2話、袴の不死者と作戦会議~マーガレット~
僕がたけられた後、ラピス達についていき、到着した場所はブラッドガーデンと言う吸血鬼の城を中心とした城下町であった、城壁は乱雑な作りであったが街はとても活気に溢れ、さらにブラッドガーデン付近にはもう一つ城壁があった、そちらの城壁はとても素晴らしい出来であり爆薬なんかではびくともしなそうな物である。
「うわぁ、これはすごいな~」
街の中には猫耳、犬耳、犬顔、猫顔、あっちの娘なんか鳥の羽、獣人族が街中で酒を飲んでいる、おそらくは何かの祭り事なのであろう、首を跳ねられる祭り以外の参加は久しく凄く楽しい
「そこの白髮の坊や!、あんた不死者のマーガレットでいいのかにゃ?」
後ろから声がかかり振り向くと、踊り子のようなひらひらの服装の猫耳獣人族が歩いてきた、桃色の髪の毛にひらひらの服、背丈は僕と同じぐらいで容姿はかわいいと言われる分類であろう、僕の記憶もだいぶ古いものだが、この記憶が現在でも通ずるのであれば風俗嬢か何かかと思う
「は、はい、僕がマーガレットですが、なにかごようでしょうか?」
一応返事をすると猫耳獣人族は懐から巻尺を取り出して手招きをした
「イリス様からの命令だにゃ、その薄汚い服と新品の服を取り替えだにゃ、私の店へレッツにゃーだにゃ」
彼女は風俗嬢ではなく服屋嬢であった、笑顔で手招きする彼女についていくと、桃色のテントに到着した、看板には【桃色娘】、桃だけを食べてできた遊女を売る場所としか思えないネーミングである
「今は移転したばかりでこんな感じだけど、行行は3階建ての宿みたいな服屋にしたいにゃ!」
「そ、、、それはやめたほうが良いですよ、一階建てでやめておきましょう」
「まあ細かいことは気にしにゃいにゃ!、どうせテントの中は機材しか置いていないし、ここでい採寸しちゃうにゃ、服は脱がなくて結構、さあ採寸にゃ!!」
その後採寸が終わり、軽く4時間ほど待つと、非情に変わった服を彼女は持ってきた
「こちら東洋の服装、袴に羽織の羽織袴と言うものです!、お兄さんならきっと似合うにゃ!」
そう言われるがままに来てみると、割りと着心地は良かった
「着心地はとても良いです、有難うございます」
「良いってことにゃ!、私は唐娘、以後衣服は私のお店をご贔屓お願いだにゃ」
「是非ともこさせていただきます」
そう言って外に出ると唐娘は外に出てきて少し物をくれた
「これはプレゼントにゃ!」
そう言って渡されたのは西洋の刀に葡萄酒であった、剣には金の刺繍が施されておりかなり高価な感じがする
「有難うございます、是非ともまた今度もこさせていただきます」
僕はそう言ってまた周囲を散策し始めた、葡萄酒は割と甘く、常用するための葡萄酒ではなく、嗜好品の方の葡萄酒であった
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周囲を歩いていると、人混みの中にラピスを見つけた、やはりあの真っ赤な髪の毛はよく目立つ、僕は彼女の元まで近づいて声をかけた、
「ラピスさん、すごいですねここ、まるでお祭りのようです」
「ああ、だってお祭りだからね、そうそう、その服にあっているね、カッコいいよ」
ラピスに服装を褒められたことが嬉しく、思わずにやけてします、今度唐娘にお礼を言わなければならない。
「有難うございます!、この服装すごいですよね、確か東洋の方ではこんな服装でしたね」
「そうそう、あ、そう言えば今から獣王の元に行くけれども一緒に行く?」
「はい!、行かせてもらいます」
そうして僕たちは獣人族の王、獣王の元まで歩いて行った。
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野外のテーブルに座っている一際大きい虎の獣人族、顔は虎で目は青く、体には赤い装飾を施された大きな鎧を身にまとい、その姿はまさしく獣王と言った感じである、あまりにもその体は大柄で、テーブルがまるで獣王の盾の用に見えてしまう
「がははははは、ラパス!!、よく来たな!!!!!」
かなり酔っているらしく、完全に人の名前を間違えている
「私はラピスだ、いくらなんでもハメを外し過ぎであろう、まったく」
獣王は立ち上がると、僕の目の前まで歩いて行き、眼と鼻の距離まで近づくとググッと顔を寄せた、息は生暖かく、その目は今にも僕を食べようとする猛獣の眼である
「お前が不死者か、うん、思っていたよりも小柄だな」
僕は怯えながらがら一礼し、そして会話を続けた
「ある程度で成長が止まってしまって、個人的にももう少し大きい方がよかったですね、対して獣王様は随分と大きいですね、羨ましい限りです、自分もそんな大きな斧を掲げられればよかったのですが」
獣王は手を上に宙に向けて、僕へ尋問を始めた、その姿はまるで星を掴もうとしているようであった
「お前は何のために戦うんだ?、この革命は大量に人が死ぬぞ、気持ちのいいものではない、何故そんなものに参加する」
その問にだけは嘘を付く訳にはいかない、それに嘘をつけば今後一切の信用を得られなく成るであろう、ここには各自の信念があって集まっている、故に僕はしっかりと自分の意思を獣王に向けて言い放った
「僕にとって人が死ぬことは見慣れています、最初は兵士として100人殺して化け物と言われました、次にある国の国王になって、指先ひとつで数万の命を敵も見方も散らせました、次は不死者とはなんと恐ろしいと、この世の恐ろしいものとして【四凶】が一人と言われ毎日人間に襲われていました、最後には人間に捕まって毎年100回首を落されました、では、では次は何を見るかと思った時、僕を求めるもののため、僕が求めるもののため、動くというのは案外気持ちのいいものです」
