砂籠の乙女5
「……ところで、どうやって檻を開けるつもりです?」
室内からじゃ解らないが、外はもうずいぶん暗くなった頃だろう。
見張りはアレから何度か交代し、今は酒瓶を片手にふらふらしていたり、眠そうな顔をしていたり──キッカたちの前にどれだけ同じことを繰り返してきたか知らないが、いつも通りの仕事に緊張感の抜けきった男が二人いるだけだった。
「また騒いで開けさせるんですか? それじゃあ、すぐに捕まってしまうと……」
「さすがに、あれだけ気を抜いているのを、わざわざ騒いで注意引いたりしないよ」
──そろそろいいか。
キッカが檻の前ににじり寄ると、背後から視線が刺さる。
振り返ると、女達がこちらを見ていた。
表情は強張っているが、皆キッカの伝言を聞いて、前向きに覚悟を決めてくれたらしい。不安そうな女は、カベルネが説得してくれていた。
(逃げるの嫌だって言われたら、担いで行かなきゃだもんな)
自分たちでどうするか決めるよう促したが、実際、キッカに自主性を尊重する気は甚だない。
手間が省けるだけで、やることは変わらないのだった。
唇の前に人差し指をあて、沈黙を促す。
女達が頷くのを見て、キッカは前に向き直り、スカートをぴらりと捲った。
そこからもぞもぞと、キッカの身体の線とは別に、動くものがある。
やがて蠢く塊は、キッカの足から這い出し、地面に降りた。
「ま、──!」
近くにいるジゼルには、キッカが何をしているか見えたのだろう。
しかし、自分で口を塞いで続く言葉を飲み込んだ。目だけ真ん丸にして、柔らかい塊を見下ろしている。
キッカのスカートの中から這い出たスライムは、そのままノタノタと檻の中を這い、格子を這い上がり──
──キィ
微かな音を立て、檻は簡単に開いた。
牢の中に緊張が走る。
しかしキッカは飛び出すでもなく、僅かに開いた格子をそのまま、スライムの動向を見守っているので、背後の女たちもそれに倣った。
スライムはゆっくりと、船を漕ぐ男の足元へ這った。
そうして足先に触れたかと思えば、そこからは、瞬きの間もなかった。
スライムは男の身体をスルリと這い上がり、首を絞め上げた。万力のような力であった。
男は声を上げることも出来ず、沈黙の内に意識を失った。
「あの……」
キッカが声を上げる。
酒瓶を持った男が檻を見るが、仲間の様子には、気づいていないようだった。
「その人、具合悪そうですけど、大丈夫ですぅ……?」
そうして指したのは、ボロいテーブルに突っ伏した男だ。
スライムは既に、身を隠した後である。
言われて気づいた男は、酒に染まった赤ら顔で、「オイ寝てんじゃねーよ。チクんぞ」と、その肩を揺さぶった。
──あとはさっきとまったく同じことが起きただけなので割愛する。男は地面に沈んだ。
「……じゃ、行こっか」
キッカが立ち上がって振り返る。
誰から見ても見事な手際に、女たちはポカンと口を開けて、少女を見た。
隣のジゼルも、塞いでいた口から手を離した。
「まも、魔物じゃないですか!?」
「まあ、貴族のご令嬢ってよく愛玩動物を飼うらしいから……」
「それで誤魔化せると……ッいえ、はいまあ、わかりました。じゃあ、檻はどうやって開いたのです?」
「? 半流動体なんだから、錠の中に体を捩じ込んで、捻れば、開くでしょ?」
「そんな、当然のような顔されても……半流動体のペットがそもそも珍しいので……」
ジゼルは、「珍しいというか普通は無い」という顔をしたが、それ以上何も言わなかった。
今がどういう状況か、理解しているのだろう。
キッカはジゼルの目を見上げ、「秘密ね。退治されちゃうから」と笑った。
ジゼルは暫しの逡巡のあと、頷いた。
