表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
195/405

海上での遭遇

 イリーナさんが言っていた通り、日が暮れる頃には目前に大海原の広がる岸壁までやって来た。

 山を回り込んだりせず一直線に進めるから随分と早いご到着だ。やはり空を飛んでの移動は圧倒的に速い。

 俺達も魔法のカーペットを持っているとはいえ、あまり高い山は通れないからな。

 その内ガチャのアイテムで飛行機でも出てくれないものか。

 

 とりあえず予定通り今日はここで野営をして、明日の朝離れ小島に向けて出発だ。

 イリーナさんは到着すると、すぐに崖の際に近付き両手を合わせて何やら祈りを捧げている。

 明日に向けての安全祈願だろうか。邪魔したら悪いから、その間俺達は野営の準備でもしようかな。


「わーい! ノールちゃん達と野営! これも楽しみにしていたんだよ!」


 バッグからテントを2つ取り出してテントの設置をしていると、フリージアが俺の周囲を走り回って喜んでいる。

 非常にやりづらいんですが! どうしてこいつはこんなに落ち着きがないんだよ!


「フリージアは出発してからずっとこんな調子ね」


「前に連れ出した時も野営したいとか騒いでいたからな……色々な意味で今日を無事乗り切れるか不安だぞ」


「大丈夫でありますよ。フリージアはいい子でありますからね」


 ブルンネからセヴァリアに向かう時フリージアも連れて移動していたけど、あの時は野営をせずに暗くなったら帰宅していたからな。

 今日のフリージアは今まででもかなりテンション上げ上げだ。

 ただでさえ騒がしいのにこれ以上はしゃぎ出したら手に負えないぞ。

 ここはノールに頑張って抑えてもらおう。

 そして野営となるともう1人心配なお方であるルーナはというと……テントを見て腕を組みながら眉をひそめていた。


「むぅ、忘れていた。私は寝床が変わると寝られない」


「そこは我慢してくれよ。寝袋は出すからさ」


「なんでしたら私が膝枕をいたしますよ! ささ、どうぞどうぞ!」


「うむ、それならお願いしよう」


 座って膝を叩きながらカモンカモンとアピールするシスハの太ももに、さっそくルーナは寝転んでいる。

 相変わらずシスハはルーナに甘々だな。これで満足してくれるだろうし、ルーナの方は問題なさそうだ。

 全くもってうらやまけしからん光景だぜ。

 さてと、それはいいとして食事はどうしようか……うーむ、久しぶりにあれにしよう。


「気合を入れる意味も込めて、今回はガチャの食料を使うとするか」


「おお! 久しぶりに食料を使うのでありますか! むふふ、ガチャのお食事は美味しいのでありますよぉ」


「自宅で料理するようになってからあまり使っていなかったものね。でもお姉さんがいるのに大丈夫なの?」


「魔法で保存しておいたとか言っておけば平気だろ。ここで料理作るのも手間かかるし、味気ない食事をするのはちょっとな」


 この人数となると料理を用意するのも時間がかかるし、主に作るであろうノールに負担もかかる。

 だからこういう時こそガチャ産のR食料の出番だ。

 ワンタッチで美味い料理が出てくる上に片付ける必要もないから、野営時には本当に役に立つ。

 イリーナさんがいる手前使うのは少し躊躇う気持ちもあるけど、明日起きるであろう戦いに備えて英気は養いたい。

 ノールなんて特に食事で戦闘力が変わりそうだからな。少しでも美味い物を食べてもらおう。

 さっそくスマホをタップして次々と食事を出していくと、その辺を走り回っていたフリージアがこっちへ来た。


「ご飯できたの! 良い匂いがするんだよ!」


「もう嗅ぎ付けてきたか。ノールみたいな嗅覚をしているな」


「えへへ、そんな褒められると照れちゃうんだよぉ」


 褒めてないのだが……まるでノールやシスハと同じような反応する奴だな。

 2人の影響を受けたのか、それとも元々こうなのかわからないが、突っ込んでも仕方が無いからスルーしておこう。

 フリージア達に出した料理を配った後、今も崖の際で祈りを捧げているイリーナさんに声をかけた。


「イリーナさん、食事の準備ができましたので一緒に食べませんか?」


「食事の準備、ですか? 私も保存食は持ってきておりますが……ここで料理をお作りに?」


「あー、実は既に作っておいた物を魔法で保存しておいたんですよ。沢山ありますので遠慮なくどうぞ。ノール達からの評価もいいので、味は保証しますよ」


