「ルシファーピンチ?」
「ルシファーピンチ?」
~そのころの魔界~
「姫様、天使長ルシファーが天使長の座を受け渡したようです」
その発言を聞いた少女は驚いた。けど、納得してしまっている自分も居る
ことに心の奥底で気づいていた。ルシファーは弱い、シキに任せるのが当
たり前だったのだ・・・・・・。
「では、やっと私と結婚を考えて下さったのですか?」
少女がはしゃぎながら、照れながら尋ねた。
「いいえ。どうやら、人間界へ行くみたいです」
少女の顔はだんだん笑顔から悲しみへと変わって言った。そして、
「じぃ、私も人間界へ行きます!!」
と声を大にして言った。そう言うと、少女は部屋で荷造りを始めてしまっ
た。
「・・・・・・分かりました。護衛は付けさせます。出発は明日の明朝でお願い
します」
そう言うとじぃと呼ばれた魔物は部屋を後にした。
「ルシファー私の事どう思ってるのかな・・・・・・」
さっきの少女の独り言である。少女の名はエイラ、歳は14歳でルシファー
の一個下だ───
~そのころ天界~
城の個室にルシファーとアイリスが居た。
「なんですって!!それじゃあ、私が嫌で降りたのですか?」
辺り一帯に大きな声が響いた。騒いだのはアイリスと言う少女で、ルシフ
ァーの婚約者だ・・・・・・つい先日まではだが。
「いや、決してそのような事はありません。僕はただ、弟の方が相応しい
と思っただけです。アイリスが嫌いなわけではありません。」
ルシファーが言った。すると、アイリスの顔から怒りは消え笑顔になり言
った。
「では、結婚しましょう?」
式はいつにしましょうとか、籍は式の後か前かなどとアイリスが独り言を
言い始めた。一方、ルシファーは言い方を間違えたなどと独り言を言って
いた。
「待って下さいアイリス、僕には地位も金もございません。アイリスに僕
は相応しくありません」
ルシファーは我ながら良いことを言ったなどと思っていた。これでアイリ
スは諦めてくれると思っていたのだ。
「私は、ルシファーと一緒なら農民、子作り、変態プレイ、奴隷、貧乏全
部やりますわ!!」
(気のせいだろうか、なんか変なのが二つ聞こえた気がするが)
アイリスはそう言うと、うれしそうに部屋を出て行ってしまった。ルシフ
ァーは思った、明日人間界に行くと。