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雪夜の魔法  作者: 桃姫
雷の魔法――A beautiful ogre retains the intense thunder――
36/51

36話:四人の結論

 世間的(魔法使い的世間)噂で有名人で、存在するかも分からない【氷の女王】だが、その実態を知っている人からすると、見た目と噂と実態のギャップが凄すぎて、軽く現実が信じられなくなる。

 例えば、だが、俺を罠にはめて、二年ほどお小遣いをくれなかったり、手紙には名前を書かなかったり、人の眉間めがけて秒速二十キロほどの勢いで(誇張)スーパーボールを投げつけてきたり、ととにかくうざい。

 会った当初の優しさと出会って稽古をつけてもらってからの彼女の不一致具合を見ていると人間不信に陥る。

 その感覚が分かり合える、俺、ウィンディア、凛菜は、溜息を付いていた。

「おい、お前等、勝手に盛り上がってんじゃねぇよ」

 それを【黒減】が遮った。

「そんな話をしに来たわけじゃねぇからな。俺等が来たのは、高い魔力を感知したからだ。てめぇら、ただでさえ魔力が高いんだから、垂れ流すと一般人に気づかれやすくなる。気をつけろよ」

「あっ、そうだった。そう言うことなので注意してくださいね」

 凛菜がそう言って、【黒減】とともに去った。帰り際に「今度、三人でゆっくり愚痴でも話しましょう」と言っていた。


 二人が帰った後、佐薙が言う。

「あんたの師匠って、コイツの母親なの?」

「ああ、そうだけど?」

 何か言いたげな顔の三人。

「ねぇ、あんたの師匠って誰なの?」

「ワタシも知りたい」

「そうね、ショウキくん、教えてくれない?」

 俺としては、いろんな意味で師匠の名はあまり出したくないのだが。

 一つは前述のあの人の弟子だと引かれる。

 もう一つは、「そんな凄いやつの弟子なのか」、と勝手に恐れられる。

 さらに、【夜】の魔法使いの師匠が【氷の女王】なのはおかしい。どう言うことだ。

 など、と俺の秘密が暴かれるようなものなので、

「そうだな、【帝華】だよ。俺の師匠は」

「てい、か?」

「聞いたことない」

「まあ、私は元々知らないんだけど」

 と、三者三様の反応をする。

「ああ、その二つ名は、ある国の王様から頂いたものらしいですね」

 と、ウィンディアも言う。

「まあ、そんな感じで、俺とウィンディアは許婚だけど、ほら、佐薙には言ったけど、俺は、師匠に育てられてるから、どちらかと言うと姉弟……兄妹みたいな関係だと思うわけなんだが……」

 と、そこまで言うと、ユキネが一言。

「なるほど、いつものショウキだ」

 その言葉に続くように、

「ええ、いつものね」

「はぁ、やっぱりね」

「いつも、こうなのですか」

「そう」

 と四人はなにやら仲良くなっていた。


 まあ、何故かその後、俺は、四人から非難されたのだが。

 本当、なんでだ?


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