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雪夜の魔法  作者: 桃姫
黒の魔法――The night darkness deepens more and more――
43/51

43話:変化と終焉

 オレは、計画のために、佐薙ハルカの下へ向かっていた。

 ふと、誰もいない交差点の向こうに、女性が立っていた。あの女……。女性の足元に展開されているレモン色の魔法陣。

 コイツは、

変装魔法使い(スピナリア)か」

「やっと見つけた。黒の魔法使い」

 オレは、何度も戦った間柄である。

「邪魔だな。スピナリア」

「それはこっちの台詞」

 それもそうか。

「アフリカ、モンゴル、ヨーロッパ。各地で戦ったが、それもここで終わりだ。スピナリア、お前はここで倒す」

「やれるものなら」

 瞬間移動かと思うほどの速度で突っ込んでくる。

「チッ」

 オレは、スピナリアの拳と蹴りを全て避けた。何度かかするが、直撃は完全に避けた。

 スピナリアは、変化の魔法によって、実態のある変化をする。今の姿は、格闘形態。格闘戦闘に特化した姿だ。

「雷轟爆鎖!」

 オレの魔法が、スピナリアに向かって飛ぶ。雷鳴を唸らせながら、雷と同じ速度で、電撃が飛んだのだ。

「クッ」

 よけることのできない速度の攻撃を瞬時に伏せてかわした。

「これならどうだ!煉獄魔典!」

 スピナリアを囲うように無数の地獄の炎が呼び寄せられた。そして、それが、当たる。その直前、何かが、光った。

「いない?」

 スピナリアの姿がなかった。一体、どこに……。

「光流星!!」

 その声と共に、何かが、上から降ってくる。

 反応はできたものの、体の動きは間に合わない。光速の一撃。

 超高速の一撃をこめた拳が、落ちる速度を利用して、威力を増す。必殺の威力を孕む一撃。

 オレは、ギリギリ、横に半歩動けたが、避けきれず、右腕が砕かれた。

 相手は、地面衝突の寸前に、姿を変え、ダメージを受けるのを防いだ。さすが、変装魔法使い(スピナリア)だ。左手一本じゃ、はっきり言って格闘は全く出来ない。接近戦がくるとまずいな。

 一気に距離をとる。ここは、大魔法で一気に決めるしかない。

 スピリアナは、なにをしているのか。力尽きたのか、地面に這い蹲っている。このときを逃してはいけない。そして、終焉を放つ。

「終焉流技、漆黒の大河」

 黒き水が一気に相手に突っ込む。

「がっ!な、なん、だ……」

 が直後、左の目に鋭い痛みが。

 その後、肩やら足やらに何発かの銃弾が命中した。スピリアナが這い蹲っていたのは、狙撃(スナイプ)のためだったのか。結構なダメージを受けた。だが、奴も終わりだ。

「何とかして、佐薙ハルカを捕らえないとな」

 オレは、そう言いながら、その場を去った。


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