「魔法でそんなことまで……わかりました、ご一緒させていただきます。お食事までご配慮くださり、誠にありがとうございます」


 特に疑問に思った様子もなく、イリーナさんはすんなりと受け入れて俺達と食事の席に着いた。

 ダラはというと、どうやら自分で海に潜って獲物を採っているらしい。やはり魔物だけあって逞しい。


 イリーナさんは用意されていた食事を見て驚いている。

 ノールが食べているジュージューと音を立てる分厚いステーキ、エステルが食べているとろりと卵が半熟になったオムライス。

 どちらも今出来たばかりの物にしか見えない。というか今さっき出した物だからある意味出来たてだ。

 イリーナさんにはランダムに出てきた、魚介の入ったクリームシチューを用意しておいた。

 彼女はスプーンを手に取ると、シチューをすくって恐る恐るといった様子で口に運ぶと……。


「……っ!? な、なんですかこの料理は! こんな美味しい物食べたこと……あっ、大声を出してしまいすみません……」


「いえいえ、口に合ったみたいでよかったです」


 ノール達が食べているのは自分で出した分だから、イリーナさんの分は俺が出した物を選んでおいた。

 2回押したらピザとシチューが出てきたけど、ピザに比べたらまだシチューの方がイリーナさんは食べやすいはず。

 もし駄目そうならもういくつか出そうと思ったが、この様子なら心配ないな。


「この料理凄く美味しいんだよぉー」


「ノールさんの料理も美味しいですけど、やっぱりこれは美味しいですねぇ」


 フリージア達も各々出した物を満足そうに食べている。

 だが、ルーナだけはフォークを握り締めて不満そうに眉をしかめていた。

 彼女が出した料理、それはチキンライスにハンバーグ、フライドポテトなどが盛られた……お子様ランチ。

 ご丁寧にライスの上には小さな旗が刺さっている。


「美味いが妙に腹立たしい。何故旗が付いている」


「特別感があっていいと思うんだよ! その旗記念に取っておこうよ!」


「何の記念だ。……貰っておこう」


 不満そうにしていたが、フリージアに言われてライスに刺さっていた旗を抜いて持って帰るつもりのようだ。

 ルーナの見た目からして、お子様ランチが凄く似合っているのだが……ひぃ!? 

 何か知らないけどめっちゃこっちを睨んでる!? まさか考えていることがバレているんじゃ……エスパーか!

 そんなこんなで割りと穏やかに食事をしていると、イリーナさんが呆然としながら俺達を見ていることに気がついた。


「どうかしましたか?」


「これから戦うことになるかもしれないというのに、皆さん随分と楽しそうにしていらっしゃいますから……」


「すみません、ちょっと緊張感に欠けていたかもしれません」


「いえ、そんな謝らないでください。以前他の冒険者の方に護衛をしてもらった時は、場が緊張してよく疲れてしまいましたので。皆さんを見ていますと私も気持ちが落ち着いてきて安心できます」


 イリーナさんは胸に手を当てて、心底安心しているかのように語っている。

 うーむ、確かにイリーナさんの気持ちはわからなくない。

 楽しそうに食事をしているノール達を見ると、明日どんな戦いになるか不安な気持ちが薄れていく。

 普段から俺も散々助けられているからなぁ。本人達は全くそんなつもりはないんだろうけど、一緒にいると本当に勇気付けられる。

 ……うん、これからもこうやって過ごす為にも、明日は全員無事に終えられるよう頑張らないとな。



 翌日、予定通り早朝から離れ小島に向かってダラに乗り海上を移動していた。


「夜に襲撃されるかと思ったけど何もなかったわね」


「むぅー、何もなくてちょっと残念なんだよ」


「残念がるな。シスハのおかげで私はよく寝られた」


「うふふ、満足していただけたようでよかったです」


 昨夜は一応襲撃に備えて夜も警戒していたのだが、特に何も起きなかった。

 これから島に来るかもしれないんだから、比較的近い陸地も警戒していると思ったのだがそうでもないらしい。

 もしかすると離れ小島に黒幕、もしくはディアボルス達がいるというのはただの杞憂の可能性も……そこまで甘くはないか。

 俺達だって夜は特に警戒するし、陸地で相手をしても無駄にやられるだけだと考えて襲撃してこなかったのも考えられるな。

 どちらにせよ襲撃されずに済んで、全員万全の状態で戦える。

 

