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スロ~ム~ブ  作者: やあやあやあ


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3/3

エンド集1:夢、崩壊、ゲーム、復讐

ED.1 夢

俺は白昼夢を見ているつもりでその様を見ていた。俺は苦しさのようなものを感じていた。目の前で繰り広げられた強烈で唐突な出来事が、この現実から俺を置き去りにしたから。目の前で笑いかけるその男”オンリ”。「残念でした。はい。こちら参加賞になります。」彼は俺にポケットティシュを手渡した。そのポケットティシュの中に入っている紙には誰かの顔写真が印刷されていた。「敗者募集」その紙にでかでかと掲げられたそれは人差し指だった。その指は俺の顔面を指した。違う、その指は俺の脳みそを指した。違う。その指は俺の頭の中を、そこにある心を指した。違うッ!その指は俺の頭の中で想像した俺、その俺は心を心臓とを同一視していた、そしてその指は俺の心へと突き刺さる。そしてその指は俺の心臓を貫く。その心臓から血が溢れ、俺の頭の中を真っ赤に染め上げた。「ふざけるなよッ!」俺は目の前で笑っていたスーツ姿の男”オンリ”の襟元を掴んだ。しかし、次の瞬間俺は後ろへと吹っ飛ばされる。

俺は目を覚ます。「ここは...」「おい!いつまで寝ているんだ!起きろッ!」俺を起こす怒号。ああ、始まった憂鬱な一日が。俺は部屋につけられたカーテンを開けた。そこには、大きな青色のキャンバスの上には俺をあざ笑う大きな明るさがあった。俺はその明るさを睨む。「毎日、毎日笑いやがってッ!そうやってお前は笑い続けるんだ、この俺をッ!許さない。お前はお前だけは、許せないッ!」完

ED.2 崩壊

「もしもし、大丈夫ですか?」そうやって誰かが俺の心に呼びかける。(やめろッ!ふざけるなよッ!話しかけてくれるなッ!)俺の心に呼びかける声は俺の内側から湧き上がってくる、そんな声だった。だからだろうか、俺はその声に返事をすることができない。なぜなら、俺は想像ができなかったからだ。俺の心に顔があるそんな姿を。そして、その想像外の何かは俺の心に言葉を投げかけ続ける。「湯田(ゆうた)さん。大丈夫ですか?途中で急に倒れたので心配しましたよ。」その声はここじゃないどこかで俺を見下していた。

俺はあたりを見渡す。ここはどこかの商店街のようだ。俺は商店街の中にあった書店で雑誌を立ち読みしていた。その開かれた雑誌の一面には誰かの顔写真が印刷されていた。「連続殺人犯、逃亡!」でかでかと書かれたその文字はうっとしく気持ち悪かった。俺は気持ち悪くてその文字から目を逸らし、その書店を後にする。俺は商店街を進んでいた。すると、商店街の先に大きな人だかりができていることに気づいた。俺は混雑が嫌いだった。だから、この混雑を避けようとしたその時だった。「ふざけるなよッ!」俺はその言葉に戸惑う。どうして?聞き間違い?いや聞き間違えるはずがない!この声はまさしく俺の、俺の叫びだッ!俺は走り出した。俺の行く手を人混みが邪魔をする。彼らは気持ち悪く笑っていた。ニタニタ、とこの俺を見続けて。「どけっ!邪魔だッ!」その言葉があたりに響いた。その瞬間、俺の周囲の人影が消え失せた。そして、俺の目の前には...

僕の気持ちは不誠実で不明瞭だ。期待にも応えられず、なのにいつもこの僕の中でみっともない姿でくすぶっている。「恥ずかしくないの?」僕は問いかけるがその言葉は返ってこない。そうだよな、お前は耳なしだもんなッ!僕は諦めた。そして捨てることにしたんだ。

俺の目の前には俺が壁に磔にされている姿があった。俺は何が何だかわからないでその姿を見ていた。「彼はそこで苦痛に歪んでいる。そして、そんな彼を追い立てるように天から光が舞い降りた。その光は彼を、焦がしていく。」俺の気持ちの崩壊が始まった。 完

ED.3 ゲーム

「それでは最初にあなたに最近起きた印象深い出来事は何ですか?」僕の気持ちは不明瞭で不誠実だ!「特にないですよ。」「本当に?」目の前にいる女は俺に問いかけた。「えっと、最近起きた印象深い出来事はカメレースです。」「カメ...何ですか?」「えっと、カメレースです。」「えっと...」「ですから、カメレースです。」「カメレースとは?」「それは命がけの駆け引きです。」

