忠犬N 3
夜はゆっくり寝たいですね。
僕は犬である。
種類はミニチュアダックスフンドである。
ある夜、僕はママ(飼い主 母)とお兄ちゃん(飼い主 長男)と一緒に寝ることになった。
お兄ちゃんの部屋のエアコンが壊れたのだ。
僕は久しぶりにお兄ちゃんと寝るということで、大喜びしていた。
この時僕は、まさかあんな恐ろしい事になるなんて思ってもいなかった。
明かりを消し、僕はママとお兄ちゃんの間に大喜びしながら横になった。
10分後、その悪夢の時が訪れた。
横になっていた僕の顔に突如、何かが降ってきた。
「な なんだ!?」(犬語)
僕は持ち前の反射神経で、かろうじで避ける事ができた。
僕は驚きながら降ってきた物を見ると、それはお兄ちゃんの腕であった。
「危なかった!」
僕は驚きながらも、当たらなくて良かったと思った。僕は念のためにママの枕の半分に身体を仰向けに上半身を置いた。
そのまま楽しい楽しい夢の世界に旅立とうとした瞬間、お腹に衝撃が走った。
「グハッ!」
一体何が起きた?
僕はお腹の上に乗っかっているものを見て、目を疑った。
お兄ちゃんの拳だった。
「何で!?」
僕は焦った。
ならばと思い、足下に行った。
だが、足も酷かった。
お兄ちゃんだけでなく、ママも酷かった。
「しまった!完全に失念していた!」
ママも上半身は偶にしか動かさないが、下半身はよく動いている。
「一体何処で寝ればいいんだ!」
このままでは、夜吠えが出来ないではないか(Nはよく、夜中に物音で吠えまくって、母と長男にうざがられています)。
Nは布団のあちこちで寝てみたが、お兄ちゃんの無意識の襲撃に全く寝付けないでいた。
「す 睡拳か!?」
僕は余りの恐怖で、最早寝るどころでは無かった。
こうして夜が過ぎていった。
長男「お母さん!Nが何故か僕を睨んでいるんだけど何でかな?」
母「確かあんたが夜暴れたからでしょ!私うっすらと憶えてるわよ」
長男「全く記憶がない!」
僕はママの枕の上に顔を置いて、半分寝呆けながらお兄ちゃんを睨んでいた。
N「この物語りを今は亡き静かな夜に捧げる」
長男「…………ごめんなさいm(__)m」
この物語りは事実を若干の脚色をして書いています。
睡眠はしっかり取りましょう。