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(3)

「おーい裕也、知ってるか? 今日この学校に非常勤がやってくるらしいぜ」

「その非常勤が神藤表梨さんでこのクラスの副担任になるって事は知ってるよ」

「情報ありがとう、あの人が副担任とか死ぬほど嫌なんだが」

「僕もだよ」

 学校に着き次第この悲しさを裕也に相談してみたらさらに残念な状況を知ってしまった。

 藪蛇ってわけでもないが残念だ。

「まあ、あの馬鹿じゃなければ他のどんな馬鹿でもいいわ」

 亜織は安心してる。

「灯裏さん幼稚園行くとか言ってたけど大丈夫なのか?」

 流石に心配だ。

 最悪、テロリストに占拠させるよりまずい。

 そもそも、灯裏さんが行くなんて幼稚園にテロリストを招いてるようなもんだろうに。 俺に言わせたら、灯裏さんに幼稚園児を預けるぐらいなら千尋の谷に落とす。

「心配無いわ、なぜかあの胡散臭い笑顔が幼児には人気なのよ」

「教育に悪そうだな……」

 日本の未来が心配だ。

「校長先生の弱みを握って応接室をパクってる人たちに幼児も言われたくないと思うけど……」

 それはそれ。

 これは違う。

「そういえば、今日は転校生も来るらしいよ? 名前しかわからないけど」

 裕也から新しい話題が来た。 ただ話題を逸らしただけだが。

 転校生?

「このクラスに来るのかしら?」

「うん、確か秋時千刃だっけな……」

 …………おい。

「まさか、外国から来たとかそんな感じか?」

「正解だよ、大和。 アメリカから帰ってきたとかだったと思うよ。 詳しいね」

「裕也、何があってもそいつを俺達の教室に入れるな。 一生の頼みだ」

「いやだな、大和。 僕が親友の一生の頼みを無下に断らないなんて思っているのかい?」

「死んでしまえ」

 くっそ、こいつはもうすでにニヤニヤし始めていやがる。

 しかしどうする。

 アイツが来るのか?

 これはある意味ハンマーより危険だぞ、くっそ。

 とか思ってるときだった。

 外から、ノイズ混じりの、メガホンでも使ったような声が聞こえた。

『この学校は占拠した! これより、貴様らは人質である! 無闇に動くな!』

 少し悩ませてくれ、うっさいな。

「裕也、こいつらどうにか出来なかったの?」

「君ならどうにかできるし、神藤さんが来るんだろ?」

「まだ来てねぇだろうが」

「大丈夫、想像武器クリエイトウエポンを使うまでも無い相手だと思うから」

 たく。

「想像武器を考えにいれるな、俺は普通に暮らしたいんだ」

 普通に、木刀で敵を倒したいんだ。

「姫、これで何回目だっけ?」

「九回目」

 なるほど。

「まあ、神藤さんがまだいないみたいでし、俺が行くよ。 どうせ今日で最後だろうしな」

 裕也と姫に向かって言った。

 亜織は、寝ていた。


 というわけで、俺は2-1組の教室から飛び降りた。

 三階から。

 勿論、投身自殺の為に窓からダイブしたわけじゃない。

 校門で声明を出したテロリスト(笑)は声の響きからして、昇降口辺りに着いた頃だろう。

 だから俺は昇降口の屋根の上に飛び降りた。

 とは言いつつ、二階分は飛び降りたら普通に足が折れる。

 まあ、だから裕也が昇降口の屋根にマットをひいてる訳なんだが。

 飛び降りるようのマット、テロリストは考えないよな。

 そもそも上下運動を考えないか。

 とまぁ、音もなく昇降口の屋根の上に着いたわけだが。

「…………装備だけはまともだな」

 マシンガン装備のテロリスト(笑)が校門に二人。

 校門に配置して意味があるはずがない。

 俺だったら、何よりも早く教室を占拠し人質を作る。 裕也ならもっと良い事を考えるだろうが。

 余程の素人だな、何も考えてないようにしか思えない。

「足音からして、昇降口には今三人くらいか……」

 速攻で終わらせよう。

 昇降口の屋根から飛び降り、近くに居たテロリスト(笑)を一人速攻で襲った。

 四刀流[陰]だ。

 腕に、木刀を一本刺した。

「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 まあ、悲鳴上げるよな。

「どうした!?」

 悲鳴を聞きつけてか、二人のテロリスト(笑)が戻ってきた。

 俺は素早く靴箱の裏に隠れた。

 そして、靴箱から一方的に見える奴に狙いを定めて

「四刀流[風]」

 木刀を投擲した。

「なぁ!?」

 しっかりと命中。

「まさか、貫通するとはなぁ……」

 先端尖らせすぎたかな。

 まあいい、二人目撃破。

「こんちくしょう!」

 残った一人がマシンガンを俺へ向ける。

 が、予想通り素人。

 構えるのが遅い。

 マシンガンがあれば勝てると思ってんのか?

「四刀流[衝]」

 俺の最新技、ハンマーとの戦いの時思いついた跳び蹴りを決めるのは十分な時間だった。

 さて。

 取り敢えず校内の奴らは全員撃破。

「流石に校門の奴らは異変に気付いてるよなぁ…… 流石にマシンガン二丁を相手に立ち回るのはきつそうだなぁ」

 と、思ったが。

 実際、ここでグダグダ悩んでる間に乱射されたり遅刻してきた奴が人質に取られたりしたら笑い事じゃない。

 素早く三人を気絶させてるときだった。

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 悲鳴が聞こえた。

 明らかに野太い、テロリスト(笑)か。

 テロリスト(笑)が悲鳴を上げる状況にあるって事は。

 転校生。

 秋時千刃。

 もし、秋時千刃が予想通り、考えたくもないあいつだとしたら。

「テロリスト(笑)がやべぇ!」

 最悪、死ぬぞ。

 助けにいかねぇと。

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