 ダラの背に乗せられて、見渡す限り広がっている海を進んでいく。

 その途中、ノールが海を見下ろしながら若干不安そうに呟いた。


「こうやって海の上を飛んでいるとちょっと怖いでありますね。近くに陸地もないので、自力で戻れそうにないのでありますよ」


「そうね。目標になるような物もないし、どっちに行けばいいかわからないわね。そういえばお姉さん何も見ていないようだけど、小島がどの方角にあるかわかっているのかしら?」


 確かにもう陸地が見えないぐらい離れているから、今どの方向に進んでいるのか普通ならわからないな。

 地図アプリには陸地から現在地の場所までちゃんと表示されているけど、それで確認するとダラは迷うことなく真っ直ぐとある方向を目指している。

 イリーナさんは特に方角を確認するような物を持っているように見えないが、何か方角を知る術を持っているのかな?

 エステルの疑問にイリーナさんは快く答えてくれた。


「はい、テストゥード様にお仕えする私共は、どの方角に聖地があるのか自然と理解できるのです。それにダラなら海上でも正確に自分達がどこにいるのかわかっております。一応方位磁針も持ってきておりますのでご安心ください」


 ほお、守護神に仕えているだけあって、やっぱりそういうのもわかるんだな。

 それにダラも自分で飛べるんだし、本能的に自分が今どこにいるのか理解しているのか。

 地図アプリで確認しても迷っている感じはしないし、イリーナさんとダラに任せておけば目的地に確実に行けそうだ。

 そう思いながら地図アプリを見ていたが、表示されている範囲の中に3つ赤い点が出現した。


「イリーナさん、一旦止まってください」


「は、はい! ダラ、止まって!」


 イリーナさんの叫び声に応じて、ダラはすぐに進むのを止めてその場で浮遊している。


「急に止めたってことは魔物の反応があるのかしら?」


「ああ、ちょっと先をうろちょろしてやがる。イリーナさん、確認しますので少しずつ私の言う方向にダラを進めてもらっていいですか?」


「わ、わかりました!」


 今さっき地図アプリに表示されている隅っこに反応が出てきたから、まだまだ俺達から離れた場所にいる。

 しかもいる方向はダラが真っ直ぐに進んでいた先で、明らかに俺達が来るのを待ち伏せしている感じだ。

 なので少し進路から外れて、回り込むようにその魔物がいる場所に近付くことにした。

 ある程度近付いた場所で再度ダラを止めてもらい、望遠鏡で魔物の反応をある場所を見てみると……ディアボルスが3体飛んでいる。


「あー、例の魔物が3体いるぞ」


 まさか最初から3体もディアボルスが徘徊しているとは……これは相手もかなり本気だってことだろうか?

 ここだけ警戒しているとは思えないし、1ヵ所で3体となるとそれなりの数のディアボルスに島周辺の警戒をさせていそうだ。

 地図アプリのおかげで遭遇する前に発見できて本当によかった。

 ダラに乗った状態で遭遇戦でいきなり3体は相手にするのは厳しい。

 ある意味レーダーの役割を果たしている地図アプリに感謝しなければ。


「どうするでありますか? 見つからないように迂回しながら進んだ方がいいでありましょうか?」


「この子に乗ったまま戦うのは出来るだけ避けたいわね。でもわざわざ見回ってるってことは、他の場所にもいるはずよ」


「避けて進んだとしても、結局島に着く前には見つかってしまいそうですね。もっと上を飛ぶというのは……ダラさんはどのぐらいの高さまで飛べるのでしょうか?」


「申し訳ありません。高く飛べるには飛べるのですが、それを維持し続けるのは難しいと思います」


 高度を上げて避けるのは無理、と。

 いや、だけど上空にいる時に下に潜り込まれる危険を考えたら、どちらにせよその選択肢はないか。

 もし上を通っている時に気付かれたら、ダラの背に乗ったままじゃロクに反撃もできない。

 ダラ自身が反撃できるかもしれないけど、できれば接近を許さずに俺達で対処しておきたいからな。


 うーん、本当なら戦闘は避けたいところだが、むしろ今の内に徘徊している奴らを叩いた方がいいんじゃないか?

