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証言19
ひたすら真っ直ぐ歩き続けて、気付けば日が落ちてすっかり暗くなっていました。
街灯の明かりが僕達を照らします。
街灯。そう、その時僕は気付いていませんでしたが、何もない道から人里に辿り着いていたのです。
僕は体力の限界が近くなっていて、歩みもかなり遅かったと思います。
「君、大丈夫か?」
大人の声が聞こえたので顔を上げると知らない大人が何人かいて、僕に色々と聞いてきました。
その時は何よりも女の子を助けたかったので、僕はその大人達に真っ先に女の子のことを伝えました。
「大変だわ…!早く救急車を!!」
「おい…!聞こえるか!?駄目だ…反応が無い…!」
大人達はすぐに救急車を呼んでくれました。
救急車が到着して女の子が運ばれた後、
「君も乗りなさい。」
と言われたので、僕も一緒に救急車に乗りました。
信頼出来そうな大人達に会うことが出来て安心したのか、僕は急に眠たくなってきて、救急車の中で寝てしまいました。