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Bランクを目指して

 魔石の条件が判明してから次の日。

 今日は王都の冒険者協会に行き、必要な情報を集めることにした。


「それじゃあ行くとするか」


「王都に行くのは、久しぶりなのでありますよ」


「なんだかブルンネに戻ってきた時よりも、懐かしく感じるわね」


「シスハは本当に留守番でいいのか?」


「はい。ルーナさんがもし起きて来た時に、お1人だとかわいそうじゃないですか。ですので、私は家事でもして待っていますね」


 今日は俺とノールとエステルで王都へ行くことになった。

 行こうと準備をしていた時に、シスハが自宅に残っていいかと言い出したからだ。

 ルーナは勿論ご就寝中だから自宅警備担当なのだが……確かに起きて誰もいなかったら寂しいかもしれない。

 そう思い、俺はシスハの提案を受け入れた。

 

 ルーナはどう思っているかわからないけど、やっぱりもう1人ぐらいは家に一緒にいるべきだろうな。

 ビーコンがあるから必要になったらすぐ呼ぶことができるんだし、わざわざ全員で移動することもない。

 それに家事もしておいてくれると言ってるんだから、ありがたくやっておいてもらおう。


「すまないな。それじゃあルーナのことと、家のことは頼んだぞ」


「はい、お任せください」


「私達がいないからって、ルーナに変なことしちゃ駄目よ?」


「し、しませんよそんなこと! 私をどんな目で見ているんですか!」


「普段の行動からして、全く信用できないのでありますよ……」


 エステルとノールがシスハに一応注意をすると、彼女は両手を握り拳にして失礼な、という感じで怒っている。

 普段を見ていたら、むしろこの反応の方が普通だな。俺も少し2人っきりにして平気かというと不安だ。

 でも、ルーナなら難なくシスハを撃退するし、問題はないと思う。



 ビーコンで移動し、あっという間に王都へと到着した。ビーコンは本当に優秀なアイテムだ。

 魔石自動取得化の暁には、ガチャりまくって広範囲にぱぱっと配置しておきたい。

 今はシュティングの街の外に隠しているけど、いつかは王都にも家を購入して直接中にいけるようにしたいな。


「どうも、お久しぶりです」


「あっ、大倉さん。お久しぶりですね」


 さっそく冒険者協会へ行き、ウィッジちゃんに声をかけた。

 いやー、凄い久々な気がする。会うのは家を買いにブルンネに戻る時以来かな?