女達は少し迷ったが、カベルネが発破をかけたこともあり、キッカが担ぎ出さずとも、皆檻を出てくれた。
地下を出るのは簡単だった。何せ、檻のある部屋と地上を隔てる階段に鍵はなく──そりゃ檻に鍵がかかっているのだから必要ないだろうが──容易に上がることが出来たのだ。
とはいえ、ここからが難しいのだが。
閉じ込められるまでの間、殆ど荷馬車で進んでいたので予想は出来ていたが、地下に比べ、地上は広い。
つまり、見晴らしがいいのだ。
元は探鉱でも在ったのだろうか。主要な道が広く通り、そこから細い道が、蜈蚣の手足のように、いくつも横に伸びている。そして出入り口は、蜈蚣の頭か尻の部分だろう。
(隠密には向かないな……)
強行突破する気はないので、キッカは周囲の気配を探りながら、舌打ちしたい気分になった。
他にも出入り口が無いわけでもないだろうが、生憎と、キッカはその場所を知らない。
馬車に乗っている間も意識はあったので、傾きである程度道順は記憶していた。
でも、それだけだ。
便利な魔術を持たないキッカに、それ以上のことは解らない。荷馬車の進んだ道は、この見晴らしの良い通りだ。まあ、あちらは隠れる必要がないのだから当然だ。
「驚きました……従魔をお持ちでしたのね……」
いつの間にかすぐ後ろにいた魔族の女が、吐息混じりに囁いた。
「従魔じゃないよ」
キッカは答える。
じゃあ何? と首を傾げた彼女は黙殺した。
そこら辺の事情は語り出すと長いのだ。
ラームスには以前、従魔とぼかして答えたが、魔族相手じゃ違和感を感じる可能性が高いだろう。
従魔だろうが、風属性の魔力を魔物に注ぐことができるのは、異常なことなのだ。
「こっちで合ってるんですか?」
ジゼルが潜めた声で尋ねる。
「うん。少し遠回りはしてるけど──」
流石に道のど真ん中を歩いていたら、直ぐに見つかってしまう。
なので、人の気配がしたら横穴に入り、居なくなるまでやりすごしたり、また、広い道に通じていそうならそのまま進んだりと、文字通り横道に逸れつつ進んでいるので、多少時間はかかる。
ふ、とキッカは振り返った。
隣のジゼルが、怪訝な顔で「なんです?」と一緒に振り返る。視界には、不安そうな顔の女達が映るばかりだ。
そんなジゼルに視線を戻し、キッカは口を開いた。
「ジゼルさん、先に進んでもらっていい?」
「え? 何故です」
「ここの広い道を真っ直ぐ行けば、外に出られると思う。暫く人はいなさそうだけど、万が一何かあったら、そこの魔族のおねえさんが矢面に立てば隙は作れると……おねえさん強い?」
「いえ……ワタシは、戦闘向きでは……」
「らしいから、危ないことはしないでね。それでも、おねえさんの情報が回ってれば、多少は脅しになると思う。姿見せるだけで、少しの間は膠着状態に持ち込めるんじゃないかな」
「それは、どういう……」
「流石に出入り口は見張りがいるだろうなぁ〜…見つからないように、そこで待っててもらっていい?」
──あと、コレ。
狼狽えるジゼルの質問には答えず、キッカは一人、ツラツラと言葉を並べ立てていく。
そうして、一本の短刀を、ジゼルの両手に握らせた。
「ジゼルさんに、持ってて欲しいの」
「? いつの間にこんなもの……」
「なるべく離さないでね。コレがいれば、そう危険な目には遭わないと思うから」
「コレがいれば……?」
ジゼルが疑問を呈すると同時に、ナイフから小さな触手が、両腕のように生え、呼応するようにぶんぶん振られた。
「……ア"!?」
その正体に気づいたのだろう。ジゼルは小さく悲鳴を上げた。
短刀を握る震えた手を、キッカはそっと、両手で包み込んだ。「お願い」