僕がそう言うと、獣王はぐにゃりと頬を上げて大笑いした、その笑い声は千里までも届きそうなほど大きく、その姿はまるで地獄の番人のようである。
「はははははははは、そいつはすげえ!、さすがは不死者だな、ならば一緒に新世界に行こうぜ、吸血鬼の求む誇り高き世界へ、俺の求める獣人族の世界へ、ラプスの求める平等な世界へよ!!!」
またラピスの名前を間違えた、この方は人の名前を間違えるのが癖なのか、酔っているだけなのかよくわからない。
「不死者!、名前を聞かせろ、俺はグラドス、シヴァだ!!!」
「僕はマーガレットと言います、今後もよろしくお願いします」
僕が名前を伝えるとラピスが眠たそうというか暇そうに口を開いた、確かにこんな会話は第三者にとってはつまらない物であったであろう
「シヴァ、そろそろ作戦会議だ、会議室に行くぞ」
「わかったぞ」
彼女たちは忙しい、革命なんてだいそれたことをするのだから自分なんかのために時間を消費させてはならないと思い僕はその場を去ろうとした、するとラピスは僕の左手を掴んで引き止める、彼女はなぜか不思議そうな顔をしていた
「あの、どうかしましたか?」
「お前も参加だよ?」
まさかの僕の参加に少々驚いた、しかも彼女はそれが当然のように言うのであるから驚いた。
「は、、、はぁ」
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大きな円卓に赤い部屋、部屋の中には絵画などが飾られていて、それに加えて床には色々な装飾が施されている、さらに天井にも大きな絵が描かれているなど、非常に豪勢な部屋であった、さすがは吸血鬼の城であるといったところであろう、できることであればここに住みたい
「ではこれより作戦会議を始める」
そう言うとイリスが資料を数枚取り出して淡々と読み上げ始めた、まあ作戦はほぼねり終わっているのであろうし確認だけなのであろう、しかし僕は初見であるが故しっかり聞く必要があった
「今回の作戦はハーフエルフ救出作戦だ、ハーフエルフの国は現在宗教国家クララミルによって宣戦布告を出されている、開戦は1月後だ、この作戦は全部で4つの作戦に分割されるためそれを説明する」
彼女がそう言うと、彼女の赤服のメイドが黒板を出してきた、イリスは白墨を持って箇条書きをして、説明を始めた
「まずはメリア王国交渉作戦とゴルド公国交渉作戦、メリア、ゴルド両国は現在聖王国含む聖王連合より宣戦布告を出されている、理由は双方違い、メリア王国は聖王連合のやり方はあまりに理不尽と訴えたため、ゴルド公国は国土にある膨大な金を狙われているからだ、これらを1月以内に小麦商連合に引き込む!」
イリスはそう言うと黒板の文字を消して残り2つの作戦について説明を始めた、頬には少し汗を書いている、しかしこの作戦、イリスだけが交渉人だけでは時間が足りないように思えた、それと『差別の撤廃』のためであれば人間とでも手を組むと言った姿勢はすごいと思った
「次にエリアル城門防衛作戦とメイジス城門防衛作戦、これらはハーフエルフ救出作戦の本番だ、先ほどの交渉作戦で味方につけた国の財力を背景に大規模な作戦を展開する、エリアル城門はラピスとマーガレット二人で二千人、メイジス城門は獣人兵五十万人と吸血鬼千人で敵兵千五百人を倒す、敗北条件は戦死者がこちら側で五十人を超えることだ、これは小麦商連合の兵力を見せつけるデモンストレーションだ、戦死者が増えればただの数だけと判断される、質も量も脅威だと示さなければならない!」
死者50名以下、それはかなり難しい内容であった、なぜならばいくら大軍で攻めても死者と言うのは出るものだからだ、それを50名以下で抑えるというのは難題であった、まあそれも何とかできるからそういう作を立てているのであろう、僕は最初に浮かんだ疑問をイリスに投げかけた
「交渉をするにも、誰が交渉をするんですか?、イリスさんであれば余裕でしょうが1月以内となれば両国一人でという訳にはいかないでしょうし」
僕がそう言うとイリスはケタケタと笑った後にマーガレットを指差して返答をした
「全く何のためにそんないい服見繕わせたと思っているんだね、君が交渉人だよ、マーガレット君、君とラピスにはメリア王国への交渉をお願いするよ」
まあ問題はない、少々驚いたけれども交渉事は何度かやったことがあるのでそう問題はない、むしろこの連合のため役に立てる機会が与えられたことに少々喜びを覚えた、あと、、、、
「わ、私も行くのか、何でだ?」
「軍神がいるというだけで交渉材料に成るんだ、諦めろ」
ラピスと親交を深めることもできるのではないかと期待をした、元々彼女が手を貸してくれたからこうして僕はここに居るのだ、彼女のことをもっと知りたいとは常々思っていたのだ
「出発日と交渉日程をお願いします」
「出発は明日、1週間で付くから4日で交渉成立、1周間で帰投、できるか?」
「了解しました、ではラピスさん、明日からよろしくお願いします」
僕がこの連合にはいって初めての仕事、絶対に成功させると同時に少しでも仲間のことを色々しれたら良いなとこの時僕は思った、明日からは僕の初仕事である、
これで第二話は終了です、次回は4視点にしたいと思っています、ラピス視点の題名を間違えて『1』で投稿してしまった時は焦りました(今は修正済み)