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雪夜の魔法  作者: 桃姫
黒の魔法――The night darkness deepens more and more――
48/51

48話:限定結界

 だが、その暗転は、一瞬だったようだ。目の前に無様に転がるミクリ。その体が、突如、黒い光を帯びる。

「ナッ、これは、魔法の魔力暴走か」

 そうか、起源に通じる魔力が、暴走したことで完全に切り離され、その補完に本人を起源に取り込もうということだろうか。

「チッ、オレが消えても、たぶん、ここに残ってる暴走した魔力はそのままになるな。そっちの処理は、お前に任せるぜ、ショーキ」

 笑って、そして、消えた。

「ミクリ……」

「おい、篠宮。どうすんだよ、あの膨大な魔力」

 【黒減】が聞いてくる。

「消すしかないだろ」

 俺は、告げる。

 言の葉を。

「さあ、輝け雪よ……

 さあ、煌け雪よ……

 夢は深々と世界に降り積もり、

 愛は、世界を煌かせる

 告げる

 世界の理に苛まれし異端の徒よ

 我が断りのもと全ての起源へ導かれよ

 【白銀雪夢】」


 セカイが変る。視界は白く塗りつぶされ、全てが雪に包まれる。この世は、とても冷たい。セカイが、力を奪い、雪へと換える。

 降る雪は強くなる。そして、魔法は、消え逝く。

 全ては、思い。全ては氷。全ては氷夢。

 夢のように儚い氷。抱く幻想。はらりはらりと舞う雪たち。全ては夢なのだ。それが、それこそが【白銀雪夢】。


 気がつけば、元の闘いによってボロボロになった部屋に戻っていた。しかし、そこに渦巻いていた、最大級の魔法は、いつの間にか無くなり、消えていた。


「なにを、なにをしたんだ……」

声にならない声で尋ねてきた【黒減】。静かに、俺は答える。

「コレが、俺の、限定結界だ。【白銀雪夢】。対象の空間のあらゆる魔法・魔力・生命を奪い去る力」

「限定結界……」

 限定結界は、世界の理に反する魔法。

 それゆえに、本来は、スムーズに発動することはできない。しかし、俺は、起源魔力へ触れたことで、制約を簡略化。さらに、【白銀雪夢】の中の【雪】と言う部分を抜き出し、本来ならありえない、二つ目の魔法を使えるようにしていたのだ。

 まあ、全て【氷の女王】のやったことだが。


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