9/23
証言9
僕がついてこないのに気づいて、白い大人はすぐに戻って来て、どうしたのか聞きました。
僕はすぐにあの子について聞きました。
白い大人は少し考えた後、あの子はもう手伝いが終わったから別の場所に移動になってね、今はその準備をしてるから見えないようにしてるんだよ。と言いました。
どこに移動になるのと聞くと、この施設じゃないところ、もう見ることは出来ないと思う。…そう言われました。
僕は、この時初めて"絶望"というものを味わった気がしました。
あの子がいなくなるなんて。
あの綺麗な姿を見られなくなるなんて。
僕は心の拠り所を失ったのです。