連続殺人犯を私たちはようやく逮捕した。しかし、私たちにとっての正念場はこれからだ。私たちは何としても聞きださなければならないッ!手段を、そして動機を!彼は商店街の片隅でうずくまっているところを発見された。発見時、彼はうわごとのように何かを呟いていた。「フフフ、我、いや私、いや僕、いや俺、フフフ...」

「それは命がけの駆け引きです。私たちは強制的にこのゲームに参加させられます。そう、それがこのゲームの存在意義なのです。」ようやく話し出した彼、彼は顔に気持ちの悪い笑みを浮かべながら話し続ける。「地面に二頭のカメが並びます。私たちはどちらが先にゴールするのかを賭けます。そして、私たちがそのレースの結末を見て一喜一憂するゲームですよ。」私たちはいぶかしんだ。このゲームのどこに命がけの要素があるというんだ?「俺はこのゲームが好きで好きで何度もやりたいと思っていたんだ。だけど、このゲームはおひとり様一回こっきりだろ?」彼の声色がどんどん明るくなっていく。「そう、俺は考えたんです。このゲームをコンティニューする方法を!そして俺は成し遂げたんだッ!」その瞬間、彼の顔面が裂けた。周囲が彼の血で真っ赤に染められた。蚊帳の外で私たちは茫然とその様を見ていることしかできなかった。完

ED.4 復讐

そうだッ!これは復讐だ。俺は彼の首を絞める。「何をするんですかッ!」「うざかったんだよッ!お前の存在がッ!」「やめてください、やめて、やめろッ!」俺の体は押しのけられる。俺の体が壁に押し付けられた。その時だった。この話を思いついたのは。

「おいおいッ!何突っ立ってんだ?早いことインタビューを始めようぜ。俺の貴重な時間が無駄になっちまうからなッ!」僕は深呼吸をした。「では、さっそくインタビューをさせていただきますね。それでは最近起きた印象深い出来事は何ですか?」「それは、カメレースだ。」「カメレース?」「おやおや?まさかご存じでないのか、インタビュアー?あのスリリングなエクストリームスポーツ”カメレース”のことを!」彼は僕の神経を意識的に逆なで続けている。「すいません。知らないです。ぜひ教えてください!」「いいのか?聞いてしまえばもう後には戻れないぞ?」いいから早く話せよ。もう僕の心には余裕の”よ”の字もなかった。彼は話し出す。その瞬間、僕の視界の隅に動く何かがあった。何だろう?「おい、聞いているのか?」その声で僕はハッとした。そして僕は彼にもう一度向き直る。彼は話し続ける。カメレースその顛末を。その話は荒唐無稽の作り話のようだ。その話はあまりにも現実離れしていた。僕はここまで話を聞いてきて全く収穫のないインタビューなんて初めてだと思った。そしてもう僕は、この男からインタビューをする気が失せていた。僕は適当な言葉で誤魔化して、この場を後にしようと考えた。その瞬間、僕の目の前に飛び込んできたのは二頭のカメが並んでいる姿だった。僕は戸惑う。「おい!何やっているんだ。」「はやく開始しろッ!」「俺はスピちゃんに賭けるぜ!」「いや、私はくうちゃんに!」「我はわかる!今度こそくうちゃんが勝つと!」気づけば僕は周囲を取り囲まれていた。そして、僕の服はへんてこな風貌の服に、そして首からはホイッスルをぶら下げていた。「こちらをご覧ください。どちらが勝つと思いますか?」(僕は口から勝手に出た言葉に衝撃を受けた。その言葉は僕のものではなかった。響きも声色も全く違う。まるでこの口が誰かのものになってしまったかのようだった。)

俺は彼の困惑に満ちた表情を見た。俺の心を筆舌しがたい嬉しさが満たしていく。その感情はまさに高揚。俺はその高揚にあてられて笑い出す。「アハハハハハハハ!」彼は俺の用意したこの復讐の舞台に自ら足を突っ込んだ。その様が滑稽だからだろうか?それとも、この白昼夢と現実が結びついた、待ちに待った今に感動のようなものを覚えているのだろうか?違う。この時、俺は再確認する。この俺の心に流れている行き場のない憎しみを!この目の前の男の顔面に深々と突き刺さっていたはずの指は俺の心に引っかかったままだッ!彼の声はその引っかかった指を意識させたッ!彼の他人行儀な敬語がかえって俺に傷をつけ貶めたッ!俺の高揚が、暗く淀み、確かな実感を伴う意味へと変わり俺の心を鷲掴みにした。俺は笑う。その笑みは彼にどう見えるだろうか?そんなことを考えている俺とは裏腹に、目の前で彼は意気揚々と宣言した。「今から第八回カメレースを開始します。栄光を掴むのはどっちだッ!」 完

読んでくださってありがとうございます。

お待たせしました。こちらスロ~ム~ブ最終回前編です。

マルチエンドになってしまいました。


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