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いじめをしているあなたへ

作者: 伊田 勇

愛する人をいじめによって奪われたら、あなたはどうしますか?

先日、弟が自殺した。


ナイフで、手首を切って。


俺が発見した時、すでに息はなかった。


俺は、信じられなかった。


なんで、自殺なんか・・・。


弟のポケットに、遺書が入っていた。


「皆様へ

こうして自ら命を断つ事を許してください。

僕は、中学1年の夏から、今年にかけてクラスのいじめグループによっていじめを受けていました。

きっかけは、小さな事でした。去年の夏、バケツを運ぶ時に、手が滑ってそのいじめグループの一人の子に、誤って水をかけてしまいました。

その時、彼は「いいよ」と許してくれましたが、その3日後、僕はクラスの××君に声をかけられました。

その子は、僕が水をかけてしまった子の友だちでした。

僕は人気のない体育倉庫につれていかれ、殴る、蹴るなどの暴行を受けました。その次の日も、同じ事をされました。その次の日も、また次の日も・・・。

日に日に僕をいじめるメンバーが増えていきました。それと同時に、いじめもエスカレートしていきました。

トイレの水を飲まされたり、全裸にされて、教室中を歩かされたり・・・。

だけど、誰も助けてくれませんでした。


先生も助けてくれませんでした。

僕がみんなに殴られている時、一緒に笑っていたのですから。


もう、生きる気力がありません。

お母さん、お父さん、お兄ちゃん。

勝手に死ぬ事を許してください。親孝行できなくてごめんなさい。

いままで、ありがとうございました。 満」




満は、ずっと苦しんでいたのだ。


俺は、気付いてあげられなかったのだ。


すまない、満。許してくれ。


俺は、満をいじめていたというグループの少年たちに会いにいった。


真面目そうな奴らだった。

彼らは、「いじめなど絶対してない」と切実に否定した。


学校側も、いじめがあった事を認めなかった。遺書を見せても、「因果関係はわからない」とごまかした。


だが、俺はある生徒から、妙な情報を聞いた。

満が死んだ次の日、学校で集会が開かれた。

その最中、・・・笑っていたという。あの生徒たちは。



許せない。許せない。許せない・・・!


殺してやろう。そう思った。

この手で、闇に葬ってやる。


たとえ世界が許しても、俺はお前らを許さない。


世間も、お前らを許さない。




いじめをしているあなたへ


愚か者!


いつまで逃げているつもりだ!


お願いです!


一刻も早く、謝罪してください。


被害者が救われません。



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― 新着の感想 ―
[良い点]  本当にそうですね。 こういう訴える感じの作品で考える方が増えて欲しい [一言]  はじめまして。 「いじめ」は、大きな事件があるごとに社会現象になりますが次第に風化していくのが辛いで…
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