 もしここで避けて進んだとしても、別のところで見張っている奴がいるかもしれない。

 それもまた避けて進んで……なんて繰り返していたら、いつまで経っても島に近づけなさそうだ。

 最悪の場合ちょっとしたミスで島の近くでディアボルスに見つかりでもしたら、避けてきた奴らが一斉に集まってきて包囲されてしまう。


 まだ俺達は包囲網の外にいるだろうから囲まれる心配もないし、今の内なら少なくとも3体は確実に始末できる。

 さらにあいつらに手を出したら散らばって警戒している奴らもこっち来るだろうから、逆に待ち伏せするのも可能だ。

 最悪の場合はここからならまだ陸地に引き返すこともできる。

 ……よし、今の内に殺っておくべきだな。


「避けながら進まないで今の内に各個撃破しておこう。ここで倒しておかないと、最悪島に着いた後追加で相手をすることになるかもしれないからな。今の内に数は減らしておきたい。恐らくだけど、手を出したらほぼ同じタイミングで他に散らばっている奴らが集まってくるはずだ」


「前回の反省を活かして3体で行動しているのでありましょうか? あれなら不意打ちされても1体ぐらいはこっちを確認できるでありますよね」


「だんだん学習してくるとは厄介な魔物ですね。今回は海上なのでなおたちが悪いです」


「やれやれ、群れて行動する魔物はめんどうだ」


 全くもってその通りだな。

 ディアボルス1体1体離れて飛んでいるが、お互いに確認できる距離を保っていた。

 これなら3体の内1体でもやられたら即座に反応できるし、同時に3体やられるリスクを減らしている。

 祠で闇討ちされた経験がちゃんと反映されているみたいだな。


 1体でも残れば周囲を警戒しているであろうディアボルスにも情報が伝わる算段だろう。

 見つかっただけで即座に他の個体にまで情報が伝わるとか、いくらなんでも厄介過ぎるぞ。

 ……まあ、その特性を利用して逆に待ち伏せしたりもできるんだけどさ。

 そんなことを考えていると、俺の話を聞いていたイリーナさんは訝しげな表情を浮かべていた。


「大倉さん達は例の魔物について随分と詳しいのですね」


「あっ……は、はい。クェレスから何度か相手をしてきましたから、特性はある程度理解しています。それに今までの情報をまとめると、あの魔物に指示を出している誰かがいるはずなんです」


