

 取り敢えず切った木をタカスギにしまうと街へ戻った。

 街へ戻ると直ぐに昨日の服を受け取りに行く。あのお店でヒナタさんと待ち合わせているのだ。


 「お待たせしてしまいましたか」

 「いや、大丈夫だ。もう出来ているらしいから早く受け取ってくるといい」


 そう言って俺を店の中へと進める。


 「お待ちしておりました。既に出来上がっております」


 そう言って棚から一着のローブをおろしてきた。それは黒い布地に赤と黄色の糸で刺繍が施されたものだった。妙に中二チックだと思ったらなんでもこのデザインを考案したのは高須さんだそうで、そう言えば白銀の魔王に出てくる幹部の一人が来ていたローブに似ている気がする。いや間違いなくそうだろう。


 「では金はいつものところから降ろしてくれ」

 「畏まりました」

 

 俺たちはおじいさんに見送られて店を後にする。今日はこれでおしまいの筈だが。


 「私はこの後用事があるので失礼する」

 「はい、付き合って頂きありがとうございました」

 

 俺の返事に一つうなずくとお城の方へ向かって歩いていってしまった。

 

 「さて、用事も済んだことだし久しぶりに依頼でも受けに行くかな。あ、いや先にあれを買いに行くか」


 「いらっしゃいませ」

 「ザザンさんはいませんか」

 「申し訳ございません。店長は今買い出しに行っており留守にしております」

 「そうですか、ではどこに行ったかわかりますか」

 

 と、云うことで俺は店員さんに教えられた場所へやって来た。


 「ごめんください」

 「あいよなんだ?」

 「此方にザザンさんは来ていらっしゃいますか」

 「来てるがなんだ?」


 どうやらこの工房で合っていたようだ。しかしよりによって工房か‥‥‥


 「どうしましたかね、あっ竜次さん。どうして此方へ?」

 「そのザザンさんにお願いしたいことがありまして、ここなら丁度よさそうです」

 「ほう、それはそれは武器をお買い求めですかね?」

 「いえ、インゴットをと」

 

 そう、俺はあるものを作るために鉄、出来ればミスリル以上の金属が大量に欲しいのだ。

 

 「何のインゴットですかな?ひとえにインゴットと申されましても幾つかあるわけでして」

 「鉄、出来ればミスリル以上の物を探していまして」

 「それはそれは、ですが鉄ならまだしもミスリル以上となるとかなりのお値段になりますが。それにあるとも限りませんし」

 「そうですよね」

 

 実際あの刀だってかなり値引きをしてもらっていて金貨七枚もしたんだ。いくらインゴットとはいえそれ相応の値段はするだろう。


 「ちなみにいくら位の用意できますか」

 「そうですね、今すぐにとなると‥‥‥金貨百枚位が限度そうですね」

 「それなばご用意できるかも知れません」

 「本当ですか」


 ザザンさん笑みを浮かべると彼女のもとへ戻っていった。おそらくあの人から買おうというのだろう。

 ほら、更に笑みを浮かべて戻ってきた。


 「一キロ程なら大丈夫との事ですがどういたしますか」

 「お願いします」

 「畏まりました」


 そう言うとまた笑みを浮かべながら戻っていく。なんだろう。俺と彼女の間を行く度に笑みが濃くなっている気がする。いや実際に濃くなっている。なにか美味しい話でもあったのだろうか。

 暫くするとミスリルを持ってザザンさんがやって来た。

 俺はそれを受けとると金貨百枚を渡す。


 「では私はこれで、ありがとうございました」

 「ちょっとまちな。それを買ってどうするんだ」

 「武器を造るのですが」

 「なら一つ打ってから行きな」

 「打つとは武器をですか?」

 「ああ、あんた刀を買ってくれた奴みてぇだし良いもん打てたらミスリルをまけてやるよ」


 マジですか、なにこれ旨すぎないか?うまい話には罠が付き物だ。絶対なにかあるに違いない。


 《マスターは刀を打つ事が出来るのですか》

 〝そりゃ‥‥‥って、そうか〟


 「すみません。俺、打つとかやったことないのですが」

 「はぁ!?じゃどうやって作んだよ」

 「こんな感じですかね」


 そう言って受け取ったインゴットを五分の一程度の大きさに切るとその一つを手で粘土の要領でこねながら伸ばして形を作っていく。これは原子の繋がりを緩くしてずらしていくといった感じだ。そしてある程度形ができたら今度は刃となる部分を鋭くしていく。最後に穴を埋めるように原子を繋げて行けば‥‥‥完成だ。


