お願いと異世界転移
―――――――とある神社
ゴウゴウと嵐がふきめき、更には雷が所々鳴り響く中一人の少女は神社の御神殿に来ていた。
少女は、とても幼くボロボロの服装を纏い全身からはかなりの出血をしていた。
ヨロヨロと一歩一歩力を振り絞って階段を登り切る。
「ハァッ ハァッ ハァッ………クソッ! クソッ! なんでまた私だけこんな目に合わなきゃいけないの?」
そう愚痴りながらも少女は黙々と賽銭箱にわずか1円玉を入れた。 そして…
「お願い!教えてよ!なんでこの世の中クソみたいなことばっかなの?なんでそれを神様は助けてくれないの?ねぇ!」
そう叫びながら少女は見えもしない神様に向かって自分の疑問をぶちまけた。
「ハァハァ…帰ろ…まぁ、といっても帰る場所ないしね」
「あーあー、もう人間なんかと会いたくないよ…」 グスッ
泣きながら少女はそういった。
――――――――その少女の一部始終を不思議なオーラを纏った何かがこっそり見ていた。
「…これはこれは凄いお願いごとだねぇ…」
―――――――――世界も少女もこれから何が起こるなんて知るよしもなかった。
次の日、何かの手によって、少女以外全人類が異世界へ転移された。
……少女の楽園が作られた瞬間であった。