 随分と長い間王都に来てなかったぞ。


「お姉さん元気そうね」


「またお世話になるのでありますよ」


「エステルさんとノールさんもお久しぶりです。……あれ? シスハさんはいらっしゃらないのですか?」


「あー、今日は別の用事でいないんですよ」


「そうなんですか。シスハさんともご挨拶したかったのですが……。でも、大倉さん達が元気そうでよかったです」


 ノールとエステルも挨拶をすると、ウィッジちゃんが嬉しそうに返事をした。

 彼女との会話は主に俺がしていたから、ノール達と会話をしているのがなんだか珍しい気がするな。


「ブルンネで無事に家は買えましたか?」


「はい。それで色々とありまして……なかなか王都に来られなかったんです」


「まあ、家を買うとなると一大イベントみたいなものですからね。うぅー、持ち家が羨ましいです……」


 すんなりと買えてその後色々あったせいで印象が薄いけど、確かに家を買うって一大イベントだよな。

 それなのにさっき王都にもう1個家が欲しいとか思った辺り、俺の感覚もだいぶ麻痺してきたような気がする。


「それで、今回はどのようなご用件でしょうか?」


「えーと、聞きたいことが何件かあるんですけど……大丈夫でしょうか?」


「勿論大丈夫ですよ。私がわかることでしたら、なんなりとお答えいたします」


 今回冒険者協会で聞くことは、亜人、魔導具、グループを作れるのか、の3つだ。

 亜人に関しては情報次第でルーナを冒険者協会に登録させようか判断したいのだが……本人があれだと無理な気がしてきたぞ。


「じゃあ、このせか……いや、この国に亜人などはいるんですか?」


「はい? 亜人……ですか?」


「あっ、えーと……獣の耳生やした人とか、血を吸う人みたいな……獣人とか吸血鬼とか。耳が長細い人とか……そんな感じです、はい」


 あ、あっぶね……ノールとかと話す感じでこの世界って言いかけた。

 亜人という言葉に、ウィッジちゃんが首を傾げていたので、俺は詳しく言い直す。

 この世界じゃそう言われていないのか、それとも存在すらしていないのか?

 とりあえず獣人や吸血鬼、それにエルフでもいいから亜人がいるのかが知りたい。


「……そうですね。そういう人達がいるという話は今は聞かないですね。ただ、昔いた魔人と呼ばれた人達は、そのような特徴があったという話を聞いたような……」


 少し考え込んだ後、ウィッジちゃんが口を開いた。

 むぅ……まさかいない方だったか。なにかとGCとの共通する部分が多いから、いるものかと考えていたのだが……。

 でも昔はいたみたいな感じだな。GCでも魔人という敵として知能を持つ魔物がいるという設定はあったけど、まさかそれか?

 いやー、GCの魔人キャラが出てくるのは勘弁してくれ……。


「魔人って今はもういないんですか?」


「はい。強靭な肉体を持ち、魔法も操れるとても優れた戦闘能力を持っていたそうです。しかし元々人数も少なく、好戦的だったせいで、200年前にあった争いでいなくなってしまったと言われていますね」


「そうなんですか……」


 GCの魔人はレイドボスとして出てきて、かなり強い奴ばかりだったからな。もういないっていうのはちょっと安心したぞ。

 それにしても200年前ねぇ……随分と昔の話だな。

 とりあえず、ルーナのことに関しては伏せておいた方がいいというのはわかったか。


「それじゃあ次に、魔導具について教えてください」


「あれ? エステルさんがいるのに、魔導具を知らないんですか?」


 魔導具のことを聞こうとしたが、ウィッジちゃんは不思議そうな顔で俺に聞き返してきた。

 くそ……このままスルーされたらよかったけど、そんな都合よくはいかないか。

 さてどうしたものか……あらかじめ言い訳は考えていたけど、通用するかな?


「あっー、そのですね……」


「王都でどんな風に言われてるのか、私知らないの。だから、お姉さんに教えてもらえたらって思ったのだけど……駄目だった?」


「い、いえ、そんなことないですよ!」


 俺が言い訳しようとした時、エステルが先にウィッジちゃんに声をかけた。

 背の低いエステルから、見上げるながらお願いされたウィッジちゃんは両手を振って慌てている。

 ……うん。俺の下手な言い訳なんかよりは、遥かに効果ありそうだな。


「えっと……魔導具は、名前の通り魔導師が作る道具のことですね。魔物の素材から作られた物や、魔光石で作られる物です。大倉さんのその首飾りも魔光石……って、虹色!? そ、そんな色の魔光石初めて見ましたよ……」


「ふふふ、お兄さんの為に私が作ったの」


「さ、流石大倉さんのパーティの方ですね……」


 ウィッジちゃんが俺の首飾りを見て、信じられないものを見るように驚いていた。それを見て嬉しそうにエステルは笑顔になっている。

 やっぱり普通じゃなかったのかこれ……流石はエステルだな。


「王都でもあまり見かけませんけど、どこかで売っていたりはするんですか?」


「魔導具は安いものでも最低50万Gはしますからね。富豪の方々がよくいらっしゃる地域にしかお店がないんですよ」


「やっぱりお高いんですね……」


「それだけ便利な物ですからね。冒険者協会でも、特注の魔導具をいくつか使っているぐらいなんですよ。身体能力が上がったり、込められた魔法を使えたりするものもあるんですけど、そういうものは人気も高くなかなか出回りませんね」


