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深紅の月

 惑星テレの数少ないオアシスの一つに、巨大な学校があった。一時は、砂漠での戦闘場として人気のあった星だったが、帝国との通信が途切れてからは、わずかの残った人たちが暮らす貧しい星だった。人造生命体であるヒューマノイドは機械のアンドロイドと異なり、食事も必要である。学校では、そのための農業や工業な生産に必要な知識を教えていた。

 ドルードの息子、アレクサンドリア、通称アレクはこの学校に来てすでに3年が経っていた。来年には卒業を迎える。彼は、このまま学校に残るか、家にもどるか悩んでいた。両親は、ろくな食べ物も仕事もない家より、学校に残ることを望んでいた。学費は国家で負担してくれる。


 その日は、巨大な真っ赤な満月が夜空に浮かんでいた。砂漠の砂によって赤以外の光はすべて反射され地上には届かない。それは砂漠の中にそびえる巨大な三角形のモニュメントを赤くあやしく染めていた。


 やがて、月が三角形の建造物の内部へとその光を送り込んだとき、中から無数の小さな丸い塊が這い出てきた。楕円形の俵のような胴から長い頭、手足、それと細い尻尾が出ている。かれらは、ゆっくりではあるが、一定のリズムで着実に町へと向かっていた。陸亀に似た生命体は列をなし、町を進むと、やがてアレクのいる学校にたどり着いた。

 そして、深紅の月が沈むとともに、かれらはそのまま砂の中へと姿を消した。


 翌日、かれらの行進は町の中で噂となっていた。ヒューマノイドともアンドロイドとも異なる生物はアニマノイドと呼ばれた。目撃者が数名なら何かの間違いで片付けられたが、多数の人が異様な物音と気配を感じ、かれらの行進を目にしていた。政府としても、すでに無視できない状況となっていた。


 そして、翌日再び赤い満月が空へと姿を現した。

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