11/23
証言11
彼女の望み通り、症状を隠すことを決めましたが、女の子はみるみる元気がなくなっていきます。
話しかけても、消えそうな声で一言返事するだけになりました。
これから良くなるとわかっていても、彼女があまりにも辛そうなので僕はとても心配でした。
いくら言わないでほしいと頼まれているからといって、この状態を放っておくのは危険だと感じました。
それに、この様子だと検査の時に白い大人にわかってしまうと思いました。
僕は女の子に、やっぱりこのままだと危ないから白い大人に言って何とかしてもらおう。と提案しました。
……答えは返って来ませんでした。
僕には早く検査の時間になるのを、白い大人が来るのを待つことしか出来ません。
それまで女の子がこれ以上悪い状態にならないよう祈ることしか出来ませんでした。