 参考までに値段を聞いてみると、最低でも50万Gだという。

 うへー……稼いでるとはいえ、その金額を聞くとおったまげるな。最低でそれって、最高はおいくら万Gになるんだ。

 そりゃグリンさんが受け取ってくれない訳だよ。ガチャ産の装備売ったら一気に儲かりそうだな……やらないけど。


「最後になりますけど、冒険者同士でパーティじゃなくて、少し人数多めのグループを作るのは大丈夫でしょうか?」


「グループですか。冒険者協会としては、特に禁止などはしておりません。ですが、注意していただくことがあります」


 おお、よかった。グループを形成するのは禁止されていないみたいだな。

 だけど、何か注意しないといけないことがあるのか……。


「グループ内で何か揉め事が起きましたら、基本的には自分達だけで解決してもらうことになります。どうしても……という時には可能な限りお力添えはいたしますけどね」


 ふむ……なるほど。まあ自分達で勝手に集まりを作って、そこで起きた問題なんだから協会としては対処に困るということか?

 それでも本当に困った時は力を貸してくれるっていうんだから、良心的だと思う。


「わかりました。色々と教えてくださりありがとうございます」


「いえいえ、お役に立てたようでしたらよかったです。本日のご用事は以上でしょうか?」


 聞きたいことはこれで終わりだ。だが、今日はその為だけに来た訳ではない。

 情報を聞くこととは別に、もう1つ用事があるのだ。


「いえ、実はもう1つありまして……そろそろBランク昇格の依頼を受けてみたいなー……なんて思っているんですけど、受けられますか?」


 今日来たのは情報を聞く以外にも、Bランク昇格の為の依頼を受けるつもりできていた。

 Cランクの時みたいにこのまま受けれるだろう、なんて思っていたんだけど……それを聞いたウィッジちゃんは眉を寄せて渋い顔をしている。

 あれ……もしかして駄目なのか?


「……そのことなんですけど、実はお話ししなければいけないことがあるんです」


 ウィッジちゃんはそのまま深刻そうな表情で話を続ける。

 それを見ていると、さっきまで緩く考えていた俺の気までちょっと引き締まってきた。


「Bランクに上がるには、協会長、または支部長から推薦をしてもらい、達成した依頼に応じて判断するんですよ」


 ……推薦に達成した依頼? あっ、これはまずい。

 今まで自由気ままに狩りをして、討伐証明を渡して金を貰うだけしかしていない。

 Bランクからは協会からの信用も必要になってくるってことなのか……でも、俺達大討伐もやったし、ギリギリなんとかならないかな?


「大倉さん達は大討伐も解決し、既にBランクに上がる実力があると協会側としては判断しております。協会長も推薦してもいいと言われるぐらいです。ですが、依頼の達成がほとんど討伐依頼にのみ集中しているので、これはどうなんだという声もありまして……」


 実力的には問題ないけど、やっぱり色々な依頼をしていないのが原因か。

 ディウスなんかは結構護衛依頼とか受けてる感じだったもんな……俺達も色々やらないと駄目なのか?

 うわぁ……魔石集めの野望が遠のいていくぞ……。


「もっと他の依頼を達成して実績を積まないといけない感じですか?」


「いえ、そうなりそうだったんですけど、話し合いで最終的にある依頼を1つ受けてもらおうということになりました」


「ある依頼……ですか」


 おお、先が長いと思ったけど、どうやらそうでもないらしい。

 まさか1つ依頼を受けるだけでいいなんて、ラッキーだな。話し合いで決めてくれた人に感謝したいぞ。

 でも、地道に実績を積まないといけないのを、全て飛び越して解決できる依頼って……なんだか危ない予感が。


「はい。その依頼は……アンゴリ遺跡の調査です」

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