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9-9 嘘つきと追跡 ①
白い国 9-9 嘘つきと追跡 ①
シャッターを開き、中へと入ると少しひんやりとした温度感と、外気との湿度の差も感じる。灯りのない暗がりで、再び捜索するのは至難の技だ。故にまた、壁沿いに灯りの所在を探しては、慎重に進んで行く。
コツンとぶつかる何かに、ハッとしつつも、電源の所在を当てる。
カチッとスイッチを下げると、接触の悪い白熱電灯が、ぼやぼやと点く。
すると中には話に聞いた、木製の屋台に緑、白、赤のペイント、緑の背景の看板に白い文字で塗られた「ビバ タコス」の文字が見えて取れる。
見た目からの情報では一言。派手だ。
看板などはお手製感が満載だが、近くで見ると、存外しっかりとした作りで、そう簡単に壊れそうにはない。
屋台の内部を確認するために、中を開いてみれば、残した食材や、少ない料理器具があるのみ。
念には念を入れ、中に入ってはタコスの生地の一つ一つまで詮索したが、これといって確たる証拠は掴めなかった。
分割につき、19時には最終投稿を終えている予定です!
ご承知ください。(*- -)(*_ _)ペコリ




