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雪夜の魔法  作者: 桃姫
雪の魔法――The snow of the silver melts calmly――
22/51

22話:翠の少女―襲撃

Sceneしなの

 ぼんやりと夜道を歩いていた。無用心な自覚はある。こんな時間に、少女が夜道を歩くのが危険で、襲われるかもしれない事を分かっていた。しかし、それ以上に、放課後に起きた、あのこと、佐薙悠が投げた謎のものについて気になって考えていた。

 だが、不意に、後ろで音がした。そのことで、思考を中断して、振り向く。しかし、其処には何もいなかった。

「気のせい……?」

 気のせいかと一瞬思ったが、間違いない。何かの気配がした。私には、気配を察知する力は無いが、動物的本能と言うのだろうか、直感で感じ取ったのだ。

「だ、誰?」

 声をかけるが、返事が無い。当たり前だろう。変質者なら、これから襲う、ターゲットに声をかけられても、返事をせずに息を殺すだろう。

 足を速めて、とっとと家に帰ろうとする。しかし、私の足音に重ねるように足音が聞こえた。時よりわざと、タイミングをずらす事で、誰かいるのか確認した。間違いない、いる。そう思うと、恐怖心がにじみ出る。怖い。怖い。怖い怖い怖い。あっという間に恐怖に埋め尽くされた。

 ガスッと言う音がしたと思った瞬間、私は地面に打ちつけられていた。転がる体を、さらに蹴り飛ばされ、ブロック塀に打つ。あまりの勢いで、おそらく、右腕が折れた。そして、気が遠のく。

 しかし、その瞬間に御腹を蹴られ、意識が傷み共に戻る。

「ぁがっ!」

 そして、また、気を失いそうになると、御腹に蹴りが入る。かなりの苦痛だ。そろそろ限界がきそうだ。死ぬ。そう、悟った。その瞬間、蹴りが入る。否、入りかけた。つま先が触れる寸前、それが、吹き飛ばされたのだ。

「しなの、大丈夫かっ!!」

 愛する人の声。愛する人の手。愛する人の全てが、今、感じられた。

 だから、私は、精一杯笑顔で言う。

「だ、だいじょぶ。絶対に、来てくれるって、信じてたから」


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