10話:黒い魔法使い
Scene Unknown
篠宮、それが誰か、分からない。しかし、オレには何故か、他人では無い様な感じがしていた。
「まあいい、これからは、お前に見張ってもらうとする。同じ学校らしいからな……」
だから、こんなことをアイツに言ったのだろう。オレの相棒という、不運な目にあっている少女、佐薙悠。ハルカは、いわば、目的が達成するまでの手駒でしかない。オレの相棒と言う立場になった時点で、それは強制だったのだ。
しかし、ハルカがあったという少年、篠宮。彼は一体何なのだろうか。名前を聞いただけで、胸が疼く。その少年の名前が分かれば、この疼きの謎が分かるかもしれない。
その次の日、その正体、真相が分かった。
電話?こんな時間に、ハルカからか。
「もしもし、情報、少しは入ったわよ」
「ほう、お前が、たった一日で、情報を手に入れるとは……。もう、雪でも降るのか?」
全く持って使えないコイツにしては珍しい。
「失礼ねっ!じゃあ、情報伝えるわよ。まず、魔法の種類は夜。闇の派生系よ」
夜……?まさか、いや、ありえない、か。しかし、聞いてみる価値はある。
「一つ聞いていない事があった。その少年の名前は、なんだ?」
「言って無かった?篠宮、篠宮翔希よ」
ショー、キ?胸の鼓動が加速する。ショーキ、オレの親友で、初恋の人だ。オレが初めて、出会えてよかったと思った少年。そうか、彼は生きていたのか……。あの時の、黒い空間。あれは……。
「ふむ?……夜の魔法?アレのことか……?」
思わず口に出して呟いていた。
しかし、彼であったとしても、今、オレのやろうとしている事の邪魔をされるわけにはいかない。彼のためにも……。