 「はぁぁぁ!?」

 「【鑑定】【解析アナライズ】」


 かなり驚いたようだ。ドッキリ大成功的な?いやこの反応。異世界人ぽくていい!


 「間違いなくミスリルです。しかも一級品ですな」

 「んなバカな‥‥‥嘘だ。いったいぜんたい今のはどうゆう手品だ」


 うんうん、こうゆう反応を待っていたんだ。本当にいい!


 「手品ではありませんよこれは固有スキルです。ですからおそらく私以外に同じような事ができる人はいません」

 「そうですか、いやはや恐ろしい。これだけの物が作れたら鍛治職人として大成できますよ」

 「全くだ。危うく仕事を失う所だった。さて、じゃあ約束のミスリルを渡さないとな」

 「本当にいいんですか」

 「構わないよ。面白いもんが見れたからね」

 「そうですか、ならありがたく頂いていきます」


 思わぬところでおまけしてもらえたがこれで目的の物を手に入れられた。


 あとは、そうだな‥‥‥強いて言えばゴムがあればいいかな。

 

 と、言うことでもう一度ザザンさんに会うためにさっきの場所まで戻った。


 「すみません」

 「なんだいまたきたのか」

 「はい、今度はザザンさんに用があって」

 「なんでしょうか」

 「あの、ザザンさんのお店はゴムなんてもの扱ってませんか」

 「ありますよ。それなら冒険者組合の近くのお店で置いてますよ」

 「そうですか、何度もすみません。ありがとうございました」

 「いえいえまたご入用の際は我が店を宜しくお願いいたします」

 

 俺は店を出るとザザンさんのお店へ向かう。今度こそこれで大丈夫な筈だ。俺は日がくれる前に急いで店まで向かった。

 店でゴムを買うと宿に戻った。ゴムは戦縋の持ち手なんかに巻くらしく色々な大きさと種類があった。


 「さて、始めますか!」


 〝タカスギ、図解ハンドガンの構造を出してくれ〟

 《了解しました。これより右目に映し出します》


 おう、普通に取り出してくれればよかったのだが。こいつもなかなかに凄いよな。

 さて、今俺が作ろうとしているのはもう解っていると思うがハンドガン、銃だ。


 まずは部品の制作からである。必要な部品は


 ・マズル

 ・フロントサイト

 ・バレル

 ・スライド

 ・リアサイト

 ・セーフティレバー

 ・ハンマー

 etc.


 これらを一つづつ作り出していく。


 〝なぁ、もしかしてさ制作の補助とかできる〟

 

 ミリ単位の作業は人間には苦手なのだ!


 《解、可能ですが。補助しますか》

 〝頼む〟


 おお、格段に楽になった。


 取り敢えずどんどん作っていく。最初の方はよかった。サポートしてくれたおかげで楽だった。けどね、途中からタカスギの作業量が多くなってきて、最後の方とか文句をいいながらタカスギが全部作ってしまってなんか俺要らなくねとか思ったりしてた。

 まあ何はともあれ取り敢えず部品は全て完成したのであとは組み立てるだけだ。説明書に沿って一から組み立てていく。そして作業開始から一時間なんとか銃が完成した。あとは今度弾を作って実際に試してみるだけだ。

 いや、今から楽しみである




読んで頂きありがとうございます。どうだったでしょうか、もう少しでこの章は終わる予定なのでもうしばらくお付き合いください。

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