「気持ちはわかるけど、安心して。悪さは……まあ、ほんとに危ないことは、多分しないと思うから。リスクが避けられないなら、丸腰でいるより、コイツを掴むリスクを取ったほうがいいと思うの」
「安心できる話じゃないんですけど!?」
ジゼルは混乱で泣きそうになりながらも、結局は唇を噛んで、コクンと肯いた。
こんな場所にいても、最終的には感情に囚われず、キチンと最善の判断とっている。理性的な人だ。そう心配はいらないだろう。
あとは、まあ、聡い人だから、
(──状況を察したのかもしれない)
キッカはジゼルの背中を優しく叩き、先を促した。
自分はそのまま、道の半ばで立ち止まる。
ジゼルたちは運が良ければ、助けに来た兄達に見つけてもらえるだろう。
そうでなければ、わたしが片付けてから、合流すればいい。
「──イイコにしてろつったろォ〜が」
背後から、間延びした気怠い声が聞こえた。
キッカは上目遣いに振り返る。
「えぇ〜? わたくし、生まれてこの方、ずっと良い子でしてよ?」
相手を見留めると、しなを作って、可愛らしい声で反駁した。
数刻前に見た男が、少し離れた道の先に、眠そうな目をして立っている。
キッカは驚きはしなかった。
コイツが避けられないと思ったから、ここで立ち止まったのだ。
男は、ゆっくり歩いて近づいてきた。
「他の女はァ?」
「知りませんわ。とつぜん連れ出されて、気づいたらみぃんな、いなくなってましたの!」
「ほ〜ん」
会話をどこまで引き伸びせるか、と一瞬考えたが、無駄なことだろう。直ぐ思考を切り替えた。
本音を言えば、ディスカードたちの助けを待ちたい。
が、来るかどうかも解らない以上、その案は現実的でないし、変に長引かせても、先に行かせたジゼルたちが気懸かりだ。
──それより、目的のためにも、己のためにも。
一番少ない仕事で、片が付く方法はなんだろうか?
男は、キッカの目の前で立ち止まった。
その身長差はあまりにもあからさまで、キッカは怯えたように身を竦ませた。
男は欠伸を零しつつ、後ろ頭を掻いている。
──なんの警告も、前兆もなく。
男の爪先が、キッカを腹から蹴り上げた。
そうして浮いた身体を、続けて真横に蹴り抜かれ、軽い身体は、いとも容易く吹き飛ぶ。
(…………容赦ねー…)
吹き飛ばされた先で、破れた麻袋が撒き散らす粉塵にもうもうと巻かれながら、キッカはぼやいた。
引っ繰り返った姿勢のまま、呆れたように空を見る。
実際、どの程度のものなのだろうか。
流石に、ディスカードやレックスほどではないだろうが。でも、賊の中では一番強いのだろう。周囲の反応がそう言っている。
何より、暴力の優秀さに関して言うなら、昼間の男と比較にならないことを、身を持って理解した。
檻の中でキッカを蹴飛ばした暴力は、思考の伴わない、感情に任せたただの脅しだった。
しかし今対峙している男は、脅しは脅しでも、完全に精神を折るために暴力を奮う。ある程度の身体活動は封じておこうとするような、容赦のない暴力だった。
流石にまだ商品として認識はされているようで、麻袋の上に蹴り飛ばしたのはわざとだろう。顔にも手を出されなかった。
とはいえ、風属性でなければ、血を吐くぐらいはしてる。
ここまでは予想通りだ。
問題は──
(……? 近づいてこない)
倒れたキッカを運ぶなり、追い討ちをかけるなり、とにかく始末するわけでないのなら、次の行動は「近づく」だろう。
キッカは、そこで仕留めるつもりでいた。
一番少ない仕事で、事が片付く方法──結論、一撃必殺。
気を抜いて接近してきたところを一発で沈める。そう決めた。
でも来ない。