「指示、ですか。……なるほど、その何者かが聖地にいる、ということなんですね? その魔物がいるということは、もういるのはほぼ確定で……ふふ、ふふふふふ」


 イリーナさんが俯いて不吉な声で笑っている。

 怖いんですが……神罰を与えなければとか叫んでいたからなぁ。

 犯人を見つけたらどんな反応をするのやらか。

 イリーナさんが暴走しないように気をつけておかないと。


「と、とりあえず、そういう訳なので私の言った通りにダラに動いてもらってもいいですか? 魔物の来る方角やタイミングは大体把握できますから、上手く立ち回りましょう」


「わかりました。ご指示に従わせていただきます。大倉さん達は本当に色々な技能をお持ちなんですね」


 地図アプリのおかげで周囲の状況はばっちり把握できるから、今いるディアボルスを倒した後にやってくるであろう増援もどこから来るか丸わかりだ。

 それを上手く利用して、こっちが先に攻撃できるように立ち回るとしよう。

 まずは目前の3体を倒す為に、ディアボルスの動きに注意しながらフリージアが攻撃可能な距離まで近付いてもらう。


「これ以上近付くと見つかりそうだな。フリージア、ここから狙撃できるか? 出来るなら1体だけでも確実に仕留めてくれ」


「任せて! 飛んでいる獲物を撃ち落すのは大得意なんだよ!」


 ドンっと胸を叩いてフリージアは自信満々な表情をしている。

 弓の腕に関してだけは本当に信用できるからな。

 ここからディアボルスまで、大体2キロ以上はありそうだ。

 空を飛ぶだけじゃなく動き回っている相手に、この距離で当てるのは至難の業だと思うのだが……フリージアならやってくれる凄みを感じる。


 エステルから支援魔法を受けた後、フリージアはいつものように真剣な顔つきで矢を4本同時に弓に番えた。

 そして大きく呼吸をして息を吐き出すと同時に矢を放つ。

 エステルの強化された支援魔法を受けたフリージアの矢は視認できない速さなのか、放った直後に望遠鏡で見ていたディアボルスに着弾。

 体が一瞬で弾け飛んだせいでどこに当たったのか詳しくわからないが、頭は確実に命中していたと思う。

 フリージアはそれを確認することなく、1発目を放つとすぐにまた弓に矢を番えて放っていた。


 慌てて残りのディアボルスを望遠鏡で見ると、既に空中でバラバラになり落ちながら消えていくのが2体目。

 最後の3体目はギリギリ避けたのか原型を止めていたが、翼を撃ち抜かれてバランスを崩しクルクルと回転しながら落下している。

 そこに容赦なくフリージアはさらに矢を放ち、落下していくディアボルスを撃ち抜いて止めを刺した。

 全てのディアボルスをまさに瞬殺したフリージアは、いつものような緩い雰囲気に戻ってドヤ顔をしている。


「えへへ、全部撃ち落としたんだよ!」


「おぉう……まさか3体共瞬殺するとは……」


「やっぱり遠距離相手だと頼りになるでありますね。しかも飛んでいる相手に的確に当てるなんて凄いのでありますよ」


「それほどでもあるかもなんだよ!」


「むぅ、ポンコツとはいえ凄いのは認めてやろう」


「わーい! ルーナちゃんに褒められちゃった!」


 1体だけでも先制で倒して、混乱している間の残りの2体も仕留めようと思ったのだが……まさかここまで瞬殺できると思わなかった。

 強化されたエステルの支援魔法もあるが、やっぱりフリージアの狙撃の腕前は異常だ。

 当てられるか心配していたけど、1発どころか1度に4発も当てやがった。

 しかもディアボルスの防御力も軽々貫いているし、あんなの喰らったら俺だってひとたまりもない。

 イリーナさんは俺達のやり取りをポカンとしながら見ていたが、会話を聞いてもう戦闘が終わったのを理解したのかハッとなり声を上げた。


「えっ……えっ!? い、今ので倒してしまわれたのですか!? 魔物の姿は全く見えませんでしたが……」


「あー、こいつは本当に弓の腕だけはいいので……豆粒ぐらいにしか見えない相手でも簡単に当てちゃうんですよ」


「うん! 弓は自信があるんだよ!」


「そ、そうなのですか……。神殿で1度見せていただいておりましたが、ここまで凄いとは思いもよりませんでした」


 改めてフリージアのその実力を目の当たりにしてイリーナさんは困惑していたが、これで本当に頼りになるとわかってもらえただろう。

 知っていた俺ですら、やはりこの狙撃を見ると改めて凄いと感じてしまうぐらいだ。……ポンコツエルフだけど。

 とりあえずこれでディアボルス達は俺達の存在に気が付いたはずだから、すぐにでも周囲を警戒していた奴らが集まってくるはずだ。

 全く、島に着く前にこんな戦闘をするはめになるとは……無事に島まで辿り着けるのだろうか。

いつもお読みくださり、誠にありがとうございます。

今月4月27日に、小説版6巻と漫画版2巻が発売となります。

これも応援してくださる皆様のおかげです。本当にありがとうございます!

今回は漫画版に特装版もあるそうで、缶バッジが付属しているみたいです。

全6種でランダムに1つ封入されていて、シークレットなどもあるみたいです。なお平八版もあるとか……。

それとLINEスタンプやキーホルダーも販売されるようですので、詳しくはGCノベルズ様の公式HPとツイッターをご確認ください。


少しばかり長い宣伝となってしまいましたが、これでご報告を終えたいと思います。

よろしければ今後もお付き合いしていただけると幸いです。

ここまでお読みくださり、誠にありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