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第3話 れいかい
電車でどこかへ向かっているところ。
誰かが僕の靴を踏んで僕はよろけた。
駅だ。
自動ドアが開き、僕はホームへ倒れこむ形になった。
「遅れちゃうよ」
駅員に相談したら、「3階の4番ホームに上がりなさい」といわれた。
夜だった。
エレベーターの中も暗闇で、僕はどこかのボタンを押しました。
「0階です」
0階……?
見ると僕の前には小さな少年がたっていた。薄気味悪く生々しい、にたにたとした笑みを浮かべながら――。
慌てて1階を押す。「他の階へは、現在、行けません――」。
そこで目が覚めた。
僕は思う。
0階を、人はれいかいと呼ぶ。
れいかい。
ホラー読者のあなたなら、聞きなじみのある言葉ではないだろうか。