表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/24

3

けれど、


 パンッ


…銃の音が、鳴り響いた。


その十秒後、八代は倒れた。


「やっ八代っ!」


慌てて狩紅が息子に駆け寄る。


「―大丈夫ですよ。ただの麻酔弾ですから」


いや、麻酔弾はただの、とは言えないだろう?


呆れながら振り返ると、声の主が銃を構えた姿で立っていた。


「にしても、連絡はあれほど怠るなと言い聞かせていたのに、何をしているんですか? 魅古都」


「悪かったわよ。相手が古株だと思って、油断してたわ」


霞雅美は険しい表情で、近寄ってきた。


しかし後ろにチラッと視線を向ける。


「―では、後のことは頼みますよ」


影の中から、数人の男性が出てきた。


顔付きからして、闇に属するモノだと分かる。


彼等は黙って頷き、別荘の中へ入って行く。


コレで人質は解放されるだろう。


ほっと一息つくも、まだ残りの問題があった。


「…とりあえず聞いておくけど、古株のあの人と彼等、無事では済まされないのよね?」


「当たり前じゃないですか。よりにもよって、あなたをわたしから奪おうとするなんて、命知らずも良いとこですね」


…アタシもそう思いました。


「まっ、八代に関しては自業自得ね」


彼は父親の腕の中で、眠っている。


次に眼を覚ました時には、生き地獄が彼を待っている。


「ちょっと失礼」


霞雅美は八代の体に触れ、上着のポケットからスイッチを見つけた。


「あー。爆弾の…」


そう言いつつ、霞雅美から距離を取る。


「ここはとりあえず、爆破しときましょう。人質にも記憶を操作してから、帰すことにします」


物騒な言い方だが、それが一番良い方法だろう。


アタシや霞雅美の痕跡は、何一つとして残してはいけない。


全てを闇に葬り去るのが、一番良い。


「狩紅八崎さん、貴方には聞きたいことが多々あります。ご同行、願いますね?」


「…ああ。分かった」


霞雅美の言い方はまるで警察みたいだ。


しかし連れて行った後、彼等に与えるのは罰だけ。


もう二度と、彼等は表の世に出ることはないだろう―。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