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冒険者ギルド

「そろそろ王都が見えてきましたね。」


前方を走っていた部下の一人が報告をして来た。


翔太が前方を見ると堅牢そうな門と外壁がかなりの広さで広がっており、王都の全貌を見渡せないほどであった。


「おー広いなー」


「翔太殿はこの国の王都に来るのは初めてなのですか?」


不思議そうな顔をした王女に返答をするため、頭をフル回転させる。


「えー、そうなんですよ。ずっと遠くのほうで旅をしていたんですよ。」


「まだ私のいったことのない場所ならば話を聞かせてほしいな!」


好奇心なのか少し目をキラキラさせる王女に少し焦る。


けど、王家の人間とかもこんな表情をするのだな。


「それはまたの機会に、それよりも馬を貸してくれてありがとうございました。」


まーこういうときは別の話題にシフトしたほうがいいだろう。


「礼には及ばんよ。それは予備の馬だ。私達が全滅しなかったのも翔太殿のおかげだ。料理もおごってもらったしな。」


「料理の味付けは大丈夫でしたか?」


「ああ、絶品だった。宮廷の料理人でもあそこまでの料理がつくれるかどうか。日頃の非常食に戻れなくなってしまうかもしれん。」


凛々しい顔を微かに緩めて笑顔を向けてくる。


お世辞にしてはかなり過大評価だったが気を使ってくれたのか。とりあえず礼を返す。


彼女は想像していたような中世の王族とは違い、高慢なところが何処にもない。


まー普通の王女は大型猪(ジャイアントボア)を狩ったりしないだろうが


門は下から見るとよりいっそう壮大で威厳を感じさせた。


門番は当然のようにいたがエルザが顔をみせただけで荷物検査もせずに通してくれる。


「翔太殿はどちらにいかれるのか?」


そういえば何も考えがないのを思い出す。

と言うよりかこの時アズリエルの言葉はすっかり忘れている。


「んんー」


強いて言うなら食材を見てみたいか、前の世界では見れなかったものもみれるだろうし。


「何も考えがないようでしたら冒険者組合にいきませんか?」


「どうしてですか?」


「翔太殿は旅をしていたのならわかると思いますが国と国の間や街に入るときにかかるときがある税などは冒険者になるとただになるのですよ。

翔太殿は冒険者ではなかったですよね?」


とても知りませんとは言えない。


冒険者かー。まーいろいろ得なことがあるのならなっとくのも悪くない。


但し本業は料理人だ。食材を探しに冒険にでるのもいいかもしれない。


「翔太殿?」


「あ、はい。そうですね。いこうと思います。」


少し考え込んでいたようだ。少し気を付けないと。


「お前たちはもう城のほうにもどっていいぞ。報告は任せた。」


「しかし、エルザ様!」


「私はもう子供ではない。自分の世話は自分でできる。」


部下たちはあきらめたように


「了解しました。」


と斉唱したが遠ざかっていくなかで翔太の鋭敏な聴覚は


「後ろに護衛隊をつけさせろ。きづかれないにしろ。」


「わかりました。」


という副官の声が聞こえていたまれない気持ちになる。


「あのーエルザさん。良かったんですか?」


と思わず聞いてしまう。


「私のことはエルザで結構ですよ。」


とさっきよりも言葉使いを崩しながら前置きした。


「あれはいいんだ。これだけいってもまだ護衛をつけていそうな気もする。」


鋭いな。と少し感心してしまう。


「冒険者組合はあそこだ。」


と指差した先にはかなり大きめな建造物があり、その通りだけにやけにローブや全身鎧(フルプレート)が多かった。


「ああ、これはこの通りは冒険者組合が近いので魔法道具(マジックアイテム)やポーションなんかの店が多いからだぞ。後酒場もな。」


と視線の意味に気づいたようにエルザが解説した。


「相当建物が立ち並んでいますねー。」


「私もここに後でよるつもりだったから良かったよ。防具を修繕しなければな。」


丈夫そうな樫の扉を開くと見かけ通りなかは広く

たくさんのカウンターやボードが並んでいた。


エルザはその一つに迷うことなくいくとそこの受付嬢に


「すまない。組合(ギルド)に入る手続きをしたいんだが。」


と聞いた。


「お、王女陛下!?何故冒険者に?」


「あ、すまない。私ではなくこちらの人だ。」


急にゆびさされて目を丸くしてしまう。


「え、あ、はい。畏まりました。試験の準備をしますので別室のほうへお進みください。」


そこで看過できない単語が聞こえてきて思わず聞き返してしまう。


「試験!?」


「ああ、いっていなかったかな。この結果により最初のランクが変わるんだ。」


王女様はとんでもない爆弾発言をしてくれた。

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