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⑪ナゾ解き部結成!

翌日、自習時間にロビーを調べてみた

と、言ってもメイドさんや内通者の眼があるかもしれないのであくまでさり気なくだ

勉強の合間の気分転換を装って腕を伸ばしながら上を見る

…ただの火災報知器だよね?普段意識して見てないからなんか変なとこがあっても分かんない




昼食後、私と玲子さんと藍ちゃんの『ナゾ解き部』は中庭に集まって互いの成果を確認したが、二人もこれといった不審な点は見つけられなかったみたいだ


「釣果ナシね」

「うーん、そうだね」

「あの…」


途方に暮れてしまった私と玲子さんに向かって藍ちゃんがおずおずと口を開く


「もし玲子が言うように夏帆さんや黒瀬さんが内通者なら自分が着ている服にカメラとか盗聴器を仕組んでいるってことはないかな?」

「「え?」」


…確かにそのセンはあるかもしれない

わざわざ部屋に仕掛けるよりもそっちの方が確実に映像や音を拾える


「なに見てんの?」


考えている間に二人がじっとこちらを見ていたことに気づいた

…もしかして


「私に調べさせようとしてる!?」

「この中だったら綾世さんが一番適任じゃない」

「綾世ちゃんお願い!」


え~!言いだしっぺの藍ちゃんがやってよ

大体どうやって服を調べるんだよ。次会った瞬間にハグするのか?帰国子女か!?いや、帰国子女でもそんなことしないわ!


「なに躊躇してるのよ?綾世さんなら夏帆さんと触れ合うくらい今更簡単でしょ?黒瀬さんだって貴女のこと気に入ってるみたいだし」

「え?綾世ちゃんって黒瀬さんとも…?」

「ねぇよ!!」


初めて藍ちゃんに口汚く突っ込んでしまった

キラキラした目で見てくるんじゃない!自分の時はめちゃ怒ったのに人の三角関係は好物なのかよ


「この際だから言っておくけど、私と夏帆はべつに付き合ったりしてないから!もちろん黒瀬さんとも付き合ってない」

「つ、付き合ってないのに関係を!?」

「それも違う!」


そのあとも二人に説明したが、いまいち信じてくれてないみたいだった

夏帆を自分の部屋の床に寝せただけでまさかここまでの誤解を生むなんて…

百合脳を説得するの難しすぎ…




所持ポイント:100


結局、私が夏帆と黒瀬さんを調べることで押し切られてしまった。

二人はメイドさんを調べてみるって言ってたけど、どうやって調べるのかな?

メイドさんの部屋は寮生の部屋と違って鍵がかかるみたいだし…


自分の部屋のベットで作戦を練ってみる。まぁ確かに夏帆の方が調べやすいよね

夏帆から調べることに決めた私は彼女の部屋に向かう。一応作戦も考えてある


「綾世っ!?最近、藍ちゃんと玲子とばっかりイチャイチャしてたから寂しかったよ~」

「イチャってないから」


夏帆はいつものニカっとした笑顔で私を部屋に招いてくれた

彼女はベットに座り、横をぽんぽんと叩いた

普通ならそんな誘いには乗らずに椅子に座るが、今回は作戦の為に彼女の隣に座った

まさか私が隣に座るとは思っていなかったのか、彼女は大きく目を見開いた


「あのさ…」

「う、うん」


なんで緊張してんだよ

やりにくくなるだろ


「今更だけど、ピクニック開いてくれてありがとね。あれってみんなの雰囲気が悪くなったから提案してくれたんでしょ」


この言葉は本心、だけどここからは作戦


「んーまぁ元々はボクが綾世の部屋で寝ちゃったから不穏な空気になったワケだし」

「あれさ、未だに藍ちゃんと玲子に誤解されてるんだけど」

「ボクからも説明しよっか?」

「それよりさ…」


隣の夏帆にいきなり抱きつき、そのまま押し倒す


「ウワサ…本当にしちゃおっか?」

「あ、綾世?」


これが私の作戦

いつも揶揄われていることへの仕返しも兼ねている

抱きついてボディチェック、最後には舌を出してネタバラシ

夏帆は私と同じくらいの体形だし、今は私が上に乗ってるからヤツが万が一本気になったとしてもそういうことは起こらないだろう


「ま、待って!」


とりあえずなにか服に仕込んでいるとしたらポケットだろう

内ポケットも含めて弄ってみたがなにも見つからない


「ん~っ」


じゃあもしかして身体に仕込んでる?夏帆のクセっ毛を触ってみるがおかしな感触はない、じゃあ耳?なにか施設からの指令を聞いてるとか?髪でよく見えなかったので息を吐いてなびかせたが、やはり変なモノは付けていない、だとしたら口の中?


「…………っ」


ここでようやく夏帆の異変に気付く

押し倒してから初めて見た彼女の目を見て、私の動きは止まった

彼女とは目が合わなかった

真っ赤な顔をしながら首を軽く背けて目を閉じていたからだ




思ってた反応とちがーーーう!!




お前以前に私のことさんざん揶揄っただろ!攻められるのはニガテってヤツ?先に言ってよ!自己紹介の時言ってよ!


私の手が止まったからなのか、夏帆はうっすら目を開いて私を見た

彼女の衣服は私が弄りまくったせいで完全に乱れており、胸元からはちらっと下着が見え、汗ばんだ身体はどうみてもここから始まるようにしか見えない

本当にウワサが本当になっちゃう!!


「「……………」」


お互いに無言で見つめ合う

こっからドッキリでしたって言えなくない?

まさか綾世に一杯喰わさられるとはな~ってニカっと笑って言ってくれる雰囲気じゃないよね?

完全に想定外だった。夏帆がその気になってくる警戒はしていたが、こんな反応は予想してなかった


「ごめんなさい!」


沈黙に耐えられなくなってしまった私は、夏帆から降りてそのまま走って逃げた

最悪な選択なのかもしれない。けれどこの選択肢以外思いつかなかった




自分の部屋に戻り、体育座りで先程の軽率な行いを反省する

明日からどうやって接すれば良いんだよ…

反省はしてる。反省はしてるけど、どうしてもさっきの夏帆の蠱惑的な表情が頭に過る

そういえば、彼女のキス事件でのアリバイってなんだっけ?確か目隠して拘束した相手に軽いキスをするような感じじゃないってだけだったような…

軽快を装っているけど実は奥手だったとしたら?揶揄っているようで実は私の様子から本心を探っていたとしたら?

お読み頂きありがとうございます!感謝感激です!!




ブクマと評価して頂けたら100メートルくらい飛び上がって喜びますのでどうかよろしくお願いいたします!!

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