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雪夜の魔法  作者: 桃姫
雪の魔法――The snow of the silver melts calmly――
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17話:手紙――二通目

 翌日、学校へ行くと、下駄箱に手紙が入っていた。……所謂ラブレターというやつか。それとも影久あたりの悪戯か。

 どちらにせよ、ここであけるのはまずいな。

 俺はトイレの個室に駆け込んだ。さて、なにが書いてあるやら。

 ……。…………。………………。

「は?」

 思わず口に出してしまった。一瞬、内容が理解できなかった。これは、悪戯であって欲しい。と言うか、悪戯に決まっている。つーか、じゃ無きゃ恐い。

 恐怖だわ。ラブレターで恐怖するとは思わなかったわ。

 なにが書いてあったかと言うと、

「好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き……」

 ゲシュタルト崩壊するわ!

 病んでる。病んでます。病んじゃってます。なに、だれ。誰だよ、こんな手紙書いたのは。

「名前、名前、と」

 俺は、差出人の名前を探す。すると、裏にちょこんと、可愛らしい丸文字で「漣しなの」と書いてあった。


 漣しなのは、クラスメイトの女子だ。俺とは、あまり交友は無かったはずだが。まあ、一目惚れと言うのもあるしな。

 しかし、女子にはあまりもてない俺に、美少女がラブレターを出すとは思えないのだが。

 改めて、クラスで漣を確認する。大きな胸は、動くたびゆさゆさ揺れて、男子の視線を釘付けにする。細くくびれた腰。彼女の髪が、風で揺れるたび翠嵐を髣髴とさせる。そんな翠の髪。瞳は、新緑の如き深い緑。

 運動神経はそれなりに良いようで、傍目から見る体育の授業では活躍している様子が見えた。ちなみに、そのときの胸の揺れに気をとられたのは秘密である。

 また、勉強も得意であり、よく休み時間に自習している様子が見られる。そのとき、集中しすぎて徐々にノートに眼を近づけていってしまうのか姿勢が前のめりになる姿もよく見られる。ちなみに、そのとき、胸が机に押し付けられる様に気をとられたのも秘密である。

 美少女と敬称するに相応しい漣だが、そんな彼女が俺に手紙を出すとは思えない。

 そんなことを考えているうちにホームルームは終わっていたようだ。まあ、いい。


 ボーっとしていると佐薙がよってきた。

「なんだよ?」

「アンタ、成績悪いらしいじゃない」

 にやりと笑う佐薙。一体なんだ。

「なんだ?嘲笑いに来たのか?」

 ちなみに、俺が成績が悪い理由は、魔法の鍛錬と疲労、それとサボりだ。

「なんで、この展開でそうなるのよ……」

 どうやら、馬鹿にしに来たわけではないらしい。性格から考えて、そんなところだと思ったのだが、違ったようだ。

「教えてあげるってことよ。察しなさいよね、そのくらい」

「いや、いいや。勉強って人に教えてもらうのが、苦手なんだよ。それに、お前に教えられると、余計やる気が無くなる」

 佐薙みたいな馬鹿に教わるくらいなら、もっと別のやつに教わるわ。

「じゃあ、どうすんのよ」

「そうだなあ。漣あたりなら教わっていいな」

 その言葉を聞いていたのか、漣が屈託の無い笑みを俺に向けていた。

「なっ!何よ。あんたになんか絶対教えてやんないわよ!」

 そう言って、佐薙は、自分の席に戻っていった。


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