表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

7ページ

熊のぬいぐるみは少しおもたかった。



「ここを押すらしい。」



そういって、おじいさんは熊の手を押した。



急に音が鳴り出す。誕生日のあの歌だった。おもちゃ特有の高い音で音楽が鳴りきり、それから懐かしい声がした。



「お誕生日おめでとう、さっちゃん。生まれてきてくれてありがとう。これからもずっとそばにいるから、幸せになって。」


涙が溢れた。優しい声。

あんたがいなくちゃ、リョウがいなくちゃダメなのに。

馬鹿な兄弟。

もどってきてよ。



どれも喉に引っ掛かって言葉にならなかった。おじいさんが優しく、私を抱きしめた。



「愛してる。」



カチャッ。

テープの止まる音がした。


愛しい私の兄弟は声だけ残して逝ってしまった。



おじいさんが私に言った。



「これは、幸せになるしかないな。」



私は頷いて熊を抱きしめた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