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証言5
そこにいたのは、いつか本で見た宝石のような色をした髪の、肌の白い子でした。
膝ほどまである長い髪の間からは数えきれないほどの管が見えています。
たくさんの管の一方の端は壁に、もう一方の端はあの子の身体中に繋がっているのです。
あの子はじっと座ったままで、少しも動きません。
目は開いているのに、少し下の方を見つめているばかりです。
僕にも気づきません。
じっと見つめていると
あの子は、一度だけゆっくりと瞬きをしました。
それを見た時…僕は胸が高鳴りました。
あの子はとても生きた人間には見えません。
だからこそ、僅かな動きにも生を感じ、それがたまらなく愛しく思えたのです。
何を思っているのか全くわからない表情も、壁に繋がれた痛々しい光景も、美しいとさえ思いました。
あの子は…永遠の美しさを持つ、一枚の絵画のようでした…