第1話始まりの日
「はぁ、ついにこのゲームともお別れか長かったような短かったような…」
そう、それは60年前のことだった。この日本でVRゲームというのが実現した。その前にもVRゲームと言うのはあったがよく書かれる小説のような物ではなくあくまで、そんな場所にいるような感覚を見せるようなものだった。しかし、2089年それは現実になった。今まで空想上のものでしかなかったVRゲームはまるで新しい世界にいるような今までのVRとは言っては悪いが比べ物にならないほどのゲームが出たそれは
<MY FANTASY WORLD ON-LINE>
自分達で考えた世界を自分達で創りあげるオンラインゲームだ。最初は、またこんなものが出たのかとネット上で出ていたがやってみた人達は口を揃えて言った
「今までのVRゲームとは、格が違うこれは俺達が求めていた世界のゲームだ!」と。その話が広がり世界最高売上数を叩き出した。その数21億8792万本。このゲームには、100人のトッププレイヤーがいた。そしてこの100人は皆このゲームと共に命を絶とうとしている。ここにいる玄道勝利もそのひとりだ。
これは、そんな男の物語だ………
「よし、死ぬか」
後悔などない、妻は20年前に死に息子や娘もいない。どうせもうすぐ死ぬんだったらこのゲームと一緒に死にたい。
そうして俺は首吊り自殺をした。
「お………く………げ…………ま」
「ん?」
「起きて下さい玄道様」
「っ?!だ、誰だ!」
俺はこれでも武術の師範をしてたんだぞ?!そんな俺に気づかれずに隣にいるのはおかしい?!こいつ一体何者なんだ!
「私ですか?私は女神マール・ヌーヴォー異世界の女神です。貴方にはこう言う方がいいかもしれないですね。MY FANTASY WORLD ON-LINEの製作者です」
「な、何故俺が考えたことを!それにMFWの製作者だと!確か作者はMFWを作ってすぐにお亡くなりになられた筈だ!」
「私は、正真正銘製作者ですよ。私は私の世界に来てもらうためあのゲームを創りました。今私の世界はピンチなのです。どうか、100人トッププレイヤーをまとめあげた貴方に世界を救って欲しいのです。ちなみに99人の方々は皆あなたなら来ると思って私の世界の各地に行ってもらいました」
「今の私が行って役にたちますか?100人の中では最年長のものです。足手纏いにならなければいいのですが………」
「あなた達には、ゲームのステータスをそのままにしたい旅だってもらっています。そしてリーダーになってもらう貴方には特別に『創造』と言う能力を渡します。これは、私の権能と同じ能力で蘇生魔法以外ならなんでも創り出せます」
「スキルもですか?」
「はい、それ以外にもですが魔法・生命・武器防具などの装備なども創り出せます。後付け足すならば、その人の想像力によって創り出せるものも変わります。どうでしょうか?」
「………いいでしょう。俺もまだまだ冒険したりなかったんです。まだできるなら、そして仲間たちと会えるなら、力は惜しまず全身全霊を持ってやります」
「あ、ありがとうございます!やったー!やったー!」
「そこまで嬉しいんですか?」
「それはもう、地球上最強と言われたあなたと貴方の使う武術が有れば百人いや千人力です!」
「口調が崩れましたね。そっちの方がかわいいですよ?」
「へ?え、いや、あの…て、照れますねー…えへへ」
「それじゃあ今から行くんですか?」
「はい。あ、ちょっと待って下さい。私の加護(寵愛)をあげます。貴方の力になることでしょう。」
「ありがとうございます、頑張って世界を救って見せます!」
「お願いしますね!それでは、行ってらっしゃい!」
「行ってきます」