ミニクラーケン
いつもお読みくださりありがとうございます。
活動報告にてSSを投稿しましたので是非お読みいただけると嬉しいです。
お読みの際は注意点にも目を通してくださると幸いです。
クラーケンの情報を得た翌日、俺達は早速バングン海岸へとやってきた。
「ここがバングン海岸か。特に変哲もないところだな」
「わーい! また海に来たんだよ! 泳ぎたいね!」
「こ、これからあの大海原を潜るんだね……」
「ふむ、海に潜る経験はない。楽しみだ」
『ヤァー!』
既に魔導自動車へ潜水機能を追加しておいたので、今回は操縦役としてミニサレナも同行している。
訓練所でどんな物なのか試してみたが、潜水艦のような感じでとてもじゃないが俺に操縦なんて出来なかった。
なので飛行機能を使う時と同様、ミニサレナに全て任せるしかない。
さっそく魔導自動車を潜水モードにしてクラーケン探し……と行きたいところだが、その前にまずはミニクラーケン狩りだ。
ミニクラーケンのステータスを見ておけば、クラーケンがどの程度かの参考になるかもしれない。
それにノールがミニクラーケンを狩る気満々だ。
「ミニクラーケン! ミニクラーケンはどこにいるのでありますか!」
「もう食べる気満々ね。でも陸に上がってくるイカってどんな感じなのかしら」
「やはり見た感じその辺にいる様子はありませんね。協会の話だと囮を設置して陸に上がってくるのを待つって話でしたよね」
「ああ、地図アプリにも地上に魔物は見当たらないな」
地図アプリで確認しても地上に魔物の反応はなく、浜から少し離れた海中に潜んでいるようだ。
協会から普通の冒険者がどう狩っているか聞いたら、陸地に餌などを置いてミニクラーケンをおびき寄せるらしい。
早ければ数時間程度で上がってくるようだが、出てこないことの方が多いそうだ。
だが、そんな悠長な狩りなんてやってられない。
そこでこの平八は考えた、無理矢理陸地に打ち上げてしまえばいいと。
「フリージア、あの辺りにいるんだがわかるか?」
「えーっと……あっ、わかった! 私に任せるんだよ!」
地図アプリで得た情報をフリージアに伝えると、さっそくフリージアは弓を取り出して少し太めの矢をつがえた。
その矢じりには返しが付いていて、ぶっとい縄も取り付けてある。
狙いを定めたフリージアが矢を放つと、海中へ飛んでいき標的に突き刺さったのか縄が勢いよく海中に引き込まれていく。
「へへっ、命中なんだよ!」
「よくやった! よし、引っ張るんだ!」
「任せるのでありますよ! どっこいしょ、なのであります!」
縄を握っていたノールが踏ん張って力を入れると、一気に引き寄せられた獲物は海から飛び出してきた。
狙い通りそれは象並みにデカいサイズをしたイカだ。
……これ、クラーケンじゃないの? デカ過ぎるだろ!
