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リョウの両親がいつも優しくしてくれたのは罪滅ぼしだったらしい。
私のために施設の近くに住み、時折、様子を見ていた。
リョウが自殺したのは、それを知ってしまったから。両親宛に、遺書が残っていた。
ただ一行、 「因果応報」と書かれたその手紙がきっかけで彼らは自首した。
私は10年ぶりに、骨になった母親と会った。面影なんてひとつもない姿に、胸にあった母への感情などひとつも沸き上がらなかった。
ただ、「ひとりぼっち」を痛感した。
リョウの葬儀と、母の葬儀は私がした。
リョウの葬儀には誰も来ず、母の葬儀には私の祖父にあたる人だけが来た。母とは縁を切っていたらしく
「知らない間に孫が生まれてたなんてな…。」
皺くちゃの顔で悲しそうに呟いたおじいさんは、母の遺骨を抱いて泣いた。
母の写真は一枚もなく、結局遺影すら置けなかった。
「一緒に住まないかい。」
祖父のその誘いは丁寧に断った。
「けど、たまに会いに行ってもいいですか。」と聞くとおじいさんはくしゃくしゃに笑った。
「これ、お前にだ。」
おじいさんは別れ際に熊のぬいぐるみをくれた。
「お前の友達からだよ。」




