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雪夜の魔法  作者: 桃姫
雪の魔法――The snow of the silver melts calmly――
23/51

23話:翠の少女―救援

Sceneショウキ

 俺は、夜、コンビニに行くため、夜道を歩いていた。俺の家からコンビニまでは、少し遠く、大通りに出なくてはならない。そのための近道の路地を軽い足取りで、歩いていた。昼に襲撃を受けて、退治したため、もう今日は無いだろうと思ったからである。

 予想は幸いにして、襲撃は無かった。だが、何処からとも無く聞こえる、何かが殴られる(もしくは蹴られる)音に、何だろうと興味を引かれて、近寄った瞬間、俺の理性は弾け飛んだ。人が襲われている。しなの、だ。それが分かったとき、俺は、敵(と見なした)を吹き飛ばしていた。

「しなの、大丈夫かっ!!」

そして、しなのは、その言葉に、今にも消え入りそうな声で答えてくれた。

「だ、だいじょぶ。絶対に、来てくれるって、信じてたから」

 俺は、殺気立った瞳を男に向ける。俺のスイッチは、完全に切り替わった。相手が誰だろうと、殺す。

「しなの、其処に座ってろ」

「うん、分かった」

 俺は、魔法陣を展開した。足元に展開されたのは、夜の黒い魔法陣ではなく、水色と白銀の魔法陣だった。

「ふん、どこの魔法使いだが、しらねえが、今代の魔法使いはすべて能力を調べてんだぜ。誰だろうが、どんな能力だろうが、俺様が負けるわけがない!」

 そんな、馬鹿みたいな(みたいではなく、実際に馬鹿だろうが)笑い声を上げる相手に対し、俺は、呪印を開放した。

 俺の右腕に九つの水色と白銀の華が顕れる。それは、有名な呪印。多くの魔法使いが知るもの。

 伝説として、色濃く受け継がれている話。

「その華……。っんなバカな!今は、その系統は皆無だぞ!そんな、そんなわけが無い!嘘だ!嘘に、決まってる!!」

 現実が受け入れられないらしい。

「『蒼空銀舞』」

 敵の足元に咲く透き通った水色の茨が、敵の体を絡めとる。全身をに巻きついて離れない茨。そして、もう一つ魔法陣を展開する。今度は黒色の夜の魔法陣。

「ば、バカな、別の魔法陣、だと。そんなわけが無い、原則に反する魔法使いが存在するわけが無い!ありえない!ありえない!嘘だろ!信じないぞ!俺は信じなっ……」

「五月蝿い『黒劉双』」

 途中で、男の言葉を遮り、俺は、魔法を発動する。二本の黒い槍が、敵の肩を貫く。

「まて、やめろ、やめてくれ。俺は、西洞克哉だぞ!あの西洞克哉だ!」

 指名手配犯か。まあ、そんなことは知ったことではないが。

「『黒き龍焔』」

 黒き炎で相手の息の根を止めようとした。

 しかし、そうは行かなかった。

 銀色の剣が目の前に降り注いだからだ。

「そこまでだ、少年」

「チッ、『銀十字騎士団』の黒減か……」

 俺は、苛立ち混じりの声で言った。

「よく、知っているな。貴様、一体何者だ。我々でも四人がかりでやって逃げられた相手を、こうも簡単に捕らえるとは。おれは、途中で偶然通りかかったが、あの膨大な魔力。只者ではないな。しかし、お前の見た目。トップの魔法使いのどれにも当てはまらない。何者だ」

 何者、か。

「俺は、【夜】の魔法使いだよ。単なる一般の」

 俺は、自分に見合った回答をした。

「単なる?そんなわけが無いだろう。この男を捕らえられる実力、膨大な魔力。どっちをとっても一級品だ。貴様、師匠の名を言ってみろ」

 時間が無いのに、そんなことをしている暇はないんだが。

「すまないが、アイツを介抱しなきゃならないんで、急いでいる」

 しなのを見ながら、そう言った。だが、相手は、一歩も譲らないようだ。

「なら、早く言うんだな」

 仕方ない。それで解放されるなら言うか。あの人の名を。別段禁止されているわけでもないし。

「【氷の女王】。それが、師匠の名だ」

 それだけ言って、しなのをおぶってその場を立ち去る。


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