粉塵が晴れていく。
薄く片目を開くと、塵の向こうの離れたところで、男が煙草に火をつけるのが見えた。
「──風属性か」
それを聞いて、キッカは諦めた。
何もなかったように立ち上がり、土埃をパンッと払う。
男と眸が合った。
「そっちは火属性かな」
キッカは最早隠す気もなく、男を視た。
男は、質問には答えず、口角を上げる。
「久々に会ったぜェ、視えるヤツ」
口調は軽薄だが、その眼差しにはこちらの一挙一動を見逃さない警戒があった。こんなに愛らしい見目の少女に対して、失礼な男だ。
キッカは首を傾け、ガラの悪い仕草で、男の顔を仰ぎ見る。
「従軍経験でもあるの?」
「……なんでだよ」
「自分と異なる属性を、よく知っているようだから」
戦いのある場所にこそ、そういう力は集まりやすい。
あのたった数瞬の反応で、こちらを風属性と察するだけの経験があるならば、自然、日常でそれと対峙している可能性が高い。
言動は巫山戯ているが、対してその目は冷静で老獪だ。少年から青年へ至る途中の形容し難い雰囲気も相俟って、不気味なアンバランスさを感じる男だった。
「あ"〜…? 貧民窟のガキが徴兵されるほどでかい戦なんて、最近はねぇだろ」
「じゃあなんでわかったの?」
「聞いてどうすんだよ」
「今後に活かせるかなって」
「ハッ……今後があると思ってンのがめでてーな」
男は、吐き棄てるように笑った。
「ま、でも確かに買い手がつかねーか。見た目で愛玩用と思ってたけど、オマエみたいな強えー女、誰も欲しがらねェもんな。つって戦闘力を買われたところで、奴隷は僻地の戦場に──」
「ゴチャゴチャ煩ぇ。質問にだけ答えろ」
言葉を遮ったキッカに、にやついていた男の口許が、真一文字に結ばれた。
そしてすぐ、より深く、口角が上がる。
「ワハ。どれが地雷だァ?」
「…………」
「ま、いーぜ」
男は、スッと左の掌を上げ、長い指を折った。
「まず──」
男が言うのと同時に、キッカは地面を蹴った。
視界の端に赤い線が走るのが見え、空中で身体を捻る。剥き出しの岩壁に横様に着地すると、その反動を利用し、男の顔面目掛けて片足を振り抜いた。
しかし、男は「うおっ」と一つ声をあげ、それを避けた。
大した反応速度である。
キッカの足は獲物を失くし、ダンッ、という打音に続けて、抉れた岩壁が、ガラガラと音を立て地面にこぼれた。
「……とんッでもねーな……」
男は相変わらず笑みを浮かべていたが、当初の余裕は崩せたようだ。額に冷や汗が浮かんでいる。
キッカはそれを見ながら、足を振って、礫を払った。
「不意打ちも効かねェし……バケモンかよ」
「左手を出されたら右手を見ろ……基本だろうが。おうちで教わらなかったのか?」
「とことん可愛くねーなオマエ。詐欺師の才能あるぜ」
男はまた、片手を上げた。
身長に相応しい、大きな掌だ。
「目を瞑らないとこだろ。あと、防御しないとこ」
「……それだけ?」
今度こそ望んていた答えであったが、思っていたより些細な理由で、キッカは目を瞠る。
「それだけってレベルの違和感じゃねェよ。オマエみたいなバケモンは知らねーだろうけど、人間の反射って優秀だからな。吹き飛ばされるまでずっとこっちを見てンのは、異常だぜ? 普通は身体が急所を庇う動きをするか、強ェ奴でも、少しは筋肉が動く。
それをなんの気負いもなくやれずにいれンのは、だいたい、自分の体を盾代わりにしてきた風属性の癖だ」
「……なるほど」
納得がいった。
ある程度魔力のコントロールが出来る風属性なら、自分の身体を魔力で覆う。強くなりたければ、まずそれが手っ取り早いので。