とりあえずステータスを見ておこう。
――――――
●種族:ミニクラーケン
レベル:60
HP:4万
MP:3000
攻撃力:3800
防御力:3000
敏捷:30(海中時100)
魔法耐性:50
固有能力 自切
スキル 自己再生 墨吐き 鞭打
――――――
「見事に一本釣り出来たな。随分とデカいイカだけどこれでミニなのか……。ステータスもなかなかだな」
「クラーケンが船を沈めるサイズだと考えたらこれでもミニですよ。海中で相手をするのは難しそうですね」
「この方法ならすぐに陸へ打ち上げられるから狩りやすいわね。さっそく倒しちゃいましょうか、えい」
陸に上がったミニクラーケンは足を器用に使って、まるで陸上生物のように動いている。
ステータスも低くはないし、あれだけ動けるなら陸で戦ったとしてもそこそこ苦戦しそうだ。
普通に戦ったらの話ではあるが。
エステルのえい、の一言でミニクラーケンは光線に包まれた。
光が消えるとそこには、俺の背丈よりもデカいイカ足だけが残されている。
「むほほ! 本当にイカ足を落としたのでありますよ! 食い応えがありそうでありますなぁ!」
「マジでデカい足だな……。ミニでこれだとクラーケンは車よりもデカい足落としそうだぞ」
「そんな大きい足が落ちたら食べ放題でありますね! 困っちゃうのでありますよぉ~」
「困るどころかむしろ嬉しそうじゃない。大きいのはいいけど問題は味よね」
「大き過ぎると大味な気もしますね。ですがイカ焼きならお酒のつまみに丁度良さそうです。さっそく食べてみましょうか」
うーん、確かに大きいと味はそこまでって話はよく聞くな。
こんな馬鹿デカいと心配になるけど、セヴァリアで評判がいいならそこまで悪くもないはずだ。
食べる気満々のノールに用意していた調理セットを出してやると、イカ足を次々と捌いて串を刺し、網の上に乗せて炭火で焼き始めた。
醤油などの調味料も持ってきていて、辺りに香ばしい匂いが漂ってくる。。
すぐに焼き上がり1串貰うと、良い焼き加減で見た目もかなり美味そうだ。
「良い匂いなんだよー! ……ん! これ美味しいね!」
「身もしっかりして食べ応えがある。味もかなりいいと思うよ」
「うむ、美味い」
「むふふ、美味しいのでありますよぉー。来てよかったのであります!」
「あの化け物みたいなイカがこんな美味いと何とも言えないな……」
「魔物から落ちる食材を食べるのなんて今更じゃない」
「うふふ、やはりお酒と相性ばっちりですねぇ。大倉さん、ここにもビーコン設置しましょうよ。たまに狩りに来たいです」
「サテライトビーコンのおかげでビーコンの在庫も増えたしいいぞ」
いやぁ、このイカめちゃくちゃ美味いな。
全然大味じゃないしかなり美味いぞ。
イカソーメンや干物にしたり色々な料理にして食べてみたいな。
サテライトビーコンが手に入ったので、中継地点として使っていたビーコンをある程度回収したから在庫には余裕がある。
イカ足のためにここへ設置しておこう。
イカ焼きを味わった後、改めて今回ここへ来た目的を果たすことにした。
「さて、それじゃあクラーケン探索と行きますか。頼んだぞミニサレナ」
『ヤァー!』
魔導自動車へ乗り込んで潜水モードに、操縦席へはミニサレナに乗ってもらう。
潜水モードになると車体は全体的に丸みを帯びて、後方に大きなスクリューが追加される。
タイヤでそのまま海底を走行しつつ水中を浮遊することも可能だ。
浮上と潜航の切り替えも出来て、海面に車体を出すこともできる。
勢いよく海へ魔導自動車で入水すると、スクリューが起動して水中を凄い速度で進み始めた。
車体の天井は透けていて中から外の様子を見れる。
海の中は透き通っていてまるで水族館でも見ているような気分で、フリージア達も感嘆の声を漏らしていた。
「わー! 海の中に入ったんだよ! 凄い凄い!」
「うわぁ……すげぇ。海中ってこんな感じなんだ。こんな機会でもなければ絶対に見れない光景だね」
「観光気分だ」
「綺麗でありますけど、水の中にいると思うとちょっと怖いでありますよ」
「海にも潜れるなんて魔導自動車って便利よね。交換してよかったじゃない」
「これってもう車って呼べるのでしょうか。便利なのは確かですけどね」
陸海空1つで全てを網羅しているし、もはや車じゃないと言いたくもなるが便利だから仕方がない。
快適な海の旅を始めた俺達は、クラーケンを探して大海原を進んでいくのだった。
前書きでも書きましたが活動報告にてSSを投稿しました。
↓にリンクが貼ってあるので、王国武闘大会というタイトルをお読みいただけると嬉しいです。
お読みの際は注意点にも目を通してくださると幸いです。