そのため、ちょっとやそっとじゃ傷を負わなくなる。例えば、ナイフの攻撃に、咄嗟に己の腕を差し出したりする。避けるでも、道具を使うでもなく、己の身体を使う。でもそれは捨て身というわけではなく、己が防具として最適だから、そうしているのだ。
実際、キッカは蹴り飛ばされた程度では、無傷であった。
「降参する? わたしは、ここから全員出してくれれば、それでいいんだけど」
まあディスカード達がどうするかは知らないが、それは言う必要ないだろう。
「余裕だなァ」
男が言い終わる前に、再び赤い軌道がキッカの足下を薙いだ。
再び跳んで避けるが、赤い線は形を変えて、その足に追い縋る。
天井に片足を着き、方向を変えると、熱が足を撫でる感触がした。つい舌打ちが漏れそうになる。お嬢様はそんなことしない、と頭の中で言い聞かせて耐えた。
元を叩いた方が早い。言葉を発する前に絞め落としてやろうと、キッカは男の首へ脚を撓らせるが、その動きを読んでいたのか、そこら辺の木箱を間に打ち上げられ、間一髪で避けられた。
速さはこちらが上のはずだが、どうも簡単に行かない。
こちらに猛スピードで突っ込んできた木箱は、取り敢えず蹴り壊し、足を地面に下ろした。
「オマエより強い風属性なんて、アホほど見てンだよ」
そのようだ。
風属性の戦闘パターンをある程度──いや、かなり把握してる感じがする。
攻撃は常に距離を保って。決して直接攻撃を受けない。
こんなに身体の軽い少女の蹴撃を、徹底的に避けているのがその証拠だ。
男の手にあるのは、煙草に火をつけるための点火器一つだけ。
キッカは足下に視線を落とし、思った通り、焼き切れていた沓下を見て、顔を顰めた。
──やっぱ炎か。
避けておいてよかった。個人的な感覚だが、切り傷よりも火傷のほうが、跡を消すのが大変な気がする。
砂漠の軽装が仇になった。夜の寒さを凌ぐ外套は、檻に入る前にみんな取り上げられてしまったのだ。アレがあれば多少違ったろう。
「でも、お前よりわたしの方が強い」
キッカは淡々と答えた。
自分より強い風属性なんて、そりゃいくらでもいるだろう。
しかし純然たる事実として、今目の前の男よりも、自分のほうが強い。
「……ホンット可愛くねー。花街の女じゃねェだろ? どこで拾ってきやがったアイツら……身体もマニア向けだし、愛想もねェ。服装見りゃ金があるのはわかるが、オメーみたいな人間がお貴族ごっこやってるッてンなら笑えるな」
「笑える?」
「手も、足も、傷ひとつねェ。大事にされてきたんだなァ? 自分のガキが、人を殺せるバケモンとも知らずに──」
男の言葉は途中で切れた。
キッカは一瞬、頭が真っ白になって、気づけば一足で男の目前まで迫り、その頭蓋に拳を食らわせていた。
武器をジゼルに預けたのは、英断だったかもしれない。
男も流石に反応しきれず、膝をつく。
直ぐに昏倒しなかっただけ大したものだろう。ただ、暫くは立ち上がれない筈だ。
「邪魔。退け」
焦点のあっていない目を、一瞥で見下ろし、キッカはその場に背を向けた。
身体が熱を持つ反対に、頭は酷く冷めている。
(──ちがう。わたしは、キッカ・ハイネンヴァルト。侯爵家のご令嬢で、学校に通ってる、普通の女の子で、今だってこれは学校の行事で……)
わたしは何も知らない。
血を流したことも、流させたことも。
誰の心臓も止めたことのない。
柔く弱く愛らしい、ただの少女だ。
感想とてもとても嬉しいです。ありがとうございます。
知人には気恥ずかしくて小説のことを話していないので、こうやって知らない人が自分の小説を見て、何かしら刺さってくれると、「わたしと好きが同じ人いるんだ……!」って感動します。
感謝感激。




